陣馬山は、東京都の八王子市と神奈川県の相模原市緑区の境に位置する、標高854mの山です。
東京都内で初心者向きの山として人気のある山は高尾山ですが、陣馬山は高尾山と一緒に縦走できる山として、高尾山からレベルアップしたいときにちょうど良いレベルの山です。
標高がそこまで高くないにも関わらず山頂には木がないため、360°のパノラマを楽しむことができます。
本記事では、関東の富士見百景、かながわの景勝50選、八王子八十八景にも選ばれている陣馬山のおすすめルートと見どころを解説いたします。
陣馬山とは
陣馬山は秩父山地の東側に位置する山で、東京都立高尾陣場自然公園、神奈川県立陣馬相模湖自然公園に指定されています。
陣馬山の名前の由来は関東の北条氏と甲斐の武田氏が戦をした際、ここに陣をはったことからその名前がついたと言われています。
標高は854mと初心者登山にぴったりの高さとなっており、道中もくさり場やハシゴなどはなく、特別危険な箇所はありません。
高尾山の近くなので都心からのアクセスもよく人気の山となっています。
陣馬山は駅から登るルート、車アクセスするルート、高尾山へ縦走するルートなどさまざまなルートがありますが、今回は高尾山から縦走する人気の「奥高尾縦走コース」をご紹介します
奥高尾コース(縦走コース)
奥高尾コースは高尾山、景信山、陣馬山の3つの山を縦走するコースです。
コースタイムは6時間30分(休憩なし)程度で16kmと長いのですが小屋も多く、陣馬山まで上がれば殆ど尾根続きのため初心者からのスキルアップには最適なコースです。
奥高尾ルート
高尾山側から登って陣馬山方面に下山するか、陣馬山方面から登って高尾山へ下山するかどちらでも構いませんが、個人的には陣馬山から登るルートをおすすめします。
奥高尾コースは縦走のため、登山を始める地点と下山地点が違うので電車でのアクセスとなりますが、高尾山に下山した方が駅がすぐ近くなので楽です。
さらに高尾山口駅であれば駅直結の「京王高尾山温泉 極楽湯」があるため、温泉へのアクセスが良いのもとても便利です。
陣馬山から登る場合、高尾駅北口で陣馬高原下行きのバスに乗りましょう。高尾山口駅ではなく高尾駅なのでご注意ください!
高尾駅からバスで40分ほどで終点の「陣馬高原下」に着きます。
ここから陣馬山山頂までトイレはないので、ここでトイレなど登山準備はしっかりと整えてから歩き始めましょう。
歩き始めてすぐに和田峠、陣馬山方面と明王峠、唐沢峠方面への分かれ道となりますが、陣馬山方面の方へ曲がりましょう。
舗装された陣馬街道を15分ほど歩くと、左側に「陣馬山新ハイキングコース」という表札と地図看板があるので、そこから山に入っていきます。
表札には「陣馬山新ハイキングコース」と書いてありますが、しっかりとした登山コースなので準備はしっかりしてから進みましょう。
登山道から山に入ると、木々に覆われたいかにも山道らしい登山道が続きます。
標高が低いため夏は暑く、虫も多いので真夏は避けることをおすすめします。
この奥高尾コースでは3つの山を縦走しますが、最初の陣馬山が1番標高が高い山となっています。
そのため、このコースの中で最初のこの登山道が1番傾斜がきつく疲れます。
しかし時間としては1時間ぐらいで山頂に着いてしまうので、ゆっくりでも構わないので頑張って登りましょう。
木々に囲まれているので、森林浴として自然を感じながら進むと気持ちいいです。
道中は特に危険な箇所も道に迷うところもなく、表札通りに進んでいけば陣馬山山頂へ到着します。
山頂に出るとあれだけあった木々が突然なくなり、360°のパノラマ風景が広がっています。
神奈川や東京の街並みはもちろん、丹沢の山々や奥多摩の山、天気が良ければ富士山も眺めることができます。
陣馬山が人気の山となっている理由が山頂からの景色がいいことに加え、山頂がとても広いことです。
陣馬高原とも呼ばれるほど山頂は広く、山頂にはなんと3軒も茶屋があるので絶景を見ながらうどんやそばを食べることができます。
もちろん自前のガスバーナーなどで料理をすることもできます。
毎年年末になると山納めとして登る方が多く、12月の山頂では毎年どこかのグループが自前のガスバーナーで忘年会を開いています。
そのほか山頂には、陣馬山のシンボルとなっている白馬のモニュメントがあるので、ぜひ記念に1枚写真を撮りましょう。
陣馬山の山頂を満喫したら、2つ目の山である景信山に向かいましょう。
景信山に行くには明王峠という峠を経由していくので、表札は明王峠方面の表札に従って進めば大丈夫です。
陣馬山から景信山へは標高が下がるので基本的には下りとなりますが、一部登りもあります。
道自体は問題なく進めますが、距離が5km以上あり時間も2時間ほどかかるので初心者の方にとっては長い道のりになるかもしれません。
景信山への道は気持ちのいい尾根道となります。
木々が覆い茂っているので見晴らしは悪く、景色がいいと言うわけではありませんが、気持ちよく歩くことができるコースです。
景信山山頂でも2つの茶屋があります。
奥高尾コースの場合、時間的にもここで昼食を取るという方が多いです。
展望がいいところにベンチとテーブルが並んでいるので、景色を楽しみながら昼食を楽しめます。
その後は高尾山に向かって基本的に下り道となります。
小仏峠、城山を通り2時間ほどで高尾山山頂に到着します。
高尾山山頂からはどの道を使って下山しても構いませんが、最も楽なコースは1号路です。
1号路は途中に薬王院や茶屋がある山道を通るので、観光気分で下山することができます。
自然を感じながら下山したい場合は6号路や稲荷山コースを下山すれば、高尾山といえどもしっかりとした山道を下山することができます。
奥高尾コースは難易度は低いですが、距離が16kmと長いです。
初心者の方であればかなり時間がかかるかと思うので、陽が短い時期は朝早く出発するようにしましょう。
まとめ
陣馬山は「高尾山では物足りない」、「高尾山で登山にハマった!」という方におすすめできる山です。
陣馬山を単体で登りたい場合は、陣馬山高原下からのルートをピストンすればいいので、そちらもおすすめです。
高尾山よりは陣馬山の方が景色もかなり良いので、「都内で気軽に登山したいけど高尾山は人が多くてちょっと…」という場合にぜひ登ってみてください。
下山後は是非、高尾山温泉で疲れを癒やしてください。