【北アルプスの名峰】双六岳を一泊二日で行くコース詳細

山紹介

双六岳(すごろくだけ)は北アルプスの中でも岐阜側に位置する山で裏銀座と言われる山域です。

双六岳は槍ヶ岳に続く西鎌尾根と鷲羽岳、水晶岳、黒部五郎岳、雲の平に続く三俣蓮華岳の分岐点にあります。

どちらも登山者が「いつかは行きたい」と憧れるルートがあるのです。

目次

双六岳のコース

出典:ヤマプラ

双六岳を目指す一般的なコースは新穂高温泉から入山し、小池新道を経て鏡平(2280m)まで登り、双六岳(2846m)を目指します。

体力に自信の無い方は無理せずに鏡平山荘で一泊するのもおすすめです。

1日で約1700m標高を上げるため楽な行程ではないのですが、小池新道はとても綺麗に整備されている登山道です。

コースタイム(片道)体力レベル技術レベル
7.5時間★★★☆★☆☆☆
Yamarii登山グレード

新穂高温泉へのアクセス

新穂高温泉は双六小屋だけでなく、笠ヶ岳、西穂高にも行ける登山口です。

そのため無料駐車場は前日から混雑する事があります。

東京、新宿からの新穂高温泉

関西、大阪からの新穂高温泉

駐車場

新穂高温泉には日帰りを目的とした有料の駐車場と、宿泊が伴う登山の利用を目的として駐車場が2つあります。

登山利用の場合は無料の県営公共駐車場を利用しましょう。

この日は平日の午前5時頃到着したにも関わらず、殆ど満車状態で僅かなスペースに停めることになりました。

深山荘の駐車場が併設されていますが、深山荘の宿泊者駐車場に停めないようにしましょう。

観光案内所で登山届を提出

駐車場から10分ほど歩くと、笠ヶ岳の雄大な景色の前に観光案内所が見えてきます。

登山届の提出と、登山道や天気情報を得ることもできます。

また、綺麗なトイレや自動販売機もあります。

林道を歩いて、わさび平小屋へ

双六岳に向かう中で最も苦行と言われる1時間の林道歩きがあります。

わさび平小屋まで関係車両が通行できるため歩きやすいですが、とにかく長く単調な道が続きます。

風穴からの冷気

林道にも登山者の味方となるスポットである、風穴があります。風穴は岩の間から冷気がでており天然のクーラーです。

この林道には風穴が多く夏でも登山道を冷やし続けています。風穴が出ている場所は落石の可能性があるためあまり近づきすぎないようにしましょう。

笠新道の登山口

笠新道の登山口が見えてくるとわさび平小屋までもうすぐです。

笠ヶ岳の最短ルートである笠新道は、ここから6時間半の登りがる厳しい登山道です。脇には湧き水が出ています。

わさび平小屋

新穂高温泉から1時間ほどでわさび平小屋に到着します。

わさび平小屋は北アルプスの天然水で冷やされた野菜や果物が販売されています。

また、わさび平小屋は宿泊可能な山小屋でお風呂も付いています。

ここから小池新道に入り、本格的な登りになるためエネルギー補給をしっかりして進んでいきます。

鏡平までの登りは歩きやすい

秩父沢出会

小池新道は岩稜帯が続くのですが、傾斜もキツくなく、よく整備されておりとても歩きやすい登山道です。

秩父沢出会いは雪解け水が沢になっており、寒いぐらいの冷風と沢の水で火照った体を冷やしてくれます。

地図上では複数水場があるのですが、この時は沢以外の水場は枯れており鏡平まで補給できませんでした。

シシウドヶ原(熊の踊り場)

シシウドヶ原

シシウドヶ原まで上がってくるとベンチがあり、穂高連峰、焼岳、乗鞍岳を見渡すことができます。

ここまで来ると鏡平まで残り1時間の距離です。

殆ど日陰ない登山道のため直射日光が普段より体力を奪います。日傘を利用している登山者も多くいました。

鏡平から槍ヶ岳を望む

鏡池

鏡池に上がると一気に視界が開け槍ヶ岳と槍ヶ岳に続く、西鎌尾根(槍ヶ岳より左側)と大キレット(槍ヶ岳より右側)、穂高連峰が見渡せます。

鏡池は天候がよければ逆さ槍ヶ岳が映り込むことで人気なスポットです。

鏡平山荘の名物かき氷

鏡池の名物であるかき氷は夏の登山者には欠かせないでしょう。この日は猛暑だったこともあり、通過する多くの登山者が注文していました。

かき氷の氷は松本から空輸しているそうで、水っぽい感じはなくシャキシャキです。

これで700円(トッピングで+200)安すぎませんか?

弓折分岐からの尾根歩きを楽しもう

弓折分岐頂上

双六小屋までの最後の登りである、弓折分岐を登ります。

距離は短いのですが今日一番の急登が1時間続きます。ここまで来れば、尾根歩きで険しい登りはありません。

雪田花見平

花見平からの双六岳

弓折分岐から双六岳までの尾根歩きは午前中からの厳しい登りからは想像できないほどの景色が広がっており、双六岳とお花畑を見渡せます。

双六岳は貴重な高山植物が多く、花の百名山にも選ばれているほど様々な花を見ることができます。

そのため写真好き、花好きがいると全然ペースがあがりません。

双六小屋と鷲羽岳

登山を開始して9時間。ようやく双六小屋と宿泊予定地のテント場が見えてきました。

双六小屋の後ろに見える大きな山は日本百名山の鷲羽岳です。

山頂は双六小屋から1時間ほどで小屋の左側の斜面を登っていきます。

双六池

コロナ禍の影響でテント場は完全予約制となっており、埋まっていないか心配でしたがしっかりとテントを張れるスペースがあり安心しました。

山頂から約300m下にテント場があります。

  • 水場:あり(無料)
  • トイレ:有り
  • テント場の地面:ペグが刺さりやすい砂利

双六岳山頂へ

双六岳へは翌朝向かいました。

残念ながら非常に濃いガスが立ち込めており、眺望は一切ありませんでした。

が…

日の出と同時にガスがサッーとはけ、槍ヶ岳がお出迎えしてくれました。

双六岳は「ここが山頂」といった目立った場所はないのですが、平の先に見える槍ヶ岳は見ごたえがあり槍ヶ岳の雄大さを伺えます。

体力は必要になりますが危険な箇所もないためテント泊での北アルプスの挑戦やステップアップに双六岳はいかがでしょうか?