みなさん、山に行く前に山専用の天気予報はチェックしていますか?
山に特化した天気予報サイトはいくつかあり、山の網羅率や予報の日数、独自の便利な機能などサイトによって色んな特徴があり様々です。
本記事ではそれぞれ山の天気予報サイトの特徴や強み、利用するのに向いてる人を考察して紹介します。
登山者それぞれの山行スタイルに合った山の天気予報サイト・アプリを見つけましょう。
てんきとくらす
通称「てんくら」として登山者に広く知れ渡る「てんきとくらす」は無料で山の天気予報情報を提供しています。WEBサイトに加え2023年夏にスマホアプリがリリースされました。
てんくら登山指数
てんきとくらすでは、「登山指数」として”登山をするための快適さ”を分かりやすく表示してくれます。
「登山指数がAの人気の山」ページでは、当日9時における登山指数がAの山の一覧を表示してくれます。
注意点として、「登山指数」とは山頂の天気を雲量、雨量、風量などを総合的に考慮し算出された指標です。
「登山指数」がAだとしても、雨、風は少ないけど雲はある程度多く展望は良くないというケースもありえます。
同様に、登山指数Cが必ずしも大雨という訳ではなく、晴れているけど風が強い予報というケースもあります。
「てんきとくらす」の登山指数に雷の可能性は考慮されていません。登山指数に関わらず発雷確率は確認しましょう。
てんきとくらすの強み・向いてる人
「てんきとくらす」の最大のメリットは無料で使える点でしょう。
さらに、予報対象の高原・山が2,300以上とよくデータ整備されている点ももう1つの長所です。
他サイトより沢山の山の天気予報データがあるため、3百名山に数えられていない山や低山をメインに登る方に向いているかもしれません。
また、登山指数がAの山一覧の表示機能があるので、週末にどの山に登るか決める判断材料としても使えます。
お天気ナビゲータ 登山ナビ
「お天気ナビゲータ 登山ナビ」は、気象に関するサービスをいくつも展開している日本気象株式会社がリリースしている天気予報サイトです。
制作者は「てんきとくらす」を開発した会社で、月額110円のスタンダードコースと月額288円のPROコースが用意されています。
登山ルート天気
「登山ルート天気」ページでは、登山口から山頂までルート沿いの1時間ごとの気温、雨量、風向風速などの天気予報を地図上に表示してくれます。
歩くスピードの設定も変えられるので自分の山行計画に合わせた天気予報が見られます。
また、このサイトでは山での天気予報を10日先まで確認することが出来ます。
山の見晴らし予報と星空指数
「見晴らし予報」「山の星空指数」ページでは、山頂や主要ポイントでの1時間ごとの見晴らし情報が3日分確認できます。
雨・雷情報
「高解像度レーダー」ページでは雨(1時間前〜6時間後)、雷(1時間前〜1時間後)、竜巻(1時間前〜1時間後)情報をタブを切り替えることで確認することができます。1時間以内に雷が発生したポイントも確認出来ます。
2つの有料コースの違い
ポイント天気 | 見晴し予報 | 星空指数 | ルート天気 | 高解像度レーダー | |
スタンダード (110円) | ○ (3日間) | ○ (3日間) | ○ (3日間) | × | 実況 |
PRO (288円) | ○ (10日間) | ○ (3日間) | ○ (10日間) | ○ | 実況 +予測 |
「お天気ナビゲータ」の登山ナビとしての特徴でもある「登山ルート天気」や予測付きの高解像度レーダーを使うにはPROコースを選択することになります。
一方で、見晴し機能や星空機能など一部の機能だけ限定的に使えればいい場合にはスタンダードコースを選択しても満足できそうです。
お天気ナビゲータ 登山ナビの強み・向いてる人
山頂からの見晴らしの予報情報を表示してくれる機能は他サイトと比べオリジナリティがあります。星見や展望を重視した山行に役に立ちそうです。
また、わかりやすい画面なので、専門的な天気図を読むより直感的にわかりやすく天気予報を確認したい人にピッタリな天気予報アプリです。
ヤマテン
「ヤマテン」は、ツアー会社や山荘、アウトドア系テレビ番組まで取引のある実績ある天気予報サイトです。
数人の山岳専門の気象予報士が山特有の気象条件や近い情報に基づいて作成される天気予報を提供しており、予報精度の高さに定評があります。
月額330円で、全国330山の山をカバーしています。
登山モードと気象予報士のコメント
webサイトのホーム画面には、「ピン固定/登山モード」に設定した山の6時間ごとの時系列天気予報と気象レーダー、登山者向け警戒事項、気象予報士のコメントが表示されます。
気象特性と週末のおすすめ山域
ヤマテン会員のみ見れる「気象特性の解説」コラムでは全国の山域の気象特性について詳細に解説されています。季節ごとの解説や天気が大荒れになる際の条件などを知ることができます。
また、毎週木曜日に「今週末のおすすめ山域」がメールまたはwebサイトホーム画面にて発表されるので、週末の登山に大いに役に立ちます。
そのほか、山岳気象に関するオンライン講座や、気象予報士と行く雲見トレッキングツアーを開催するなど、気象に関するイベントも活発です。
専門天気図
ヤマテンでは10日先までの「専門天気図」を見ることができます。
表示できる情報として「気圧配置・降水 地上」「気温・風 (500,700,850hPaから選択)」「高度・渦度 500hPa」「相当温位 850hPa」「ガイダンス(天気,雷から選択)」が用意されています。
初心者にはハードルが高いですが、専門天気図の使い方の無料講習動画が用意されており読み方を学べそうです。
ヤマレコとの連携
登山アプリである「ヤマレコ」からヤマテンにログインでき、時系列天気予報を確認することが出来ます。
ヤマレコからログインすると、ヤマテンWEBサイトにはない「現在地から探す」「履歴」「キャッシュ表示」機能が利用できます。
特に「キャッシュ表示」機能は、一度天気予報を表示すると内容が自動保存され次回ネットに繋がっていない場所からも天気予報を表示できるという魅力的な機能です。
気象レーダーなど詳しい情報を見るにはヤマテンのwebサイトを見る必要がありそうです。
雨・雷情報
「気象レーダー」タブでは、降水強度(1時間前〜1時間後)、雷活動度(1時間前〜1時間後)の情報に加え、1時間前から現在までの雷観測状況を確認できます。
ヤマテンの強み・向いてる人
山岳専門の気象予報士が随時手作り、更新している点で特出しており、多くの登山家から信頼を得ています。
コラムやイベントも活発なため、山の天気予報を見たいだけでなく山ならではの気象情報を学びたい方や、山の知見をもっと深めたい方に非常に有益なサイトです。
近くの低山メインの人には向かないかもしれませんが、全国の主要の名山によく登りに行く方や、難易度高めの山に挑戦する方にとって非常に心強い天気予報サイトです。
tenki.jp 登山天気
こちらのサイト・スマホアプリは気象会社として創立70年以上の歴史を誇る日本気象協会が作成した、山に特化した天気予報アプリです。
独自の気象予測モデルによる山の天気予報が見られます。
月額550円または年額4,950円で利用でき、3百名山と主要な山をカバーしています。
山コンディションとピンポイント予報
「山コンディション」タブでは、ふもと、登山口、山頂の天気予報と、落雷、服装、紫外線の登山に便利な3つの指標を表示してくれます。
「ピンポイント予報」タブでは、選択した山周辺のピークや登山口などの主要ポイントが表示され、それぞれのポイントをタップすると1日ごとの天気を14日分、1時間ごとの天気を3日分確認することが出来ますよ。
YAMAPとの連携
「登山ルート」タブでは、登山アプリYAMAPと連携し、登山ルートを表示したマップといろんな山の活動日記を見られます。
「山ガイド」タブでは、選択した山の情報が見られます。難易度や登山口情報を確認できるのが便利です。
雨・雷情報
雨雲の動き(現在〜3時間後)、雷危険度(現在〜60分後)が確認できます。
tenki.jp 登山天気の強み・向いてる人
強みは14日先の天気予報が見れる点です。山小屋泊の計画や山仲間との山行計画の際に、しばらく先の天気予報を確認出来てとても役に立ちそうです。
また、山の服装指数や紫外線指数は他サイトと比べてもオリジナリティがあり便利な機能です。
まとめ
各天気予報サイトの基本情報をまとめました。
どのサイトもオリジナリティのある登山に便利なサービスを整備しています。
それぞれ強みが違うため、少し遠い日程での山を決めたい時はこっちのサイト、登山当日はあっちのサイト、と使い分ける方もいらっしゃるようです。
山の天気予報は専門的な情報であるため有料のケースがほとんどですが、それぞれ無料トライアル期間があるのでぜひ一度試して見てくださいね。