【箱根・金時山】登山コースと紅葉情報の紹介

山紹介

この記事は、2021年10月末現在の富士箱根伊豆国立公園・箱根地区の紅葉情報を実際の山行に基づいて取りまとめたものになります。

紅葉状況と山域の代表的な登山ルートである金時山周辺(箱根外輪山縦走コース)の概要や紅葉速報を掲載しております。

徐々に色づきがみられるようになってきた、箱根の定番縦走路

目次

Yamarii編集部にて情報収集を行ったコース

箱根山麓の小田原を起点に、箱根外輪山東半分側のエリアの情報を収集しております。

(コース)小田原・入生田(標高約50m)~箱根・宮ノ下(標高約420m)~宮城野登山口~明星ヶ岳~(箱根・古期外輪山縦走路)~金時山~乙女峠~箱根・仙石原(標高約650m)~箱根湯本・塔ノ沢(標高約130m)

紅葉情報(箱根・金時山周辺)

場所標高紅葉の状況
小田原市・入生田付近観光約50mまだまだ青葉が多い
箱根湯本(塔ノ沢)登山口・観光約130m色づき始め ・ 青葉が多い
宮ノ下観光約420m色づき始め
宮城野登山口・観光 約500m色づき始め
仙石原登山口・観光 約650m色づき始め
明星(みょうじょう)ヶ岳 付近登山道924m色づき始め
明神ヶ岳 付近 登山道 1,169mそろそろ見頃
金時山 付近 登山道 1,212mそろそろ見頃~ピーク
乙女峠 付近登山道 1,005mそろそろ見頃~ピーク
                                       2021年10月30日現在 Yamarii編集部まとめ

※中央火口丘(早雲山、神山、箱根駒ケ岳)は火山活動による登山道通行止

※参考:箱根地区内の標高 強羅(ごうら):約540m、芦ノ湖:約730m、大涌谷:約1,050m

箱根湯本付近の山肌は、まだまだ青い
箱根の玄関口であっても、冷える西斜面は色づき始めている(塔ノ沢付近)

各区間の紅葉状況

宮城野~明星ヶ岳(色づき始め)

明星ヶ岳へのアプローチは、標高700mくらいから紅葉が見られる

観光地、強羅の隣にある集落、標高約500mの宮城野より登山道に入ります。
まだ下の方は青葉が優勢ですが、標高700m付近から徐々に色づいた木々を観察することができます。

紅葉情報から少し話は逸脱しますが、明星ヶ岳直下まで来ると、左手に突然展望が開ける場所が現れます。これは箱根大文字焼の「大」の字の一番上、Top of 「大」の部分に該当し、眼下には強羅市街の展望を「大」の払い部分越しに見ることが可能です。

明星ヶ岳周辺も、まだ色づき始めたばかり

大文字焼から10分程進んでいくと前方の視界が開け、明星ヶ岳山頂に到着となります。平らな山頂付近は登山道に沿って気持ちの良い草地が広がっており、地面に腰を下ろしてのんびりと休憩することが出来ます。朝早い時間は夜露で濡れていることもありますので、シート等があるととても便利です。山頂付近の紅葉は「色づきはじめ」といったところで、まだ青葉の広葉樹も多く見られます。

明星ヶ岳~明神ヶ岳(色づき始め~そろそろ見頃)

明星ヶ岳先は開放的なトレイルとなる

さて、いよいよこの明星ヶ岳から先、明神ヶ岳を経由して金時山に至るまでは、展望に優れた爽快かつ小気味よいアップダウンのある縦走路となります。登山道は全体的によく整備されており、三点支持を要する「鎖場」等もほとんどなく、一般的な登山者だけでなく、トレイルランナーやファミリー登山のハイキングなど様々な方が登山を楽しまれておりました。

秋の明神ヶ岳、標高1,000mを超え始めると、色づきが濃くなってくる

縦走路に入ると、ところどころ紅葉・黄葉が進んだ木々も見られるようになり、秋の進み具合を肌で感じられます。また、前方に視点を移すと標高が1,000mを超す明神ヶ岳が大きくそびえ、山頂付近の山肌はそろそろ見頃を迎える淡い黄葉に包まれており、風景に落ち着きを与えてくれます。

明神ヶ岳~矢倉沢峠(色づき始め~そろそろ見頃)

金時山の背後に富士が重なる

なだらかな明神ヶ岳山頂付近は、紅葉がそろそろ見頃を迎えています。金時山までの縦走路が一望可能であり、金時山のシルエット越しに、冠雪した富士を眺めることが可能です。

明神ヶ岳山頂からは高度を大きく落とし1,000mに満たない縦走路となりますが、既に紅葉が見ごろを迎えている箇所もかなりありました。

矢倉沢峠~金時山~乙女峠~仙石原(そろそろ見頃~ピーク)

金時山直下は間もなく紅葉のピークを迎える

粘性の高い溶岩により形成された、容姿に特徴のある金時山山頂に向かって比較的急なのぼり(くだり)が続く区間になります。

矢倉沢峠周辺は、周囲がスズタケに囲まれ展望はあまり聞きませんが、峠から15分も登れば展望が開けます。標高1,100mをこえたあたりからは紅葉・黄葉が本格的に始まり、明神ヶ岳以上に一気ににぎやかな秋の雰囲気になってきます。

金時山山頂
金時山から乙女峠方面は、錦秋の中静かな山歩きとなる

さて、外輪山を乙女峠方面へ向かって縦走することにします。多くの登山者は金時神社方面に向かって折返し下山をするため、金時山から先の乙女峠方面は、山頂の賑やかさから一変し、静かな山歩きを楽しむことが出来ます。展望にはあまり恵まれませんが、その分、尾根を吹き抜ける冷たい秋風と錦秋;赤・黄・緑のコントラスト、秋の箱根を存分に味わうことが可能です。

標高1,005mの乙女峠は、外輪山縦走路と箱根~御殿場間の峠越えの遊歩道が交差する要衝

金時山~乙女峠~登山口までの区間は登山道のあちこちに溶岩が見られ、また登山道上には浮石(容易に動く礫(れき))が多いことから、捻挫等を予防するためトレッキングシューズに相当する靴を使用した方が安全上望ましいかもしれません。

乙女峠からの下山路は浮石が多い

仙石原~箱根湯本(ロード)

Pixta

このパートは、主にトレイルランナーの皆様を対象とした内容になります。

トレイルランナーの皆様の中には、下山後あるいは外輪山周回途中のエスケープに箱根湯本や小田原までロードラン(金時神社~箱根湯本は下り勾配約14㎞)を取り入れたいという方がいらっしゃるかもしれませんが、箱根の車道は全般的に路線バスを含む交通量の多い車道(歩道なし区間が多く、路肩も狭い)を走って下山することになります。

登山口の仙石原にも、秋の色づきがみられ始める

国道の場合は基本的に道路照明がほぼ全線にあるため、日没の早い秋季でも直ちに暗闇とはなりませんが、交通の往来が激しいため、点滅機能のある赤色灯やヘッドランプは必携品となります。

なお、バス路線と重複していますので、万一の際は救済の足として利用する事もできます。

週末の交通集中

観光客の多い箱根は、多分に漏れず秋季も交通集中による混雑が発生します。

【箱根・金時山】登山コースと紅葉情報の紹介

混雑する箱根湯本付近の国道1号(午後5時)

※2021年4月、箱根仙石原~南足柄への「はこね金太郎ライン(県道731号)」が開通し、混雑する箱根湯本を経由せずに東名大井松田ICを目指せるようになりました。ただ、山道を下った先の南足柄市街地で渋滞に巻き込まれるケースもあるようです。

また、電車・バスの場合においても、上記の通りバスも国道1号の渋滞に巻き込まれるため、宮ノ下駅ないし大平台駅から箱根登山鉄道に乗り換えるのも1つの手です。

おわりに

2,000~3,000m級の高山に見られる鮮烈な紅葉とまではいきませんが、山地全体を包みこむような優しい紅葉を見られるのが特徴となります。また皆様もご存知のとおり、箱根は火山地帯であり、同時に国立公園内の観光地でもあることから、下山後のスケジュールを組むにも大変便利な場所となっております。

紅葉状況を確認した結果、まだまだシーズン半ばといったところですので、是非皆様も防寒対策の上、秋の登山を楽しまれてはいかがでしょうか。