登山にサンダルって必要?
日帰りの登山であれば必要ないですが、テント泊であれば絶対にあった方が便利です。
テントから出て山小屋に行ったり、トイレに行ったり、周辺を散策する時に、いちいち登山靴を履くのは億劫です。
登山靴だけしか持って行っていないと、登山口への行き帰りの道中ずっと登山靴を履かなければなりません。
アスファルトの上を硬い登山靴で歩くと、足の裏が疲れてしまいます。
そのため山の上で宿泊を伴う登山であれば、サンダルがあった方がより快適に移動もでき、宿泊地で楽に過ごせるんです。
今回は国内ブランド2社のサンダルを実際にアルプスのテント泊で履いてきたので、徹底比較していきます。
モンベル ソックオンサンダルの基本情報
モンベルの代表的なサンダルと言っても過言ではないのでが、「ソックオンサンダル」です。
「ソックオン」という名前の通り、靴下を履いたままでも履けるサンダルです。
モンベル独自のパターンで足にフィットして脱げにくく、グリップ力もあります。
さすがモンベルというだけあって、サイズ展開の幅広さも魅力です。
価格 | 4,290円 |
重量 | 117g (Mサイズ片足) |
サイズ展開 | XS(22.0cm)~XXL(31.0cm) |
色展開 | 6色 |
品番 | 1129715 |
rig tetivaの基本情報
「rig」は日本発のリカバリーサンダルブランドです。
欧米人と日本人の足型を4年間研究し、満を持して2019年に生まれています。
リカバリーサンダルだけあってクッション性の高さが売りで、1日の行程で疲れた足を優しく包み込んでくれます。
中でも「tetiva」は登山のテント場での使用シーンを考えて作られているので、rigの他のサンダルと比べ薄型ソールになっているのがポイントです。
また靴下を履いたままでも履けるので、肌寒い高山でも快適に履けます。
日本ブランドらしくない、落ち着いた色目とスタイリッシュなデザインで普段でも使いたくなるサンダルになっています。
価格 | 10,780円 |
重量 | 300g (25cm片足) |
サイズ展開 | 23.0cm~29.0cm |
色展開 | 4色 |
品番 | tetiva |
2つのブランドのサンダルを徹底比較
軽さ
モンベルは公式ホームページに記載の重量がMサイズ(25~26cm)で、片足117gです。
一方rigは筆者測定値ですが、25cmで片足300gです。
両足で366gの差が生まれています。
rigはリカバリーサンダルということもあって、ソールに厚みが出る分どうしても重量は重たくなります。
一方モンベルは「Light & Fast」をブランドスローガンに掲げているだけあって、ミニマルな機能に絞って軽量性が追求されているんです。
ただでさえ荷物が重たいテント泊では、1gでも重量を削りたいものです。
軽量性を重視される方にはモンベルのソックオンサンダルがおすすめです。
厚み
テント場に持って行くとなると、収納時の厚みも気になるところです。
ザックの中に入れたり、外のサイドポケットに入れたりするので、薄い方が持ち運びは便利です。
サンダルを重ねてフットベッドからフットベッドまでの長さを測定してみました。
モンベルのソックオンサンダルは厚み約3cmです。
これだけ薄いとザックのサイドポケットに入れても邪魔になりません。
一方rigのtetivaは厚み約7cmです。
厚みがあるので、ザックによってはサイドポケットに入らないものもあるかもしれません。
持ち運びに便利なのはモンベルのソックオンサンダルです。
クッション性
上記で測定した厚みから考えると、rigのtetivaの方が厚みがあるのでクッション性は高いことが推察できます。
実際に履いてテント場付近の岩場を歩いてみました。
tetivaは岩のエッジ部分で少しとがっているところを踏んでもまったく痛くなく、柔らかく足が守られている感覚です。
一方モンベルのソックオンサンダルはtetivaに比べるとソールが薄いということもあり、同じとがった岩を踏むと足裏にしっかりと岩の感覚がありました。
山のテント場などの不整地ではtetivaの方が凹凸を気にせず、快適に歩けます。
脱ぎ履きのしやすさ
モンベルのソックオンサンダルはテープの内側に足を入れるだけで、ササッと履けます。
テープの位置が調節できるので、足の幅に応じて心地よい位置に調節できるんです。
一方rigのteivaはつま先部分と足首前部分をベルクロのテープで留める必要があります。
甲の高さ、足首の太さに応じてフィット感を調節できるのは良いのですが、モンベルと比べると脱ぎ履きが手間に感じます。
tetivaは足首部分にあるストラップを前に持ってくるか、後ろに持ってくるかで2wayの履き方ができるんです。
普段使いでは便利でオシャレな機能ですが、テント場でサッとサンダルを履いて外に出たい時に煩わしく感じてしまいます。
脱ぎ履きのしやすさにおいては、モンベルに軍配が上がります。
足裏の肌触り
モンベルのソックオンサンダルはフットベッド上に細かな凹凸があり、足の蒸れを改善するような作りになっています。
さらに傾斜のある道を歩いている時に、足が前滑りしないという効果も生んでくれるんです。
一方rigのtetivaは足裏が接触する部分に微細な凹凸が付いています。
そのおかげで長時間履いていても蒸れを感じず、快適に歩けます。
ただ凹凸はモンベルのサンダルの方が強いので、傾斜を下るときはしっかり足裏にフィットしてくれる感覚です。
グリップ力
登山で使うサンダルにほしいグリップ力をテストします。
モンベルのソックオンサンダルのソールパターンは、V字状のブロックが隙間なく詰まっています。
一方rigのtetivaは大き目のブロックがランダムに配置されています。
このブロックパターンがグリップ力にどう反映されるのか、試してみました。
傾斜のある岩の上に立ち、滑るかどうかでグリップ力を判断します。
rigのtetivaは片足立ちした瞬間、滑ってしまいました。
一方モンベルのソックオンサンダルは、片足でも滑らずしっかり立てたんです。
隙間なくブロックが詰まったソールパターンが、このグリップ力の高さを生んでいるのでしょう。
rigのtetivaはソックオンサンダルに比べるとグリップ力は劣ります。
ただテント場から小屋までの往復で岩場を通っても不安感はなかったので、足を置く場所に気を遣えば問題なく山で使えるでしょう。
モンベル ソックオンサンダルの気になる点
軽量かつ脱ぎ履きも簡単で、グリップ力も高く、総合力の高さが光るモンベルのソックオンサンダルですが、気にる点もあります。
それはクッション性です。
いい意味で足裏感覚があるのですが、岩の凹凸感は足裏に感じられます。
1日歩いて疲れた足を登山靴から解放してサンダルに履き替えても、足裏に地面の感覚が伝わるんです。
足裏に痛みが出やすい方は、この履き心地が気になるかもしれません。
rig tetivaの気になる点
rigのtetivaはリカバリーサンダルということもあってクッション性が高く、オシャレなデザインで多用途に使えるサンダルになっています。
ですが重量が気になるんです。
rigのシリーズの中でもtetivaはアスリートの遠征先や、テント場での利用を想定して作られています。
それでいて両足600gという重量で、決して軽いとは言えません。
モンベルのソックオンサンダルに比べると約2.6倍の重さがあるんです。
少しでも軽量化したいテント泊登山において、サンダルで600gは持って行くのをためらう重量です。
履き心地を重視したい方にはおすすめですが、軽量化を目指している方にはおすすめできません。
各サンダルおすすめの人
モンベル ソックオンサンダル
モンベルのソックオンサンダルは、下記の人におすすめです。
- 軽いサンダルが欲しい方
- 幅が広くて普通のサンダルでは合いにくい方
- 山だけでなく川や海でも使えるサンダルが欲しい方
両足で234gと軽量なサンダルになっています。
1gでも重量を削りたい、ただサンダルにあまりお金をかけたくないという方にはかなりおすすめのサンダルです。
またさすがモンベルというだけあって、グリップ力が高いです。
山はもちろん、川遊びや海でも活躍してくれます。
脱ぎ履きしやすいのに足にしっかりフィットして、脱げにくいのもポイントです。
rig tetiva
rigのtetivaは下記の方におすすめです。
- 登山中、足裏に痛みが出やすい方
- 腰痛に悩んでいる方
- オシャレなデザインで普段履きもできるサンダルが欲しい方
rigはリカバリーサンダルメーカーということもあり、クッション性に優れています。
そのため足裏や腰にかかる負担を軽減してくれるんです。
1日ハードな行程を終えた登山後に履いて、足と身体をリラックスしてくれます。
またデザインもオシャレなので、山だけでなく普段履きに使えるのでコストパフォーマンスに優れるサンダルです。
お気に入りのサンダルで山を快適に楽しもう
モンベルのソックオンサンダルとrigのtetivaを徹底比較しました。
それぞれにメリット、デメリットがあり、何に重きを置くかによって選ぶべきサンダルが変わってきます。
お店で試し履きをして、自分の足にフィットするサンダルを見つけてくださいね。