【自腹レビュー】モンベル2024FW新商品!EXライトサーマラップパーカを徹底検証

ウェア・服

EXライトサーマラップパーカとは?

筆者撮影

「EXライトサーマラップパーカ」は、モンベルから発売された2024年秋冬の新商品です。

モンベルの中綿ジャケット「サーマラップ」シリーズの中で、一番薄い中綿ジャケットです。

どれぐらいの保温力があるのか実着テストしながら、EXライトサーマラップパーカのメリットやデメリットをチェックしていきます。

価格Men’s: 17,050円
Women’s: 16,500円
素材表地:20dナイロンリップストップ
裏地:12dナイロンリップストップ
中綿:ストレッチエクセロフト(ポリエステル)
重量Men’s: 200g
Women’s: 173g
サイズ展開Men’s: S, M, L, XL
Women’s: XS, S, M, L, XL
色展開Men’s: 4色
Women’s: 3色
品番Men’s: 1101686
Women’s: 1101687

EXライトサーマラップパーカのおすすめポイント3つ

中綿ジャケットらしからぬ軽さ

筆者撮影

EXライトサーマラップパーカは、モンベルのエクセロフトシリーズの中でも最軽量の200gです。

モンベルの各エクセロフト使用ジャケットと比較してみると、これまで最軽量だったULサーマラップパーカよりも52g軽くなっています。

EXライトサーマラップパーカ200g
ULサーマラップパーカ252g
サーマラップパーカ322g

中綿のシートが薄いのはもちろんなんですが、軽量性の秘密はそこだけではありません。

表地にナイロンの20d素材、そして裏地にはさらに薄い12dの生地を採用しています。

20d素材は極薄というわけではありませんが、程よい軽量性と耐久性のバランスが良い生地厚です。

秋冬の行動着を想定されているのでザックのショルダーベルトと擦れることを考えて、耐久性に配慮した生地を表地に選定したのでしょう。

一方裏地は12dと表地よりもさらに薄い素材が使われています。

一般的なジャケットは表地にはこだわっても、見えない裏地にまでこだわっているものは少ないです。

ですがモンベルは見えない裏地に極薄の12d素材を採用することで、1gでも軽いウェアづくりにこだわっています。

薄いエクセロフトシートだけでなく、ジャケットの生地選定にもモンベルのこだわりが垣間見えます。

動きやすいストレッチ性

筆者撮影

EXライトサーマラップパーカは、背中部分のストレッチ性に優れます。

ですが生地自体はナイロン100%で、伸縮性を生み出す糸であるポリウレタンは使用されていません。

ではなぜ伸びるかと言うと、生地の使い方に秘密があるんです。

一般的に生地は横方向、縦方向に引っ張っても伸びません。

ですが斜め方向に引っ張ると、どんな生地でも伸びるんです。

EXライトサーマラップパーカは、背中部分の生地を斜め(バイアス)にして縫製することで、生地の特性を活かしてストレッチ性を生んでいます。

ポリウレタンを混紡すれば簡単にストレッチ性は出せますが、糸自体が重たいためジャケットの重量が重たくなってしまいます。

そこで生地を斜めにすることで軽量性は維持しながらも、ストレッチ性を生み出して背中のツッパリ感を減らしています。

驚異のコンパクト性

筆者撮影(右:ライトアルパインダウンジャケット、左:EXライトサーマラップパーカ)

一般的な中綿ジャケットはダウンに比べてコンパクト性に劣るというのが、中綿全般に言われるデメリットです。

ですがEXライトサーマラップパーカは薄いので、コンパクト性にも優れます。

実際にモンベルの中厚手ダウンジャケットと比べると、かなり大きさに違いが出ます。

EXライトサーマラップパーカの公式収納サイズはφ10×16cmで、モンベルの薄手ダウン「スペリオダウンジャケット」はφ10×15cmです。

なんと薄手のダウンジャケットとほぼ同じ収納サイズなんです。

ダウンジャケットはコンパクトになるとは言え行動着としては使えないので、中綿ジャケットでここまでコンパクトになると行動着として持って行きやすくなっています。

撥水性をチェック

モンベルの公式サイトには「はっ水加工」の記載があるので、撥水機能をテストします。

筆者撮影

しっかり玉になってくれて、動かしてみてもコロコロと動く印象です。

ですが若干染みてきてしまっているところ(動画赤丸部分)もあるので、撥水機能が付いているとは言え、かなり高い撥水機能とは言い難いです。

表地は光沢を抑えたマットな生地感になっています。

光沢が強い生地は糸がまっすぐで生地も平滑になるので、水が引っ掛かりにくいです。

一方EXライトサーマラップパーカのようなマットな生地は糸に撚りがかかっているので、必然的に生地に凹凸が生まれ、水が引っ掛かりやすくなります。

その結果レインウェアのような高い撥水機能ではなくなっています。

雪山で実着テスト

筆者撮影

12月末の金剛山でテストしてきました。

登山口の気温は4℃、風はなく、そこまで寒さは感じないコンディションです。

7合目ぐらいから雪がつきはじめ、1,125mの山頂では気温-4℃、風はないという環境下でテストしています。

筆者はかなりの暑がりで、普段の冬山でのハイクアップ中は長袖Tシャツ1枚で歩いています。

筆者撮影

身長163cmでMen’sのSサイズを着用しましたが、袖・着丈はピッタリです。

袖口はゴムになっていて、程よくフィットしてくれます。

登りはじめは快適だったのですが、30分も階段の急登を上がっていくと、じんわりと汗がにじみ始めました。

1時間30分は着て行動していたのですが、発汗量も増えてきてさすがに暑くなって脱ぎました。

山頂でお昼ご飯を食べている間、EXライトサーマラップパーカだけ羽織って過ごしてみました。

風がなかったおかげでじっとしていても、そこまで寒さは感じません。

長時間止まっていると冷えてくるかなと思いましたが、15分ほどの休憩であれば問題なく1枚で過ごせました。

-10℃ぐらいまでで風が少ない環境下であれば、行動着として快適に使えそうな印象です。

暑がりの筆者は4℃で暑くて脱いでしまいましたが、そこまで暑がりでない方は0℃を下回らなければ着ていられるでしょう。

EXライトサーマラップパーカの気になるポイント

筆者撮影

EXライトサーマラップパーカの裾、フード部分にはドローコードがついていません。

裾にすき間があるという感覚はなく、ちょうどよくフィットしてくれるのですが、風が強い時に裾を絞れないので風の流入があるかもしれません。

またフード部分にもドローコードが付いていないので、顔周りも締めることができないです。

行動中風がきつくなってきたときに、顔周りをしっかりガードするのは難しいです。

またフードの空きも気になります。

襟も高いわけではなく、ジッパーを上まで締めてもアゴが隠れません。

薄手の行動着なので、さすがにホワイトアウトするような環境下で1枚で着るような想定はされていないでしょう。

なので部材を排除し軽量性に振って、軽量・コンパクトな行動着に特化していると言えます。

風がきつくなってきた場合は、アルパインウェアを羽織って風を防ぐようにしましょう。

EXライトサーマラップパーカは行動量が多い方におすすめ!

筆者撮影

モンベルの2024年秋冬新商品を冬山で使って実験してきました。

氷点下に満たない環境下でのハイクアップだと、暑がりの筆者は暑く感じました。

ですが寒がりの方や、-10℃いくような環境下で使用する場合には、かなり使いやすい行動着になるのではと感じます。

とにかく軽量性を追求したことがうかがえるEXライトサーマラップパーカは、モンベルの理念「Light&Fast」を体現したジャケットだと言えるでしょう。