登山について回るのがその楽しさが天気に左右されるということではないでしょうか。天気が良ければ道中の森林浴も気持ちいいですし、山頂からの眺めもとても綺麗です。
一方、天気が悪い日に登山に行ってしまうと山頂からの景色が全くないどころか、滑落や落雷の可能性もあり大変危険です。
「麓の天気が良いから登山に来たのに、実際に登山をしてみたら雨だった」という経験をした方もいるのではないでしょうか。
山の天気は変わりやすい事と、標高の関係から普段見ている天気予報でなく登山専用の天気予報を見る必要があります。
本記事では、そんな気になる登山の天気をチェックする際に使う、おすすめ登山天気予報を無料の天気サービスも含めて比較します。
登山初心者にわかりやす「てんきとくらす(お天気ナビゲータ 登山ナビ)」
最初に紹介するのは「てんきとくらす」。
日本気象株式会社が運営している無料で山の天気を確認できるwebサイトです。
てんきとくらすの特徴はわかりやすいこと。
それぞれの山の3時間毎の状況を降水量、風速、雲量を総合的に判断し「登山指数」として公開しています。結果はA〜Cでランク付けしてあるので、一目で山のコンディションを把握することができます。
そのわかりやすさからおそらく「てんきとくらす」が最も多くの登山者に閲覧されている天気アプリだろうと思います。
ただし「てんきとくらす」を使用する場合、注意すべきことがいくつあります。
その一つが、「てんきとくらす」で出している登山指数は山頂の天気のみということ。
例えばアルプスなどの標高が高い山では「登山口は雨が降っているが、山頂は雲の上で晴れ」という場合がありますが、その場合山頂の登山指数を表示している「てんきとくらす」ではA判定となっています。
そのため、標高が高い山や天気が変わりやすい時期などは、A判定であっても道中では雲が多かったり雨が降ってきてしまったりという場合があります。
登山をするのであればしっかり登山道の天気まで確認したいという方も多いと思います。
そんな方におすすめなのが、「てんきとくらす」の登山指数の上部にある「お天気ナビゲータ 登山ナビ」です。
精度の高い情報がほしくなったら「お天気ナビゲータ 登山ナビ」
お天気ナビゲータ登山ナビには、月額110円のスタンダードコースと月額288円PROコースがあります。
288円の有料コンテンツとなるPROコースでは、登山日の日時を指定することでスタート地点からゴールまでのリアルタイムの天気を見ることができます。
さらに、過去24時間の降水量を基に算出した「ぬかるみレベル」も表示。登山道がどれだけぬかるんでいるのかを教えてくれます。
他にも登山ナビでは、1時間ごとに山頂からの眺めが良いかどうかを教えてくれる「見晴らし予報」や「てんきとくらす」ではカバーできていなかった3時間毎の雷の発生可能性を示す「発雷情報」、各山頂での星空の見やすさを雲量などから1時間毎に算出した「山の星空指数」も確認できます。
星撮影する登山者にも便利な星空指数
特に山の星空指数は、山小屋泊をした際に以前までは1時間毎にいつきれいに星空が見えるかチェックしていましたが、このアプリを使うことでそのような煩わしさがなくなりとても便利です。
スタンダードコースでも見晴らし予想や週間天気などは確認できますが、3日間先までしか確認できないことや(PROは10日間先まで可能)登山道天気やぬかるみレベルが表示できないなどの違いがあります。
PROに登録する場合も一度スタンダードコースに登録してから、その後にPROコースに登録するという二度手間の登録をしなければいけないので注意しましょう。
「てんきとくらす」も無料なのにも関わらずかなり広い範囲の山をカバーしています。
特に登山で最も大事な風の予報に関しての精度は無料にも関わらず高いので、登山の際の天気の参考に重宝する天気予報サイトです。
プロのガイドも利用する「ヤマテン」
株式会社ヤマテンが運営する「ヤマテン」は、月額330円で山の天気を見ることができる国内で唯一の登山天気予報です。
登山ガイドや山小屋山岳撮影隊向けの法人向けサービスがあることからもわかるように、精度の高さに定評があります。
天気は気温、風向き、風速など6時間単位で翌々日まで見ることができます。
さらに天気予報は山岳気象に精通した気象予報士による解説がついており、具体的に今後の天気がどのように移り変わっていくかなどのコメントも確認できます。
提携している山小屋などからのライブ画像や山域周辺の天気図を基にした雨雲レーダー、落雷履歴などの専門性が高い図も一緒に表示してくれます。
そのため天気予報としての精度はもちろん、情報量も登山天気参考サイトの中では一番です。
さらに、天気が大荒れとなりそうな場合は前もってメールでアラート配信が来ますし、毎週木曜日には週末に天気がよくなる山域を発表。季節によっては雲海や樹氷が見られやすい山域についても発表してくれます。
天気が良い場所に登りたい気持ちはありますが、多くの場所の山の天気を調べるのは大変。
その点、ヤマテンのサービスはピンポイントで天気が良い場所を教えてくれるのでわざわざ天気を調べなくても天気が良い山がわかるので大変便利です。
天気予報がとても正確で重宝するヤマテンですが、唯一の欠点はカバー範囲が18山域59山に限られていること。
八ヶ岳やアルプスなどのメジャーどころはもちろんカバーしていますが、近場の山に登りたいというような場合はカバーできていない場合がほとんどです。
しかしそれもデータ入力で自動計算された天気予報が多い中で、ヤマテンではしっかりと気象予報士が山特有の気象条件や地形などを徹底的に検証して作った予報だからこそ。
月にカバー範囲の山を2、3登る場合や、カバー範囲の山を縦走する場合にはとても重宝する登山天気予報です。
対象の18山域
- 利尻/大雪
- 十勝/飯豊
- 朝日
- 尾瀬
- 谷川
- 奥秩父
- 丹沢
- 富士山
- 八ヶ岳
- 北ア北部/北ア南部/中央ア/南ア
- 大峰
- 台高
- 大山
- 石鎚
- 九重
- 阿蘇/屋久島
tenki.jp(登山天気)
以前は国の機関であった日本気象協会が提供する無料の天気サイトとアプリです。
現在は一般社団法人となっていますが、元々国の機関であっただけあって無料版にも関わらず精度は高いです。
しかし無料版で見ることができるのはあくまで麓の天気まで。
標高毎の風予報などは出ていますが、登山道や山頂の天気はわかりません。
登山口から山頂の天気がわかる「登山天気アプリ版」
山頂や登山口などのより詳しい天気を知りたい場合は、月額240円の有料版のアプリ(tenki.jp 登山天気)に登録しましょう。
有料版では山の麓はもちろんのこと、登山口や山頂の天気、降水確率、最高・最低気温、落雷の可能性や紫外線情報などを表示できます。さらに高層天気図も確認できるので幅広い範囲の天気も確認できます。
それぞれの山の天気は10日間先まで確認できるため、週末の山の計画を立てる際にも役立ちます。
向こう2日間までは大雑把な天気だけではなく、3時間毎の天気も細かく見ることができるので当日もしっかりサポートできるアプリです。
範囲も日本三百名山を全てカバーしているので、登りたいと思った山は大抵カバーできているので安心できるアプリです。
まとめ
今回紹介したアプリを表にまとめると下記のようになります。
サービス | 料金 | 精度 | 範囲 | 媒体 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
てんきとくらす | 無料 | △ | ◎ | webサイト | 山頂の天気のみ |
お天気ナビゲータ 登山ナビ | 月288円 | ◯ | ◯ | webサイト | 見晴らし予報や星空指数あり |
ヤマテン | 月330円 | ◎ | △ | webサイト | 気象予報士の解説などあり |
tenki.jp | 無料 | △ | ◎ | webサイト | あくまで麓の天気のみ |
登山天気 | 月240円 | ◯ | ◎ | アプリ | 登山口、山頂別の表示。 高層天気図などあり。 |
どの登山天気サービスも一長一短あるので、一つのアプリに頼り切ってしまうのではなく、複数のサービスを併用し自分の体力や経験なども総合的に判断して登山に行くかどうかは決めるとよさそうです。