【乗鞍岳】初心者でも3000m峰に挑戦したい!気軽に絶景を楽しめるオススメコース

山紹介

目次

乗鞍岳ってどんな山?

PIXTA 頂上の剣ヶ峰から望む畳平方面

岐阜県と長野県の県境にある乗鞍岳は、標高3026mの剣ヶ峰をはじめとした23のの山々から成る火山です。日本百名山の一つでもあり、バスを利用して気軽に3000m級の登山を楽しめることで人気です!

畳平には一周30分ほどのお花畑があり、シーズン中はハクサンイチゲの大群落が広がります。また、「高山植物の女王」と呼ばれるコマクサも多く見ることとができます。運が良ければ、特別天然記念物のライチョウも見られるかもしれません!

アプローチのしやすく登りやすい山ですが、気象情報、火山情報のほか、クマの出没情報にも注意しましょう!

乗鞍岳は中部山岳国立公園に属しています。

初心者でも気軽に登れる、畳平〜剣ヶ峰コース

登山グレーディング

出典:ヤマケイオンライン

標高2702mの畳平でバスを降り、半日で3000m級の乗鞍岳頂上(剣ヶ峰)を往復する、アプローチの良いコースになります!

日程 日帰り〜1泊
体力レベル ★☆☆☆(1日の行動時間が4時間以内)
技術レベル ★☆☆☆(岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける)
コースタイム 約3時間(往復)
距離 約6.3km(往復)
最大高低差 約326m
水場 畳平
トイレ 畳平 / 肩ノ小屋
  • 高山病と気温差にご注意!

乗鞍岳は標高3026m、登山口となる畳平は2702mで、富士山の七合目(2700m)よりも高い場所にあります。そのため高山病には注意が必要です。症状が出たときは座って静かに深呼吸し、水分補給をして体を温めましょう。ゆっくりと行動することが高山病予防に効果的です!

高山病について
症状 頭痛、吐き気、倦怠感、めまい、顔が青ざめる
対策 しっかりと睡眠、水分、カロリーを摂る

また、気温差にも気を付けましょう。
畳平は地上よりも約15~16℃低いため、寒さ対策もしっかり準備しましょう!

畳平へのアクセス

PIXTA 畳平周辺と鶴ヶ池

公共機関

岐阜側 ・東京(東海道新幹線 / 約1時間40分)〜名古屋(高山本線特急 / 約2時間14分)〜
 高山(濃尾バス / 約40分)〜ほおのき平バスターミナル
長野側 ・東京(中央本線・篠ノ井線 / 約2時間40分)〜松本(松本電鉄 / 約30分)〜
 新島々(アルピコ交通バス / 約1時間)〜乗鞍高原観光センター

マイカー

乗鞍スカイライン(岐阜県側)と乗鞍エコーライン(長野県側)はマイカー規制となっており、それぞれの駐車場から路線バスに乗り換えとなります。駐車場の混雑を考え、余裕をもった計画を立てましょう。

岐阜側 中部縦貫道_高山I.C(約35分)〜ほおのき平バスターミナル 1,500台・無料
平湯バスターミナル 約850台・有料
長野側 長野道_松本I.C(約60分)〜乗鞍高原観光センター 200台・無料

各駐車場〜畳平

各駐車場から、シャトルバスで標高2702mの畳平へ一気に登ります。
天気が良い日は、雲上の絶景バスドライブを楽しめます!

乗り場 区間 料金(大人)
岐阜側
(乗鞍スカイライン)

ほおのき平バスターミナル(バス / 約45分)〜畳平
(5/15〜10/31までバス毎日運行)
¥1,290(片道)
¥2,500(往復)
平湯バスターミナル(バス / 約1時間)〜畳平
(5/15〜10/31までバス毎日運行)
¥1,450(片道)
¥2,500(往復)
ご来光バス
ほおのき平 or 平湯バスターミナル〜畳平
(7/2〜9/25までの特定日のみ運行、雨天時は運休)
通常料金+
早朝特別料金
(¥300)
長野側
(乗鞍エコーライン)
乗鞍高原観光センター(バス / 約50分)〜畳平
(7/1〜10/31までバス毎日運行)
¥1,650(片道)
¥3,300(往復)

畳平から剣ヶ峰へ

畳平

PIXTA 畳平周辺と鶴ヶ池

各駐車場から畳平(標高2702m)まで一気に標高差1000m以上を登るため、酸素が約20〜30%薄くなります。高山病予防のためにも、走るなどはせず、ゆっくりとした行動を心がけましょう。

畳平から剣ヶ峰へは、お花畑経由と鶴ヶ池経由の2つのルートがあります。鶴ヶ池の脇を通る方が傾斜が緩く、体への負担が少ないです。緩やかで車両も通れる幅広の道が肩ノ小屋まで続きます。

PIXTA 不消ヶ池(きえずがいけ)

左側に富士見岳、右側にお花畑や不消ヶ池を見ながら気象観測所の分岐まで来ると、頂上の剣ヶ峰が見え、肩ノ小屋まで少し下ります。下り坂では斜面の落石に注意しましよう。

PIXTA 肩ノ小屋手前から見る剣ヶ峰(正面)。山側の落石に注意しましょう

一方で、長野県側は乗鞍高原からの乗鞍エコーラインが見え、夏でも残っている雪渓で夏スキーをする人たちの姿が見られます。

PIXTA 雪渓で夏スキーを楽しむ人々

肩ノ小屋

宿泊と休憩のできる肩ノ小屋

肩ノ小屋(標高2760m)は宿泊もできる山小屋です。ここが剣ヶ峰前の最後のトイレとなるので、小休憩がてら、しっかりと済ませておきましょう。

小屋からの歩き始めは、しばらく砂利道が続きます

小屋前の広場からは、長野県側への下降路と剣ヶ峰への登山道が続きます。剣ヶ峰への道は比較的広く、両側にロープが張ってるので明瞭です。

小屋からの歩き始めは細かい砂利が積もった道が続き、途中から岩がゴロゴロとしてきます。

蚕玉岳

蚕玉岳(こだまだけ・標高2979m)まで来ると、火口湖の権現池を見下ろせます。

PIXTA 火口湖の権現池

池を過ぎると剣ヶ峰が間近に迫ります。ピークの少し先に分岐がありますが、左右どちらからでも頂上へ進めます。分岐を左へ行くと頂上小屋へ着きます。

PIXTA 目前に迫る剣ヶ峰(分岐を左に進むと頂上小屋)

頂上小屋

頂上小屋

頂上小屋(標高2986m)では宿泊はできませんが、記念品の販売と乗鞍岳の自然観察ギャラリー展示を閲覧できます。

剣ヶ峰

PIXTA 頂上小屋から数分で剣ヶ峰(標高3026m)へ着きます
乗鞍本宮 奥宮

頂上には乗鞍本宮の社があり、夏期シーズン中は社殿内でお札などの販売をしています。

頂上からは360度の大パノラマが広がります。天気が良ければ、北アルプス(立山連峰、穂高連峰、槍ヶ岳、御嶽山など)や南アルプス(仙丈ヶ岳、間ノ岳、赤石岳など)、恵那山などを見渡すことができます。

お花畑とライチョウ

畳平の南側には、一周30分ほどの遊歩道が整備されたお花畑が広がります。

7月中旬〜8月中旬には、自然観察指導員による自然観察教室も開催されます。

PIXTA 畳平の南側に広がるお花畑。一周30分ほどの遊歩道が整備されています
  • ハクサンイチゲ
PIXTA 乗鞍岳を代表するハクサンイチゲ。シーズン中は、お花畑一面に咲き誇ります
  • コマクサ
PIXTA 高山植物の女王と呼ばれるコマクサ。大黒岳や富士見岳周辺に多く咲いています
  • コイワカガミ
PIXTA 葉には一年中、鏡のようなツヤがあります。鮮やかな色をした花はよく目立ちます
  • ミヤマキンバイ
PIXTA お花畑や畳平周辺の砂礫地に、こんもりと茂った株が点在しています
  • ライチョウ
PIXTA ライチョウ(国指定特別天然記念物)

畳平周辺では、高山鳥として馴染み深いライチョウを見かけることがあります。登山者をほとんど恐れることがなく、砂浴びなどを間近で見られるかもしれません。

ライチョウは乗鞍岳一帯には120羽ほどしか生息していないといわれ、とても貴重な鳥です。近年では気候の変化や天敵の増加によって生息数が減少しています。

期間限定イベント「乗鞍岳登頂記念スタンプラリー 2022」

出典:ヤマケイオンライン

2022年の7月10日〜9月30日の期間限定で、スマートフォンを使ったスタンプラリーを開催しています!ぜひ参加して、乗鞍岳登頂記念ピンズを手に入れましょう!

乗鞍岳登頂記念スタンプラリー 2022 公式HP

スタンプ スタンプ設置箇所
D 高山濃飛バスセンター
ほおのき平バスターミナル
平湯バスターミナル
C 畳平バスターミナル
B 肩ノ小屋
A 頂上小屋

岐阜県(飛騨側)からのアクセス起点となる3つの地点(高山濃飛バスセンター、ほおのき平バスターミナル、平湯バスターミナル)に1種類、そして、畳平、肩の小屋、頂上小屋にそれぞれ1種類、合計4種類のスタンプポイントが設置されています。

各ポイントのQRコードをスマートフォン等で読み込んで、4種類のスタンプを集めると、畳平でオリジナルピンズがもらえます!

スタンプラリーはピンバッジがなくなり次第終了となります

おわりに

岐阜県と長野県の県境にある乗鞍岳。

頂上の剣ヶ峰まで2時間ほどで登頂でき、気軽に挑戦できる3000m峰として、初心者や家族で楽しめるのが魅力です。頂上から雄大な北アルプスを一望でき、周辺の地域も観光スポットとして整備されています。

2022年はスマートフォンを使ったスタンプラリーも開催しています。
今年の夏は乗鞍岳へ登ってみてはいかがでしょうか?


登山の注意点!

  • 北アルプスは本格的な山登りとなるので、十分な登山装備で入山しましょう!
    ザック、登山靴、雨具、防寒具、速乾性の衣類、食料、水など。
  • 地図・コンパス、ヘッドランプも忘れずに!
  • もしものために、登山届は必ず提出しましょう!
  • 紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによっても難易度が変化します。
    ご自身の体力に合わせた、無理のない計画で登山を楽しみましょう!