安いトレッキングポールは山で使っても大丈夫?
登山を始めて「トレッキングポールを使ってみたい」と思ってアウトドアショップに行くと、いいお値段で購入を悩みますよね。
amazonや楽天で見ると、アウトドアブランドが出しているトレッキングポールの半額以下で販売されているんです。
とは言え安すぎると「登山中に折れたり、使えなくなったりしないか」と不安になります。
安いトレッキングポールは登山で使っても問題ないのか、検証しました。
トレッキングポールを使うメリット2つ
筋肉疲労の軽減
トレッキングポールを使うことによって筋肉の疲労を約30%軽減できます。
上り坂に下り坂、凸凹の多い道や大小さまざまな段差がある登山道は、普段街中を歩くのとは違って筋疲労が蓄積しやすいです。
山の中に泊る縦走登山ともなれば数日かけて長い距離を歩くので、筋肉にかかる負担は軽減したいところです。
トレッキングポールを使うことによって脚にかかる荷重を分散できるため、筋肉の疲労軽減につながります。
膝への負担を軽減
下山中の膝の痛みにお悩みの方も多いでしょう。
トレッキングポールを使えば下山時の膝への負担も軽減されます。
段差を降りたとき膝にかかる荷重を脚と腕に分散してくれるんです。
またバランスもとりやすくなるため、下山中の転倒防止にも役立ちます。
筋力に不安があり下山中に足がもつれて転びがちな方は、トレッキングポールを使うことで改善されますよ。
amazonで買える安いトレッキングポールを紹介
amazonで安いトレッキングポールを見つけました。
折り畳みタイプ、2本セットで3,280円とアウトドアブランドの約1/6の値段で購入できます。
付属パーツも豊富でスノーバスケットも付いているため、雪山での使用も可能です。
ところどころに中国語が書いてあるため、中国メーカーのものでしょう。
独特な機械油のにおいがしますが、使っていくうちに気にならなくなります。
価格 | 3,280円 |
重量 | 約300g(1本) |
使用時の長さ | 110cm~130cm |
収納時の長さ | 約38cm |
材質 | アルミ合金 |
付属パーツ | バスケット2セット, スノーバスケット1セット, キャップ2セット, ウォーキング用キャップ1セット, 収納袋 |
商品リンク | Glavner |
amazonで買える安いトレッキングポールのおすすめポイント2つ
高いコストパフォーマンス
折り畳みのトレッキングポールとなると、アウトドア業界で安い部類のモンベルでも1本で7,000円前後します。
ですがネットで販売されているトレッキングポールは2本セットで3,280円と破格の安さなんです。
安価ですが重要なポイントは抑えてあり、登山でも問題なく使えるように設計されています。
「トレッキングポールの使用を悩んでいるけど、アウトドアブランドのものは値段的に試しにくい」という方にとっては、最初の1本としてかなりコストパフォーマンスが高い物になっています。
オールシーズン使える豊富なパーツ
ネットで販売されているトレッキングポールにはオプションパーツがあらかじめついています。
アウトドアだと別売りになっていることが多い雪山用のスノーバスケットや、予備の石突きキャップまで付いているんです。
3,280円でトレッキングポール2本だけでなく無雪期も積雪期も使えるパーツが付いてくるので、年間を通して使えます。
無雪期に登山を始めたばかりの方がお試しで安いトレッキングポールを買ったとしても、雪山用に新たなトレッキングポールを購入する必要がないのが嬉しいポイントです。
安いトレッキングポールのデメリット3つ
重い
今回紹介しているGlaverのトレッキングポールはアルミ合金で作られています。
アルミ合金はカーボンに比べると、安価ですが重たいです。
実際Glavnerのトレッキングポールの重量が1本300gなのに対して、モンベルのカーボンポールは1本229gと約70gの違いがあります。
両手に持つと600gなので、常に600mlの水を持って歩くのと同じことになります。
日帰りでコースタイムも短めの登山であれば良いですが、縦走登山や長い時間行動する場合はおすすめしません。
長い距離を歩く場合重量は少しでも軽い方が体力を温存できるため、アウトドアブランドの軽量なものを購入した方が良いです。
自分の登山パターンに合わせて安いトレッキングポールを使うかどうか判断しましょう。
長さ調節部分が硬い
筆者が実際にamazonで購入したトレッキングポールは、長さ調節部分のパーツが硬いです。
2本のうち1本が硬いので、物によって個体差があるようです。
動画のように、結構力を入れないと上下しません。
登りと下りでこまめに長さ調節をしたい方にとっては、調節部分が硬いとストレスになるでしょう。
そもそも使用前から調節部分が動かないという可能性もあるので、届いたらまず正常に使えるかどうかを確認するのが良いです。
替えのパーツが購入できない
ネットで販売されているトレッキングポールは、石突のキャップといったパーツ単体が販売されていません。
購入時に入っていたもので対応するしかないため、予備パーツを失くしてしまうと使えなくなります。
もちろん修理対応もないので、一度折れ曲がってしまうと買い替えるしかありません。
アウトドアブランドはパーツ単体で販売していたり、修理対応しているメーカーも多いです。
登山を長く続けたい方は初期投資が高くても、アウトドアブランドのトレッキングポールを購入した方が長い目で見るとお得な場合もあります。
実際の使用感を山で使ってチェック
筆者は普段モンベルのトレッキングポールを使用しています。
モンベルのトレッキングポールと、amazonで購入したトレッキングポールを実際に山で使い比べてみました。
使い方としては動画のように、ラチェットボタンが出るまでポールを真下に引きます。
長さの調節はクリップを外すことでスムーズに行えます。
グリップはEVA素材なので水に強いです。
雨で濡れても雪が付着しても、グリップを拭けば手が濡れにくくなっています。
手首に通すバンドは調節時に若干硬い印象がありますが、普通に使用する分には問題ないです。
このトレッキングポールの素材はアルミ合金なので、負荷をかけた場合折れ曲がる可能性があります。
片側のトレッキングポールに勢いよく、グッと体重をかけてみましたが簡単に折れ曲がることはありませんでした。
中段シャフトの径を測ってみたところ、モンベルのトレッキングポールとまったく同じで5cmです。
このことからも値段は安いですが、耐久性はある程度担保されていることがうかがえます。
ちなみに石突のキャップは、アウトドアブランドの物に比べると簡単に抜けます。
ぬかるみや木の根っこ、岩の間にはまってしまうと簡単に取れてしまうでしょう。
この辺りの設計は値段なりです。
3時間ほどこのトレッキングポールを使ってみましたが、やはり重量は感じます。
普段アウトドアブランドのものを使っている方からすると、重たさは感じるでしょう。
縦走登山で数日にわたって毎日8時間行動するとなると、疲労が蓄積されていく印象を受けました。
日帰り登山しかしない方で、試しにトレッキングポールを使ってみたいという方にはおすすめできます。
実際に登山で使ってみて、安いトレッキングポールのメリット・デメリットを総括すると
メリット
- お手頃価格でトレッキングポールが買える
- 豊富なパーツのおかげで通年使える
- 値段の割に丈夫
デメリット
- 重たい
- 長さの調節など使用感に個体差がある
- パーツ紛失やトレッキングポールが破損すると、買い替えるしかない
上記のメリット・デメリットを理解した上で、試しにトレッキングポールを使うには良いでしょう。
トレッキングポールのお手入れ方法
安いトレッキングポールでも、メンテナンス次第では長く使えます。
トレッキングポールで一番ガタがきやすい部分は、長さ調節のパーツです。
この部分に水分が残ることで錆びてしまい、長さが調節できないということが起こります。
それを防ぐためにも帰宅したらまずはトレッキングポールを分解して、乾かしましょう。
折り畳み式のトレッキングポールに関しては、上段シャフトから中段・下段シャフトを抜いた状態でしっかり乾燥させます。
パーツやトレッキングポール本体に付いた泥汚れを落としてあげてください。
トレッキングポール全体がしっかり乾いたら、元どおりに折りたたんだ状態で収納しましょう。
乾燥させることで錆が発生しにくくなり、安いトレッキングポールでも長く使えますよ。
安いトレッキングポールは用途を選べば登山で使える
ネットで販売されている安いトレッキングポールを実際に山で使って使用感を検証しました。
安いがゆえのデメリットはありますが、何かとお金がかかる登山において、トレッキングポールを使うとどれぐらい疲労度が違うのかを体感してみるにはちょうど良いものです。
一度使ってみることで、今後自分が軽量性を重視するのか、収納性を重視するのか、オールシーズン使える汎用性を重視するのかによって、どのブランドのトレッキングポールを購入するかの指標にもなります。
トレッキングポールの購入を迷われている方、ぜひネットで買えるお手頃価格のトレッキングポールも検討してみてください。