
レインウェアの購入を検討した方なら一度は耳にしたことのあるミレー(Millet)のティフォン50000シリーズ。
当記事では、ティフォン50000の素材の特徴・強みの解説と、ティフォン50000ストレッチトレックパンツの着心地、防水性、メリットデメリットなどをご紹介します。
ティフォン50000って?

TYPHON 50000とは、フランスの発祥の登山用品ブランドであるミレー(Millet)が開発した、防水透湿性に優れた独自素材です。
人気の秘密は、業界トップの透湿性とレインウェアとは思えない生地のしなやかさにあります。
ティフォン50000シリーズの防水性

ティフォン50000シリーズは、登山に必要とされる耐水圧20,000mm以上という登山に適した耐水性を備えています。20,000mmという数値は、嵐のように強い圧力を持った降水にも耐えうる値で、登山中の大雨の中でも安全に行動することができますよ。
ティフォン50000シリーズの透湿性
次に、透湿性です。
ティフォン50000という名前にも表されているように、ティフォン50000シリーズは、50,000g/㎡/24h もの高い透湿性を誇ります。この数値は一般的なレインウェアに使用されている素材の透湿性(10,000〜30,000g/㎡/24h)の2倍前後もの値にあたります。
レインウェアを着て行動すると、状況によってはウェア内が蒸れやすくなってしまうこともありますが、ミレーのティフォン50000シリーズは一般的なレインウェアよりも衣服内の汗や水蒸気を外に逃す能力が高く、蒸れにくいという大きな長所があります。
ティフォン50000シリーズの伸縮性

ティフォン50000シリーズはかつてのレインウェアのイメージのような固くてゴワゴワな素材ではありません。
生地自体に備わった高いストレッチ性と立体裁断によりストレスフリーに動くことができます。
ティフォン50000ストレッチトレックパンツの紹介

ティフォン50000シリーズはジャケット、パンツそれぞれ春夏用、オールシーズン用、秋冬用、スキーなどの冬用の展開があり、今回ご紹介するのはベーシックな春夏用になります。
動きやすさと快適性を備えた、全天候型の高機能防水トレッキングパンツです。
価格 | ¥ 24,200(税込) |
サイズ展開 | XS, S, M, L EUROサイズ表記(Sサイズ=日本Mサイズ) |
カラー | SAPHIR, BLACK – NOIR |
素材 | DRYEDGE™ TYPHON 50000 3L KNITTED BACK ナイロン100% |
重量 | 162g |
今回紹介するのは1枚で履けるタイプのパンツです。他にもミレーティフォン50000シリーズからはオーバーパンツタイプの展開もあります。
実際に着てレビュー
見た目

163cm、標準体重、下半身太りの洋梨体型の女が着たときの写真です。ウィメンズのユーロMサイズ(日本Lサイズ)、カラーはSAPHIRです。ネイビーのような色です。
ストレッチトレックパンツはズボンの上から履くオーバーパンツタイプではなく一枚で履けるタイプのため、ややスリムめなストレート型のトレッキングパンツのようなラインになっています。

普段筆者はノースフェイスの定番パンツであるアルパインライトパンツをよく履くので比較してみると、アルパインライトパンツよりややゆとりはありつつ、これに近いスリムな設計であると感じます。
ポケット

サイドポケットはベンチレーション機能を有したメッシュポケットになっており、ウィメンズはジッパーなしタイプ、メンズはジッパー付きと異なった仕様になっています。
バックポケットには止水ジッパーがついており、濡れて困るものなどを収納できます。筆者はスマホをヒップポケットに入れてます。
ズボンのカラーがBLACKだと止水ジッパーも黒で、筆者の購入したカラーのSAPHIRは止水ジッパーが黄色でワンポイントになっています。
腰回り

ウエスト周りの設計は、ウィメンズはベルトなしのボタンタイプ、メンズは取り外しベルト付きとなっています。

いずれもサイドのウエストゴムでフィットしやすい設計になっています。
伸縮性や着心地は?

ストレッチ性は申し分なく、登山してる間に足が動かしづらいと感じたことはありません。足上げもスムーズにでき、ノンストレスで山歩きに集中できています。
長所
①晴れの日も履ける
ミレー公式も「全天候型ストレッチ防水パンツ」と謳っているように、しなやかな生地・ストレッチ性のおかげで雨の日に限らず晴れの日も登山に使えるレインウェアです。
登山の「三種の神器」に数えられるように、山に行く時は快晴の予報でもレインウェアを必ず持って行くべきとされています。ティフォン50000シリーズなら最初から履いて山に行き、別でレインウェアを持つことなく荷物を減らすことも出来そうですね。
私も降水確率が20%くらいある日は、最初からこのパンツを履いてトレッキングしています。
②レインウェアなのにシャカシャカしない
気になるレインウェア特有のシャカシャカ音については、通常の非防水トレックパンツと比べると音はしますが、日常づかいで履いていて気になるような音ではないように感じます。
筆者はモンベルのオーバーパンツタイプのレインウェアも持っていますが、比較するとシャカシャカ音は断然ティフォン50000の方が小さいです。
③雨でもじっとりしない
しっかり防水機能はありつつ、非常に高い透湿性能を持っているので、雨の日でも蒸れてベトベトと感じることなく登山に集中することが出来ています。
短所
①価格が少し高い
今回紹介しているストレッチトレックパンツは¥ 24,200(税込)とややしっかりしたお値段です。2023年上半期までは¥ 21,890(税込)でしたが価格改定が行われました。
②人によっては丈が短めの可能性はあり
ストレッチトレックパンツを調べていると、「パンツ丈が短い」というレビューを見かけることがあります。
試しに筆者が膝より上の高さに足を乗せて、前側に体重をかける体制になると靴下とわずかに肌が見える程度の丈感です。
通常の立った状態だとパンツ裾は登山靴にあたり若干クシャッとなる程度のため、筆者にとっては絶妙な丈感です。
足の長い人やウエストに合わせてワンサイズ下を履いてる人には、丈が短めの場合があるかもしれません。
サイズ感
EUROサイズ表記なのでサイズには注意しましょう。(Sサイズ=日本Mサイズ)
筆者の着用感やレビューを読んだ限り、普段選んでいるサイズで問題ないように思います。
ミレーの公式サイトでは年齢、身長、好みのゆとりなどを入力しておすすめのサイズを教えてくれる機能があるので、試着せず購入する場合は利用すると便利です。
ティフォン50000シリーズの洗濯方法

洗濯表示の記載は
・40℃限度手洗い
・漂白NG
・タンブル乾燥NG
・日陰吊り干し
・アイロン低温110℃まで ※スチームなし
・ドライクリーニングNG
・弱い力でのウエットクリーニング
撥水効果は、目に見えない皮脂汚れや埃が堆積することで落ちてしまうので、一見汚れているように見えなくても定期的に洗濯する必要があります。
①手洗い、すすぎ

洗濯表示のとおり、40℃を限度として手洗いします。
ミレー社に問い合わせたところ、アウトドア用品用の洗剤(ニクワックス テックウォッシュ等)の他、市販のおしゃれ着洗い用洗剤が適しているそうです。
コツは、必要以上の洗剤の使用は不要であり、すすぎを通常の2倍ほど行い、洗剤成分を残さないことです。また、漂白剤・柔軟剤の使用はNGです。
②脱水せずに干す

レインウェアは脱水がNGのため、手で軽く水を押し絞って、日陰で吊り干しします。水がポタポタ落ちてくるので室内で干す場合は床に桶を置くなど対策をしましょう。
③撥水加工をする

ウェアが濡れている状態でレインウェア用撥水スプレーを満遍なく吹きかけます。あとは乾くまで日陰で吊り干しをして洗濯完了です。
撥水スプレーのみでも効果は抜群ですが、さらにレインウェアの撥水性を復活させるには撥水剤の他に熱処理が有効です。
通常のレインウェアには「タンブル乾燥OK」の表示があるものも多く熱処理を乾燥機で行えるものもありますが、ミレーのストレッチトレックパンツは「タンブル乾燥NG」のため、熱処理はアイロンで行います。
アイロンの温度設定は低温で、プリント部分へのアイロンは避けながらあて布を使用してアイロンをかけます。
まとめ

今回の記事ではティフォン50000シリーズの魅力をお届けしました。筆者は今の防水ジャケットが替え時になったらジャケットもティフォン50000シリーズにしたいと考えてるほど、今回紹介したパンツがお気に入りになっています。
レインウェアを探している方、ぜひティフォン50000シリーズもご検討してみてくださいね。