3000本の桜がお出迎え!しまなみ海道の「岩城島」積善山(せきぜんさん)登山

四国

瀬戸内海の島々を結んでいる、愛媛県今治市と広島県尾道市の架け橋である「しまなみ海道」

大小数十島がひしめく日本を代表する観光名所ですが、その島の中に船でしか行く事がで
きない「岩城島」があります。

人口約2000人の島は、春になるとソメイヨシノをはじめとする3000本以上の桜が咲き誇ります。

特に島の最高峰「積善山」の頂上付近から500mにわたる桜並木は、あまりの美しさに「天女の羽衣」と称されるほど。

そんな標高370m、愛媛県越智郡上島町にある「積善山」の魅力と登山コースをご紹介します。

目次

桜が満開になった積善山、海抜0mから登る花見旅へ

登山口は岩城港

離島である岩城島には複数の港がありますが、今回は愛媛県今治港から船に乗り、岩城港から頂上へ行くルートをご紹介します。

岩城港で降りると目の前で「積善山」が出迎えてくれます。

ここから頂上までは約5km、ゆっくり歩いて2時間のハイキングコースです。

なお岩城島までフェリーで来て車で移動することも可能ですが、例年桜の開花時期には車両の通行が規制されています。

積善山へ続く車道が一方通行となりますのでご注意下さい。

積善山の桜開花時期は通年ですと3月下旬から4月上旬ですが、私が行った2021年は全国的に桜の開花がかなり早くて、この積善山でも3月末には麓から山頂までが満開になったようです。

せっかく山頂まで登るのですから満開の桜を見たいですよね。

そんなあなたの為に、岩城島がある愛媛県上島町観光協会が桜の開花状況を写真付きで毎年ホームページに掲載しています。

3月中旬からは、ほぼ毎日開花状況を更新しているので、岩城島積善山の桜を見に行かれる方はぜひチェックしておきましょう。

そして登山道ですが、岩城港から車道をひたすら登っていきます。

この岩城島ではレモン栽培も盛んで、紅葉シーズンには積善山登山道周辺の畑でレモンが実っている風景を見る事ができますよ。

瀬戸内の風景を望みながら頂上を目指す

岩城港から約30分程歩くと分岐点に差し掛かります。

左へ曲がると山頂まで最短距離で行ける遊歩道ルート、右へ曲がると車道で山頂まで行くルートです。

今回はゆっくり春の景色を楽しむ登山なので右へ進みます。

桜の開花シーズンだったので、車両進入禁止になる看板が設置されていました。

歩いて頂上へ向かう場合はもちろん通行する事ができますよ。

瀬戸内海の美しい景色と満開になった桜を思う存分堪能しながら、頂上を目指していきます。

しばらく歩いていると沿道に気になる看板を発見しました。

金鉱跡がこの先にあるようで、道路沿いにある案内看板にも「金鉱山跡の洞窟」と記載されています。

車道から50mぐらい進むと金鉱跡と思われる場所に着きました。

この金鉱跡は、明治期に島の粗封家が一攫千金を夢見て採鉱した金鉱(試掘坑)の跡とのこと。

結局この坑道は金鉱脈に当たらずに、試掘は失敗に終わってしまったようです。

現在では入口が半分以上土砂で埋まっていて、明かりなども一切無く足場もあまり良くないので、中に入る事は出来ないようです。

長年の植樹活動が続いている積善山

登っている途中では、新たに植樹している若い桜の木を多く見かけます。

この積善山の桜は、戦時中に桜公園で数本の桜の木を植えたことがきっかけでした。

現在でも保育園卒園や還暦などの記念、関西岩城会など各種団体がこの積善山へ植樹を続けています。

この植樹活動は全てボランティアで行われているそうで、まさしく「善を積む山」として、多くの人に愛されている山なのです。

年々大きく成長していく積善山の桜を見に行くのが楽しみになりそうですね。

なお登山道途中の案内看板に描かれているかわいいキャラクターは、上島町マスコットキャラクターの「かみりん」です。

かみりんは、上島町内に古くから住まう海の神様です。

レモンとたまみ飴ストラップの柑橘ポシェットには、たくさんのフレッシュな幸せがつまっているようです。

上島町のお店や通販などでキーホルダーやボールペンなど、各種かみりんグッズが販売されていますので、ぜひお土産にどうぞ。

いよいよクライマックス!桜並木を通って頂上展望台へ

岩城港から歩いて約1時間30分。

西駐車場まで来たらここから山頂までは600m、桜並木が続く積善山最大の見どころです。

天女の羽衣の中をゆっくり進んでいきましょう。

本当に息を飲むほど綺麗で美しい桜並木です。

そして立派な山頂展望台が見えてきたら、いよいよ積善山頂上です。

展望台からは、生名・弓削・魚島の上島郡島をはじめとして、しまなみ海道が通っている大三島や伯方島などが一望できます。

この日はあいにくの曇り空で見通しがあまり良くありませんでしたが、空気が澄んでいる晴れた日には瀬戸内海の遠くの島々まではっきりと見通せます。

満開になった桜をたっぷり堪能して、さらに標高0mの岩城港から標高370mの積善山頂上まで登った達成感は、一言でいえば最高の気分ですよ!

まとめ

この岩城島には古い町並みや神社仏閣なども残っており、静かで自然豊かな風景があります。

島本陣遺構(岩城郷土館)

しまなみ海道の観光名所と言えば大三島にある大山祇神社や、大島にある亀老山展望台が有名ですが、この岩城島も大変魅力的な場所でした。

離島なので車で直接行く事が出来ない不便さはありますが、移動中の船から見る海の景色は格別ですし、港から登る積善山では春になると沢山の桜が登山客を出迎えてくれます。

船旅と徒歩で行く岩城島積善山、行った人だけが味わえる感動的な展望があなたをお待ちしています。