ワークマンのトラベルシェルウォームジャケットを紹介

ワークマンの大人気シリーズ「トラベルシェル」シリーズの裏起毛付きジャケット「トラベルシェルウォームジャケット」が2022年秋冬ラインアップに登場しました。
表地はアウトドアブランドのソフトシェルのような生地感なので、秋冬登山のアウターとして使えそうです。
サイズはSから3Lまで幅広い展開になっているため、女性でも大柄な男性でも着られるようになっています。
実際山で使えるのか、晩秋の立山に登って検証してきました。
価格 | 2,500円(税込み) |
素材 | ポリエステル90%+ポリウレタン10% |
サイズ展開 | S, M, L, LL, 3L |
色展開 | 5色 (ブラック, モクグレー, モクゴールド, ダークブルー, オフホワイト) |
重量 | 418g (Sサイズ) |
品番 | TSP004 |
トラベルシェルウォームジャケットのおすすめポイント2つ
抜群のストレッチ性

ワークマンの「トラベルシェル」シリーズ最大の特徴が抜群のストレッチ性です。
生地に伸縮性の高いポリウレタンを10%使用しているため、タテにもヨコにもよく伸びます。
背中を丸めたり、腕を上げたりしたときもしっかり体の動きに追従してくれるんです。

また縫製パターンも生地のストレッチ性を妨げないようになっており、脇腹部分には後身頃と前身頃をつなぐように生地が入っています。
これにより腕を大きく上げたときにもツッパリ感を感じず、動きやすい仕様になっているんです。
程よい起毛感

トラベルシェルウォームジャケットの裏面には程よい起毛が施されています。
アウトドアブランドの起毛がかかっているソフトシェルほど起毛感は強くないですが、暑がりの方にはちょうど良さそうな起毛感です。
表の生地に追従して裏の起毛素材も伸びてくれるので、ストレッチ性を妨げない作りになっています。
ただ起毛している毛をつまんでみると抜けてしまう毛もあるので、数回洗濯するまでは下に着るウェアに毛が付着する可能性が高いです。
また毛玉もできやすそうな生地感なので、洗濯する時は洗濯ネットに入れた方が良いでしょう。
トラベルシェルウォームジャケットの残念なポイント2つ
収納サイズが大きい

トラベルシェルウォームジャケットには収納袋が付属しています。
この袋のサイズが大きく、収納した際に場所を取ります。
もう少し小さめのスタッフバッグに入れても十分入るので、山で使用される場合は小さめのスタッフバッグを別で用意した方が便利に使えそうです。

収納サイズは小さくなりますが、ポリウレタンが入っていて厚手の生地ということもあり、ジャケット自体が重たいです。
重さを考えると縦走登山よりも低山日帰りハイキングの防寒着に役立つでしょう。
毛玉のできやすい生地

トラベルシェルウォームジャケットの生地には「リップストップ」と呼ばれる引き裂きに強い格子状の生地が使用されています。
その格子の部分と地の部分とで糸の太さが違うために凹凸が生まれているんです。
凹凸感があることにより摩擦に対して弱く、毛玉ができやすくなっています。
ザックのショルダーベルトやヒップベルトが擦れたり、洗濯で他の衣類と擦れることによって毛玉ができやすいんです。
裏の起毛素材も毛玉になりやすそうなので洗濯の時は洗濯ネットを使用し、毛玉ができてしまったらハサミで取り除いてあげましょう。
機能性をチェック
撥水性
山で使いたいので多少の撥水性はほしいところです。
どれぐらい水を弾いてくれるのかテストしてみます。
撥水は問題なく効いていますね。
水が玉になってコロコロ転がります。
多少の雨であれば問題なく弾いてくれそうです。
耐摩擦強度
凹凸感のある生地なので、摩擦に対して弱いです。
ベルクロで10回こすってみて、表裏ともにどれぐらい毛玉ができやすいかチェックしてみます。
まずは表地からテストします。

写真だと分かりにくいですが、やや生地が毛羽立っています。
使用していくうちにできていくこの毛羽立ちが絡まりあうことによって、毛玉ができてしまうんです。
続いて裏面をテストします。

裏面はベルクロでこすることによって毛羽立ち具合が強くなりました。
こすっている間もかなり引っ掛かりを感じたので、表の生地に比べて裏面の方が起毛している分、毛玉はできやすそうです。
防風性
ソフトシェルのような生地感なので、防風性があれば便利ですよね。
ドライヤーをジャケットの裏から当てて、表面に置いているティッシュがどれぐらいなびくかでテストしてみます。
動画を見ても分かる通り、ティッシュがなびいています。
防風性はあまり期待しない方が良さそうです。
風が強く気温が低い日に着るのであれば、上にレインウェアなど防風性のあるジャケットを合わせた方が良いでしょう。
サイズ感をチェック

Sサイズを着用しています。
着た感じはポリウレタンが入っているということもあり、アウトドアブランドの物よりも重たく感じます。
身幅はゆったりしているので、下にフリースなどの厚手のウェアを重ねても着られそうです。

袖は長めですがサムホールが付いているため、手の甲までしっかり覆うことができます。
親指を出す部分の生地はジャケットの生地と異なり、薄手で伸縮性の高い生地が使用されています。
親指を通すときもツッパリ感を感じず通すことができるんです。

丈感は後身頃が長いサイクルカットになっています。
裾部分にドローコードは付いていないので、風が強い稜線上や山頂で着る場合はバタつきが気になりそうです。

肩部分の縫い目はラグランスリーブになっているため縫い目が肩の頂点にきておらず、ザックを背負ったときにゴロツキを感じにくいです。

襟の部分の高さはあまりなく、ジッパーを全部閉めてもあごは隠れません。
フードはドローコードで絞れますが、すき間が空いてしまうため風の強い稜線上や山頂で着るのはおすすめしません。

ポケットは腰部分に左右1つずつと、胸部分にコーンシールジッパーの付いているポケットが1つあります。
腰部分のポケットは「山と高原地図」が入るサイズ感ですが、胸ポケットは大型のスマートフォンが少しはみ出るサイズ感です。
iPhone SEぐらいのサイズ感であれば難なく入ります。

ちなみにジャケットのメインファスナーとポケットのファスナーは止水ジッパーにはなっていません。
小さい比翼がついていますが雨が降ってきた時は染みてきてしまうので、レインウェアを着るようにしましょう。
山での使い心地を検証

10月初旬の立山で着てみました。
室堂から雷鳥沢キャンプ場までの行程で着用しています。
立山の山頂付近は雪が付いており、室堂付近でも凍結が見られるようなコンディションでした。

気温5℃ぐらいでトラベルシェルウォームジャケットのみを羽織っているとさすがに寒く、上にレインウェアを重ねました。
「肌着+長袖Tシャツ+トラベルシェルウォームジャケット+レインウェア」という着こなしであれば、気温が10℃下回っていても問題なかったです。
夜間は0℃近くまで下がりましたが、さすがにトラベルシェルウォームジャケットでは寒かったため「フリース+ダウンジャケット」に着替えました。
ジャケット自体が重たいので寝るときにトラベルシェルウォームジャケットを着ると、ややストレスに感じるかもしれません。
秋の高山では寒かったので、高山で使うのであれば7~8月の夏山の保温着としての使用が良いでしょう。
ただ縦走登山には重量や収納サイズがネックになるため、おすすめはしません。
ですが春や秋の低山ハイキングであれば十分な保温性もあり、最初から着て行動すれば持ち運びのサイズや重量も気にならないため、使用できると感じました。
冬も雪がない場所であれば、重ね着次第で問題なく使用できます。
またアウトドアテイストが強すぎないデザインなので、山を降りてそのまま街を出歩いても、アウトドアブランドの商品と違って浮かないのはポイントが高いです。
トラベルシェルウォームジャケットは秋冬の低山ハイクにおすすめ

ワークマンのトラベルシェルウォームジャケットは薄手のソフトシェルのように使えるジャケットでした。
裏面の起毛は微起毛なので雪があるところでは寒いですが、春や秋の肌寒い季節に活躍してくれます。
日帰りでの使用がおすすめなので、登山を始めたばかりの方は是非チェックしてみてください。