ワークマンのトレッキングベンチレーションジャケットが登山におすすめ
ワークマン2022年の新作フリースから、登山に最適なフリースが登場しました。
「トレッキングベンチレーションジャケット」とまさにトレッキングや登山におすすめのフリースです。
1,900円という破格の値段なので登山で使っても大丈夫なのか、実際に山で使って検証してきました。
秋冬登山用にフリースをお探しの方は是非チェックしてみてください。
価格 | 1,900円(税込) |
素材 | 本体:ポリエステル100% 袖口:ポリエステル95%+ポリウレタン5% |
サイズ展開 | M, L, LL, 3L |
色展開 | 8色 |
重量 | 368g(Mサイズ) |
品番 | 2272 |
トレッキングベンチレーションジャケットのおすすめポイント3つ
程よい肉感の生地
ワークマンのトレッキングベンチレーションジャケットは薄すぎず、厚すぎないちょうどよい肉感のフリースです。
密度が込みすぎていないので適度に通気性があり、着て歩いていても暑くなりすぎません。
ジャケットには2種類のフリースが使われており、前立ての内側と肩部分・腰部分の内側にはブロックフリースが使用されています。
ブロックフリース生地の表面にはポリエステルの生地が貼られているので、通気性はボディ部分に比べると少し落ちます。
ですが全体的に適度な保温性と通気性が両立されているフリースです。
登山に最適な耐久性
腰部分と肩部分、フードにはフリース生地ではないポリエステルの素材が使用されています。
ちょうどザックのショルダーベルトとヒップベルトが当たる位置に使用されているため、耐久性が高いんです。
フリースは起毛がされている生地なので、摩擦や擦れによって繊維同士がからまって毛玉ができやすい素材です。
登山中特に擦れやすい肩と腰部分に、擦れに強い生地を使用することによって毛玉ができにくくなっています。
毛玉が気になるフリースにあると嬉しい機能が付いているジャケットなんです。
蒸れにくいベンチレーション
フリース生地自体に通気性はありますが、とは言え着て歩いていると暑くなりますよね。
じんわり汗ばんでウェア内が蒸れることもあります。
そんな不快な蒸れを軽減するために、背中にベンチレーションが付いているんです。
全体がガバッと空いているわけではなく、穴は3か所に区切られています。
全体が空いていると風でバタつくことがありますが、穴が区切られていることによってバタつきも軽減されます。
ザックを背負うと塞がってしまいますが、休憩中にザックをおろしているときは適度に通気性が生まれるので蒸れにくくなります。
ベンチレーションが付いているフリースは少ないので、暑がりな方には嬉しい機能です。
トレッキングベンチレーションジャケットの残念なポイント
着心地に重量感を感じるというのがトレッキングベンチレーションジャケットの残念なポイントです。
Mサイズで368gと肉感の割に重量感があります。
サイズ感は違いますがpatagoniaのR1フーディ(レディースモデルSサイズ)と比較してみると、41gの差があります。
実際に着た感覚でもズシっと重量感が感じられます。
フリース生地だけでなく、裏面の一部にブロックフリースを使用したり、腰や肩より上の部分に厚手の耐久性のある生地が使用されているので、必然的に重量が増しているんです。
日帰り登山で家から着ていく分にはあまり気にならないのですが、着脱が多くなる気温が高いときや宿泊を伴う縦走登山のときはこの重量が不快に感じてしまうかもしれません。
トレッキングベンチレーションジャケットの細部をチェック
身長163cmでMサイズを着用しています。
女性が着るとややゆったりした印象です。
丈感は長めで腰全体をスッポリ覆ってくれます。
袖口には伸縮性の高い生地を使用し、風の侵入を防ぐ仕様です。
ジッパーを上まで上げると高さがしっかりあるので、口元まで寒さをブロックできます。
ジッパーの金具があごに当たるのを防ぐチンガードは付いていないので、口元までジッパーを上げたときにヒヤッとします。
雪山で使用する場合は注意が必要なポイントです。
フードはタイトめの作りで、頭にしっかりフィットしてくれます。
タイトフィットな分、ヘルメットを装着した状態でフードを被ることはできません。
ヘルメットを使用するようなルートで着用する場合は注意が必要です。
肩と腰部分は起毛地ではないポリエステル素材が使用されており、ザックを背負ったときに毛玉ができにくくなっています。
ヒップベルトによる擦れもしっかりガードされていますね。
ポケットは腰回り左右に1つずつあり、大きめのサイズになっています。
スマートフォンは問題なく入りますし、山と高原地図も縦に入れれば収納できるサイズです。
ポケットの裏地にはメッシュ素材が使用されているため、背中のベンチレーションと相まってウェア内の蒸れを軽減できます。
またポケットと前立てのジッパーにはそれぞれ引手がついているため、手袋をしたままでも開け閉めがしやすいです。
ロゴは付いていませんが、ジッパーを少し開けたときに前立て部分のブロックフリースの色が覗くようになっています。
どの色のジャケットでもこの部分は派手な色が採用されているので、気になる方もいるかもしれません。
摩擦強度をチェック
起毛部分と肩・腰部分の生地で摩擦強度がどれぐらい違うかチェックしてみます。
ベルクロのトゲのある面でこすって、どれぐらい毛羽立ちができるかで確認してみましょう。
まずは起毛地の部分をテストします。
10回こすってみましたが、起毛生地は毛羽立ちができています。
この毛羽立った繊維がからまることによって毛玉ができてしまうんです。
フリースは摩擦に弱く、毛玉ができやすい生地であることが分かります。
腰部分の生地もベルクロで10回こすってみました。
こする前後でまったく違いがありません。
摩擦強度はフリース生地よりも高いため、ザックのショルダーベルトやヒップベルトの擦れによる毛玉は防いでくれるでしょう。
山で実際に着てみて検証
10月の立山、11月の六甲山で試してみました。
10月の立山は山頂付近は雪が積もるほど冷え込み、日が暮れてからの気温は0℃近くまで下がりました。
一方11月の六甲山は日が差していたこともあり、最高気温も15℃近くまで上がって温かいコンディションです。
立山の夜はトレッキングベンチレーションジャケットをダウンジャケットの下に重ね着して過ごしました。
寒さを感じることもなく、温かく過ごせたので秋山の高山でも問題なく使用できそうです。
また立山で昼間も試してみました。
雷鳥沢キャンプ場周辺は雨が降っていて、山頂手前からは雪が積もって風も強く、じっとしていると寒さを感じるコンディションでした。
長袖Tシャツの上にトレッキングベンチレーションジャケットを着て、その上にレインウェアを着て2時間ほど行動しました。
止まっているとさすがに寒さを感じましたが、歩いていれば特に不快感もなく着用できました。
夏~秋のミドルレイヤー兼アウターとして幅広く使用できると感じます。
一方11月の六甲山では気温が下がりきっていなかったこともあり、トレッキングベンチレーションジャケットを着たまま歩いていると汗をかきました。
ですがベンチレーションがついているおかげで、蒸れによる不快感は多少軽減されていたように感じます。
止まっている間は程よく保温してくれ、暑すぎる・寒すぎるといった不快感はありませんでした。
2つのコンディションでテストしたことを踏まえて、
- 最高気温が15℃前後であればアウターとして
- 最高気温が10℃を下回る場合はミドルレイヤーとして
の使用がおすすめです。
ただしフリースとしての重量を考えると、縦走登山に持って行くよりは日帰り登山での使用をおすすめします。
ワークマンのトレッキングベンチレーションジャケットは秋冬登山におすすめ
ワークマンのトレッキングベンチレーションジャケットは程よい保温力のおかげで、アウターとしてもミドルレイヤーとしても使える万能ジャケットです。
ベンチレーションが付いているので、汗をかいてきたときのウェア内の蒸れを軽減してくれます。
さらにザックとの擦れが気になる肩・腰部分には、擦れに強い生地が使われています。
登山に嬉しい機能がたくさん付いていて1,900円なので、登山で試しにフリースを使ってみたいという方にはおすすめです。
ワークマンのトレッキングベンチレーションジャケットを着て、秋冬も山を楽しみましょう。