【四国】空海が修行した香川県五岳山の縦走案内

四国

四国香川県の善通寺市には、四国八十八カ所霊場のお寺が5つあります。
空海(弘法大師)が四国内を修行した時のお寺なのですが、その5つの中でも特別なお寺が、市の名前にもなっている第75番札所「善通寺」です。

この善通寺、正式名称は「屏風浦五岳山善通寺誕生院」といいますが、五岳山という名前の通りにお寺の裏に5つの山が連なっています。
東より香色山(こうしきざん)、筆ノ山(ふでのやま)、我拝師山(がはいしやま)、中山(なかやま)、火上山(ひあげやま)です。
この五岳山は幼少期の空海が修行をした場所であり、その麓にあるお寺の善通寺は空海が生まれた場所なのです。

現代風でいうと、善通寺というお寺は空海の実家で、その裏山が五岳山ということになります。
その五岳山を1日で巡る縦走ルートを今回ご紹介します。

目次

登山コースの紹介

善通寺出発ルート


善通寺駐車場→香色山→筆ノ山→我拝師山→中山→火上山→善通寺駐車場

コースタイム(往復) 体力レベル技術レベル
4時間~5時間★★☆☆★★☆☆

善通寺駐車場までのアクセス方法

公共交通機関(電車、バス)

  • JR善通寺駅→(善通寺市コミュニティバス利用)総本山善通寺駐車場前バス停下車すぐ
  • JR善通寺駅から善通寺駐車場まで約1.8km、駅から徒歩で25分

マイカー

高松自動車道「善通寺IC」から5km(10分)

今回ご紹介する五岳山への登山口は善通寺のお寺の駐車場すぐ横にありますが、JR善通寺駅や善通寺ICから数kmの距離で大変アクセスしやすい山です。

<善通寺駐車場、右手に見える山が香色山 >

5つの山を1日で縦走する登山者の方は少ないのですが、お寺に一番近い香色山頂上までの登山ルートはかなり整備されていて、地元の方のウォーキングコースにもなっています。

ただ途中の我拝師山頂上から中山に至るルートが一番の難関となっていて、鎖場と崖有りの道を通ることになります。

縦走する場合は登山用の装備が必須となり、梅雨から夏場にかけては暑さ対策も必要です。

善通寺駐車場→香色山へ

では、さっそく五岳山を巡る縦走の旅へ出発しますが、この5つの山ではスタンプラリーを実施しています。

写真のガイドブックに、各山の頂上にあるスタンプを全て押せば、五岳山登頂証明書をゲットできます。
登山の記念になるのでぜひガイドブックを準備しておきましょう。

ガイドブックは善通寺のお土産屋さんなどに用意されています。

駐車場すぐ横にある香色山登山道入り口から山頂までは約1080m、舗装された緩やかでとても歩きやすい道です。

縦走ルートへの足ならしには最適ですね。


山頂までの残り距離が随所に掲示されていて、途中には善通寺市内の展望スポットもありますので迷う心配はないでしょう。

そのスポットから見える写真中央の複数の白い建物は、陸上自衛隊善通寺駐屯地。

この善通寺市内には明治時代に建築された施設が多く遺っており、善通寺駐屯地では年に1回記念イベントが開催されます。

普段立ち入ることが出来ない駐屯地が一般開放され、音楽コンサートや落下傘降下、装備品の展示などが開催されます。

そして歩くこと20~30分で標高157mの香色山に到着です!

山頂はかなり広く、善通寺市内やこれから登る筆ノ山や我拝師山を望むことができます。

そしてガイドブックに記念すべき1つ目のスタンプを押しましょう。

香色山から筆ノ山へ

あまりにもあっけなく香色山へ登ることができたのですが、実はここからが本番なのです。

2か所目の筆ノ山を目指して道を下っていきますが、これまでと違って大変滑りやすい道になります。

雨が降った直後は危険なのでゆっくり慎重に進んでいきましょう。

しばらくすると舗装道になり一旦車道に出ますが、すぐ近くに筆ノ山への登山口があります。

ここから頂上まで約40分なのですが、最初の香色山の道とは違い、急こう配の道が続きます。

今回の縦走ルートで一番キツイのが坂を下ったり登ったりを繰り返す事です。

五岳山といっても最高峰の我拝師山でさえ500mに満たない低山なのですが、登山でアップダウンを繰り返す事はあまりありません。

低山と思って甘くみていると途中から本当にきつくなってくるので、体力配分は重要ですよ。
いくつかの分岐ポイントを通ると景色が開けてきて、標高296mの筆ノ山に到着です。

こちらの頂上からも、善通寺市内とこれから目指す我拝師山が一望できます。
2個目のスタンプゲットです!

筆ノ山から我拝師山へ

さていよいよ五岳山最高峰の我拝師山を目指します。

登山ルートを引き返して、再び車道まで下ります。

下った分また登ることになるのですが、あまり先の事は考えてはいけませんよ!

車道脇にある登山口から頂上まで約50分、縦走ルート一番の難所で少し狭い樹林帯の急坂を進みます。

途中からは讃岐平野が望めるスポットがいくつかあるので、休憩しながら頂上を目指しましょう。


そして最後の急坂を登りきれば五岳山最高峰、481mの我拝師山に到着です。

山頂周辺は木々に覆われていて周辺の景色は望めませんが、縦走ルートの中間地点に来ることができましたね。
スタンプをゲット!

我拝師山から中山へ

ここから中山までは実はほとんど上らなくてもいいのですが、その前に注意ポイントを通ることになります。
それがこの鎖場です。

写真で見る以上に崖のようになっているので、足場をしっかり確保しながら降りていきます。
そして第73番札所出釈迦寺奥の院内を通りますが、後ろを振り返ってみると先ほど通過した鎖場を望めます。
遠くから見るとかなりの崖地帯だった事が実感できますよ。

そして奥の院の供養塔がある道を進むこと15分ほどで標高439mの中山に到着です。
こちらの頂上周辺は下草に覆われていて、道を判別するのも大変な状況でした。

特に夏場は藪状態になるので注意が必要です。
少しだけ開けた場所にスタンプが用意されていますのでお忘れなく。

中山から火上山へ

さていよいよ五岳山最後の火上山を目指していきましょう。
ここから火上山への道は、今回で唯一の快適な縦走路となっています。

展望は望めませんが小走りで進むことができるぐらい緩やかな勾配で、とても歩きやすい道です。
途中にある鉄塔を通り過ぎると最後の上り坂になりますが、ゴールまであと少し!

そして木々に囲まれている場所が標高409mの火上山山頂になります。

ついに五岳山完全制覇、5つのスタンプも揃いましたね。

下山して出発の地善通寺へ

今回は火上山からさらに先へ進んで国道11号線まで下り、そこから舗装道で善通寺まで戻ることにしました。

火上山山頂から登山開始地点の善通寺まで約90分~120分ほどになります。

今までアップダウンの縦走路を通ってきたこともあり、平坦な道がとても歩きやすいですよ。

そして善通寺境内にある御影堂(大師堂)近くにあるお土産さんに向かい、5つのスタンプを押したガイドブックを見せると証明書を作って頂けます(ピンバッチのおまけ付)。

証明書には登頂日とフルネームが入っていて、五岳山を縦走した思い出と共にとても灌漑深いです。

なお五岳山の登頂証明書をもらう時は同じ日に全て登る必要はなく、別々の日でも大丈夫です。
善通寺境内には高さ43mの五重塔や大楠、御影堂では戒壇めぐりも体験できます。

<善通寺の 五重塔 >

1200年以上にわたって今も多くの人々が訪れる「善通寺」、お大師さまの実家の地でパワーをもらいに出かけてみませんか?