香川県にある金刀比羅宮は海の守護神、こんぴらさんの愛称として全国各地から多くの人が訪れていますが、1368ある長い石段を登りながら参拝します。
しかしその長い階段の先に更に山頂への登山道が続いていて、桜の名所になっていることはあまり知られていません。
春になると800本もの桜並木がピンク一色になり、山頂展望台からは讃岐平野や瀬戸内海の景色が一望できます。
こんぴらさんの奥社のさらに先へ。
616mの大麻山(おおさやま)への参拝登山案内です。
表参道ルート
コースタイム(往復) | 体力レベル | 技術レレベル |
3時間30分 | ★★☆☆ | ★☆☆☆ |
大麻山登山道(表参道)へのアクセス方法
公共交通機関(JR、ことでん)
JR土讃線琴平駅下車、ことでん琴平線琴平駅下車
マイカー
高松自動車道善通寺ICから国道319号経由、約15分
駅周辺の駐車場を利用
今回ご紹介する大麻山は主に2つの登山ルートがあります。
一つ目はこんぴらさん表参道である長い石段を登って、奥社から山頂へ続く道を利用するルートです。
参拝しながら登山できるのですが、正月三が日は周辺の道路や参道が大混雑します。
通常なら2時間ぐらいの参拝時間が3時間4時間かかってしまい、更に山頂へ向かうとなると1日がかりになってしまう可能性もありますので、出発時間を早めるなど時間調整が必要でしょう。
二つ目は表参道とは逆から登るルートです。
大麻山は山頂付近まで車道が整備されていて、その近くにはキャンプ場もあります。
そのキャンプ場まで車で行き、そこから歩くと40分程度で山頂に辿りつけます。
今回は表参道からこんぴらさんに参拝しながら山頂を目指すルートをご紹介しますが、別ルートで最短距離で頂上まで登山できるキャンプ場ルートも記事最後に少しご紹介します。
金刀比羅宮奥社まで参道を通る
こんぴらさんへ参拝する時にはJR琴平駅と琴電琴平駅、2つの最寄り駅があります。
駅から少し歩いた所にある高さ27mの高燈籠は、かつて灯台の役目として瀬戸内海を航海する船の指標として建てられました。
高燈籠から5分程歩くとお土産屋さんが立ち並ぶ通りに入ります。
香川名物の讃岐うどんのお店やお土産屋さんが多いのがこの周辺で、いつも多くの観光客で賑わっているエリアです。
そして更に進むといよいよ1000段以上続く石段のスタートです。
石段の両脇にも小さなお店が上までずっと続いていますが、途中にある大門をくぐった先は実はお店はありません。
しかし特定の5軒のお店だけが「特別」に物を売る事が許可されています。
それがこの五人百姓のお店です。
5つの白い大きな傘が目印で、古くからこんぴらの名物だった加美代飴はここでしか購入できません。
鳥居をくぐってまっすぐな道の先にある広場にあるのが、このこんぴら狗です。
江戸時代にこんぴらさんに参拝できない人が、代わりとして犬を預けて参拝させたのが名前の由来だそうです。
広場の左側には神馬とされる2頭のお馬さんがいますが、ちょっと恥ずかしがり屋の為かこちらになかなか振り向いてくれませんでした。
この広場にお手洗いもあります。
立派な虎の大絵馬がある社務所門を階段を更に登っていきます。
この先、参道石段628段にあるのが旭社で、総欅材造りの2層入母屋造銅瓦葺き、1837年に建てられた重要文化財です。
そして785段、金刀比羅宮の本宮に到着です。
境内にある高台からは特徴的な山々が連なる讃岐平野が一望でき、真正面に讃岐富士がどっしりと佇んでいます。
多くの参拝客はここで引き返すのですが、山頂を目指すべく本宮右側から奥社への参道を登っていきましょう。
奥社への参道は今までと違って狭くなりますが、行き交う人も一気に少なくなります。
小鳥の囀りが聞こえる静かな参道を進んだ先、1368の石段の一番奥にある奥社に到着です。
奥社から大麻山登山道へ
お参りしたあとは、少し戻って大麻山への登山口へ入っていきましょう。
最初の下り坂が少し荒れていますが、そのあとは整備された登山道になります。
ただ夏場は草木が生い茂っている個所があり、一部藪漕ぎ状態になるので注意してください。
なだらかな登坂を進むと分岐点に差し掛かかり、龍王社という祠があります。
この分岐点を右に進んでしばらく坂を登っていくと、桜並木通りになります。
ボタンザクラをはじめとしてソメイヨシノやヤマザクラの花見スポットで、それぞれに開花時期が微妙にずれているので、春の1カ月間花見を楽しむことができます。
そして桜並木を通りすぎて左にある電波塔の先が大麻山山頂になります。
山頂周辺の展望はあまり良くありませんが、もう少し歩いた所にある展望所からの景色は格別ですよ。
讃岐富士こと新日本百名山の「飯野山」、満濃池、瀬戸大橋など讃岐平野から瀬戸内海にかけて大パノラマが広がっています。
景色が見渡せる所にはベンチが複数設置されていますので、絶景を満喫したあとは元の道を戻りましょう。
キャンプ場を経由して山頂展望台へ
この大麻山周辺はハイキングコースとしても整備されていて、中腹にあるキャンプ場からだと片道30分程度で頂上まで行く事ができます。
トイレがあるキャンプ場に車を停めて車道を20分程歩くと閉まったゲートに着くので、ここからは左にある階段を登っていきます。
急な登り坂ですが道は綺麗に整備されています。
そして15分ほどで山頂展望台に到着です。
まとめ
大麻山はかつて麓で麻が多く栽培されていたことが山名の由来になっていますが、その山麓一帯には多数の古墳が点在しています。
キャンプ場や桜並木などは地元の方にとっての憩いの場でもあり、金刀比羅宮は秋の紅葉シーズンや例大祭に合わせて石段をかけ登る「こんぴら石段マラソン」が開催されるなど、年間400万人が訪れる四国でも代表的な観光名所となっています。
歴史と文化が溢れる山「大麻山」への登山案内でした。