なぜ金峰山は登山者を魅了するのか?

関東甲信

金峰山は山梨県と長野県の県境にある日本百名山に選ばれている標高2599mの山で、山頂には五丈岩という巨大な岩があるのが特徴です。

2599mと低くない標高ではあるのですがルートによっては片道2.5時間(4km)で山頂まで行くことができ登山初心者のステップアップにはちょうど良い山ではないでしょうか。

また金峰山の隣には三百名山の国師ヶ岳もあり、こちらも1時間ほどで登ることができる山です。

そんな金峰山は都心からのアクセスもよく、比較的登りやすい山として知られていたので「いつでも行ける」となかなか行く機会を作ることができなかったのですが、いざ行ってみると金峰山が百名山にふさわしい山だと魅了させられました。

目次

金峰山の行き方

金峰山は主に2つのルートが有り、車か乗り合いタクシーで行く大弛峠(おおだるみ)コース電車とバスで登山口まで行くみずがき山荘コースからスタートするコースがあります。

電車、バスで行くみずがき山荘コース

出典:ヤマプラ
行動時間体力レベル技術レベル
7時間★★★☆★★☆☆
Yamarii登山グレーディング

最寄り駅:JR中央線 韮崎駅(にらさき)

韮崎駅からは山梨峡北交通のバスでみずがき山荘まで1時間ほどバスに乗ります。

韮崎駅からの始発は8時頃、みずがき山荘からの終バスは16時半頃となっているのでややタイトな計画になりそうです。

車で行く大弛峠コース

出典:ヤマプラ
行動時間体力レベル技術レベル
4.5時間★★☆☆★★☆☆
Yamarii登山グレーディング

中央道勝沼から1時間半ほど下道と山道を通り、大弛峠へと向かいます。

大弛峠には駐車場(約50台)、とトイレがあります。駐車場は朝早くから埋まってしまう事が多いです。

大弛峠からのコースが短時間で山頂に着き、登りも比較的緩やかなのでおすすめのコースです。

マイカーがない場合は塩山駅から2000円程度でタクシーかバスを利用できます。

金峰山登山レポート

大弛峠の駐車場に降りた時から2300m近く標高があるので都心と比べるとすでに涼しく、やや肌寒いぐらいからスタートしました。

標高2300mまで車で行ける駐車場

8時頃に駐車場に着きましたがすでに区画はほぼ満車でした。人気な山なのが伺えます。この先にさらに砂利の駐車場があります。

路肩に止めることもできるのですが、段差が大きいので4WDなどの車高の高い車しか止めることが難しそうです。

この標高まで車でこれる山は殆どないので大きな魅力です。

国師ヶ岳の登山口と間違えないように

大弛峠は国師ヶ岳にも行くことができるのですが、登山口はそれぞれ違うので国師ヶ岳の登山口と間違えないようにしましょう。

国師ヶ岳の登山口は大弛小屋側から入りますが、金峰山は小屋とは反対側から入山します。

山頂から先に金峰山小屋がありますが宿泊のみの受付のようですのでご注意ください。

白樺とブナの登山道は登りやすい

登山口から1時間ほど先にある朝日岳を目指します。

登山道の両脇には白樺やブナの木が茂っており、岩は苔むした雰囲気が神秘的でありながらも歩きやすい登山道で登山初心者の方に好まれる事に納得させられました。

朝日岳の山頂自体は狭く、眺望もないので朝日峠の2520m付近が開けており富士山も見渡せるポイントです。

朝日峠からの富士山

反対側には大きな岩が見え「もしかして、あそこが山頂?」と伺わせる雰囲気なのですが、こちらは兜岩で一般的な登山行程では行くことが難しい場所です。

金峰山には兜岩以外にもこのような普段見ることができない、自然発生した巨石を多く見ることができます。

朝日岳からの美しい稜線

金峰山の見どころである美しい稜線です。山頂の五丈岩も見ることができます。

この稜線にそって山頂を目指すことになるのですが、パノラマな景色が広がる中で緩やかな登山道を歩く稜線歩きは登山者が憧れる行程が金峰山にはあります。

朝日岳から1時間ほどで稜線に出ることができます。

残念ながらこの日はガスが上がってきており眺望はありませんでしたが、天候に恵まれば富士山、南アルプスをパノラマで見渡すことができます。

巨石の五丈岩がおでむかえ

山頂付近は岩場がありますが、危険な場所はなく安全に通過できると思います。

五丈岩を目の前にすると想像よりも大きな岩で写真で見るよりもインパクトがあり眺望は無かったものの貴重な景色を見れたことに満足させられました。

金峰山は古くから信仰の対象とされているため、五丈岩には鳥居があります。

山頂の巨大な花崗岩は金峰山信仰のシンボル。五丈岩の頂からは「甲斐派美」と呼ばれる湧水が湧き、甲斐・武蔵・信濃三国を流れる川の水源をなしたことから、金峰山に鎮座する神々を耕作の守護神として崇拝しました。また山頂からは、水の信仰に関わる土馬や水晶などが発見され、出土品は山梨県立博物館に展示されています。

https://www.city.kofu.yamanashi.jp/welcome/tokushu/kinpusan.html

左側に人がいるのですが、この大きさがわかるでしょうか?

登ることができる岩なのですが、山頂付近の岩は滑りやすいので技量に合わせて登りましょう。

まとめ

稜線が美しい山の多くはアルプスなどの大きな山体で標高が高い事が多いのですが、金峰山は大弛峠から入れば片道2時間程度でこの稜線を楽しめるのは非常にコスパの良い山です。

百名山に選ばれることにも納得できる山でした。

ややアクセスがしずらいのが難点ですが、よりアクセスがしやすい大菩薩嶺も美しい稜線を歩くことができるので候補に入れてもいいかもしれません。