数多の谷と魅力的な眺望をはじめとした、豊かな自然を有する丹沢。中でも山域の自然を堪能できるルートであり、日帰り縦走登山の代表的な道としても知られるのが表尾根。幾つものピークを経るこのコースには、単独でも十分に魅力ある山頂が点在しています。今回はその中から、塔ノ岳の東方に位置する新大日をご紹介します。
新大日とは
新大日は丹沢の名峰、塔ノ岳の東方に位置する1,340mの山です。ヤビツ峠から表尾根を登る場合、塔ノ岳に至る直前のピークとして知られ、山頂は南面の眺望があり、歩いてきた表尾根を振り返り「ここまで登ってきたんだ」と感動に浸ることが出来ます。
古くから多くの登山者が登ってきた新大日。この山頂だけを目指して登る人は年間を通して少ないですが、かつてこの地にあった新大日茶屋、今回ご紹介する丹沢の名の由来となった札掛からのコースなど、単独のピークとしても登る楽しさを秘めています。
山頂周辺は丹沢ならではの木々に囲まれており、同地の歴史と共に静かに佇むのが新大日です。
今回のおすすめコース
今回は、新大日の東方、渓谷に位置する札掛から長尾尾根を経て登るコースをご紹介します。
長尾尾根は終始樹林帯を登る静かなコースですが、標高を上げると木々から見えてくる眺望、変化してくる木々など、丹沢の自然と、代表的なコースからは見えないアングルから見れる山々を望める、人気コースを歩いて次のステップとして山に登りたい方におすすめです。
アクセスとトイレ
アクセスはマイカーが基本で、登山口の札掛には無料駐車スペースがあります。
公共交通機関を利用する場合は、秦野駅からヤビツ峠行きバスに乗り終点で下車。県道70号線を徒歩で1時間弱歩きます。
駐車スペースにはトイレがないので、途中のヤビツ峠や表尾根登山口付近に設置されているトイレに事前に立ち寄ります。
また秦野方面からマイカーでアクセスする場合は、246号線からヤビツ峠に向かう名古木交差点にコンビニがあるので、ここでトイレや食糧を入手しておくと良いです。
行程
コースタイム | 体力レベル | 技術レベル |
4時間40分 | ★★☆☆ | ★★☆☆ |
札掛に駐車してスタートです。
長尾尾根とケヤキ沢コースとの分岐。今回は長尾尾根の往復ですが、経験ある方ならケヤキ沢との周回コースも歩けます。
脚に優しい柔らかい路面で歩きやすいです。
鞍部。
以前あった道が崩壊。そばに新しい道があります。
分かりやすい尾根道となり、木々に癒やされながら登ります。
木々からは表尾根が見えます。
ケヤキ沢コースとの分岐。
階段が見えると山頂は近いです。
山頂に到着です。
山頂からの眺望。
山頂にあった新大日茶屋跡地。小屋がまだ形を留めていた時から表尾根を登っていたので、跡地を見ると丹沢の歴史のひとつが幕を閉じたのだと、なんだか寂しく思います。
山頂でゆっくり休んだら同じ道を下ります。
新大日でのんびり静かな山登りを
新大日は丹沢表尾根に位置する山頂のひとつで、同コースの通過点として知られながらも、丹沢の歴史と共に歩んできた趣あるピークです。
山頂を目指すコースは今回ご紹介した長尾尾根コースだけでなく、ケヤキ沢コースをはじめ経験に応じて変化に富んだ計画で登ることが出来ます。
新大日に登って、丹沢の歴史に触れる登山をぜひ楽しんでください。