登山向けアプリとして2強を誇る「YAMAP」と「ヤマレコ」、みなさんはどちらをメインに使っていますか?
当記事では、YAMAPとヤマレコの料金プランやそれぞれの独自機能などを調査し比較しました。
各アプリの長所や無料・有料プランの違いを確認して、自分に合った登山アプリはどちらか検討してみましょう。
YAMAP・ヤマレコの料金プラン
YAMAP プレミアム | YAMAP 無料 | ヤマレコ プレミアム | ヤマレコ 無料 | |
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料金 | 年間払い ¥5,700 月間払い ¥780 | 無料 | 年間払い ¥4,900(20GB) ¥10,500(100GB) ¥21,000(300GB) 月間払い ¥780 | 無料 |
地図 ダウンロード数 | 無制限 | 2回/月 | 無制限 | 同時に 2枚まで |
登山 計画数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 2件 |
写真 アップロード数 | 無制限 | 50枚 | 無制限/月 (総容量:20,100, 300GBから選択) | 100MB/月 (総容量: 1GB) |
ルート外れ 警告 | ○ | × | ○ | ○ |
位置情報 の共有 | ○ | ○ | ○ | ○ |
他ユーザー の軌跡利用 | ○ | × | ○ | × |
登山届 の提出 | ○ (20団体) | ○ (20団体) | × | ○ (33団体) |
YAMAPは年間5,700円、ヤマレコは年間4,900円から使える総容量によって料金が上がります。
最小容量内の利用ではヤマレコの方が安く、YAMAPは写真アップロード数が無制限のため沢山アプリを使う人にはYAMAPがお得です。
YAMAPもヤマレコも、プレミアム会員は地図を無制限でダウンロード可能です。
YAMAPの無料会員は月に2回までのダウンロードとなるため、頻繁に山に登る方は無料での利用は難しいかもしれません。
ヤマレコの無料会員はアプリに一度にダウンロードできるのは2枚までですが、古い地図を消してから新しい地図をダウンロードすれば問題ありません。
登山アプリの基本機能
次に、登山地図アプリとしての基本機能の使い勝手やそれぞれのアプリの強みや独自機能について比較していきます。
登山計画とルート作成機能
どちらのアプリもルート作成機能の性能が高く、登りたい山を検索し、登山ルートを引くことで予定行動時間や標高差などを知ることができます。
登山計画としての基本機能に大きな差はないため、それぞれのアプリの独自機能を紹介します。
YAMAP
YAMAP独自の機能として、上記の図の通り登山ルートを太・中・細の3種類の太さで表示し、メジャールートとマイナールートの見分けがつくようにしています。
登山初心者が単に距離の短さからルートを選び、人の少ないマイナールートを選んで怖い思いをしてしまう、といった状況を減らしてくれます。
また、危険スポットやランドマークとなるポイントの情報も多い印象です。
ヤマレコ
ヤマレコの登山計画では、登山ルートとして整備されている道以外にも、手動でルートを作成できる機能があります。
ヤマレコ独自の「みんなの足跡」機能で、他ユーザーが通った軌跡を見ることができ、登山ルート以外の通れる道を探してルートを決めるということが出来ます。
ヤマレコではアプリからだけでなくパソコンからも登山計画を作成できます。
ヤマレコ独自の「らくルート」ルート作成機能のほか、山と高原地図の地図を使った「ヤマプラ」でルート作成することもできます。
登山届の提出
YAMAP
YAMAPでは、登山計画をYAMAPに提出することで提携している自治体に登山届を提出した扱いになります。
協定締結がされていない自治体の場合は、YAMAPで作成した登山計画を紙に印刷して入山口のポストに提出する必要があります。
ヤマレコ
ヤマレコではプレミアム会員限定で、登山計画の編集画面にて登山届サービスの「コンパス」に登山計画を登録して登山届を提出することが出来ます。
「コンパス」は多くの自治体や警察、山岳協会と提携して安全登山を重視しているサービスです。
YAMAPが提携している自治体は20団体、コンパスが提携している自治体は33団体です。
コンパスの方が提携数が多いものの、YAMAPも徐々に提携している自治体が増えてきています。
ルート外れ警告
YAMAPではプレミアム会員のみルート外れ警告機能を使えます。アプリの通知でルート外れをユーザーに知らせてくれます。
ヤマレコではプレミアム会員だけでなく無料会員もルート外れ警告機能を使えます。警告はスマートフォンの音声で知らせてくれます。
家族・友人への位置情報の共有
YAMAP
YAMAPの「みまもり機能」では、家族や友人に自分の位置情報を共有することができます。
YAMAPでは独自機能の「こんにちは通信」を有効にすると電波の届かない山奥でも位置情報を共有することができます。
ヤマレコ
ヤマレコにも「いまココ」という位置情報共有の機能があります。ネットワーク圏外中は位置情報は更新されず、オンラインになった時にまとめて共有されます。
「いまココ」はwebのほか専用のスマホアプリもあるのでアクセスしやすいというメリットがあります。
登りたい山を探す機能
YAMAP
YAMAPの「さがす」タブでは、現在地を起点として、全国の山を山域で分けることなくシームレスに日本地図から探すことができます。
一見地味ですが、現在地とともにスマホの向きも表示してくれるため、旅行先で「あそこに見える山はなんだろう?」と思った時に「さがす」タブを確認すれば新たに登りたい山に出会えるかもしれません。
ヤマレコ
ヤマレコでは地図上から山を探す場合は、日本地図から山域を選択し、地図をダウンロードしてから山を確認する必要があります。
そのかわり、ヤマレコでは「山リスト」として150以上もの山の特集が用意されています。興味をそそられる山特集が多く、登る山の参考になります。
Apple Watch対応
YAMAP
YAMAPでは2022年8月にApple Watchに対応しました。地図画面では登山計画のルート、歩いた軌跡や進行方向などを地図上で確認できます。また、活動画面では歩行時間、心拍数、標高、距離が確認できます。
ヤマレコ
ヤマレコでは2019年6月からApple Watchにいち早く対応しました。
地図画面では登山ルート、歩いた軌跡、進行方向に加えて、ポイントの名称なども表示してくれます。
現在の状況画面では、標高、ペース、心拍数、消費カロリー、標高グラフが表示され、表示される情報はYAMAPよりヤマレコの方が充実していそうです。
YAMAPとヤマレコ、どっちを使う?
前項ではYAMAPとヤマレコの機能の比較を行いました。2つとも高性能な登山アプリなのでどちらを使うか悩むところだと思います。
本項ではそれぞれのアプリの特徴・強みを3つに絞りました。
YAMAPの強み・メリット
①みまもり機能withこんにちは通信
「こんにちは通信」を使ったみまもり機能は遭難救助にも役に立っている優秀な機能です。
山ですれ違ったYAMAPユーザーと位置情報を交換し合い、その後ネットワーク圏外の場所にいてもすれ違った相手がオンラインになると、すれ違った地点での位置情報を共有することができます。
山に行くことで遭難の可能性を心配してる家族がいる方はYAMAPがおすすめです。
②アクティブユーザーの多さ
YAMAPとヤマレコで同日・同じ山の活動日記の数をいくつか比べてみたところ、YAMAPはヤマレコの約4倍の数の活動日記がアップされていました。
アクティブユーザーが多いと前述した「こんにちは通信」による恩恵も増すので、大きなメリットと言えるでしょう。
③物販、イベント、メディアが優秀
YAMAPは山登りの日以外も楽しめる仕組みがいっぱいです。
登山セレクトショップの「YAMAP STORE」では大手登山メーカーからガレージブランドまで様々なアイテムを取り扱い、つくり手の思いや品質を丁寧に紹介しています。
YAMAP STOREはプレミアムユーザーは送料無料でグッズを購入できます。
他にも、個性豊かな山旅プランが楽しめる「YAMAP TRAVEL」、自然特化型クラウドファンディングの「YAMAP FUNDING」、登山アウトドアメディアの「YAMAP MAGAZINE」など複数の事業を展開しています。
YAMAPではユーザーに呼びかけ清掃登山キャンペーンを行ったり、ユーザーがより山を楽しめるようなイベントが用意されています。
また、YAMAPの中の人のYoutube動画投稿であったり、定期的に登山メディアのYAMAP MAGAZINEのアプリへの配信を行なっていたり、山登り以外の日常でも楽しめるアプリになっています。
ヤマレコの強み・メリット
①みんなの足跡
ヤマレコユーザーに評価の高い「みんなの足跡」機能は、オレンジの線でヤマレコユーザーの軌跡を表示してくれるヤマレコ独自の機能です。
無料ユーザーは夏道のみ、プレミアムユーザーは夏道、雪山、クライミング、スキーの全てのみんなの足跡を表示できます。
中上級者の方はバリエーションルートに活用している方もいるそうです。
事前に登る予定の山の「みんなの足跡」を見て、途中まで行って引き返した軌跡などを探せば道迷いしやすいポイントも予めチェックできます。
②ルート計画の自由度の高さ
前述した通り、ヤマレコではポイントごとにルートを引くだけではなく、手動でオリジナルのルートを作成することができます。
また、パソコンでルート作成ができるのもメリットです。
アプリからではなく大きい画面のパソコンを使ってじっくり登山計画を練りたい方にヤマレコはおすすめです。
③ヤマレコの山岳保険
ヤマレコには登山当日でも加入が可能な山岳保険「チーム安全登山」があります。プランは年間タイプと短期タイプが用意されています。
ヤマレコアプリと連携されていたり、登山経験のある担当者が付いてくれるので交渉がスムーズに行えます。さらに、計画書に基づく登山の補償は業界最大額です。
料金の詳細は公式サイトをご確認ください。
さいごに
登山地図アプリのYAMAP、ヤマレコの機能や料金プランによる違いを比較しました。
YAMAPは、山登りというアクティビティを更に楽しくなるよう盛り上げてくれるアプリです。
ヤマレコは、より登山のレベルを高めたいと思ってる人に便利な機能が充実しています。