【2022春夏】ワークマンの夏山登山に使える長袖Tシャツを徹底比較

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ワークマンの夏山登山に使える長袖Tシャツを徹底比較

筆者撮影(常念岳~常念小屋へ向かう道)

暑い夏の登山、「半袖を着たいけど日焼けが気になる」、「長袖Tシャツで快適なものってどれ?」とお悩みのあなたにおすすめしたいのがコスパ最強ワークマンの長袖Tシャツです。

とは言え種類が多すぎてどれがいいのか分かりませんよね。

今回は登山で使えそうな機能を備えた長袖Tシャツを厳選し、すべてを低山・高山で試してきました。

夏登山ウェアの参考にしてみてください。

価格サイズ展開色展開重量素材品番
接触×持続冷感 -1℃長袖Tシャツ¥780S, M, L, LL,3Lホワイト, ブラック, シルバー杢, オレンジ杢, ネイビー, ブルー杢164g複合繊維(ポリエチレン/ナイロン)50%
ポリエステル50%
1359
冷感リフレクティブフランク長袖Tシャツ¥780S, M, L, LL,3Lスミクロ, ネイビー杢, サックス杢, グレー杢, オレンジ杢, パープル, ホワイト148gポリエステル100%1313
遮熱-5℃クライミング長袖Tシャツ¥980S, M, L, LL,3Lジオホワイト, ブラック杢, グレー杢, ブルー杢, カーキ杢, キャメル杢156gポリエステル100%1346
ZERO DRY NEO遮熱-5℃長袖Tシャツ¥980S, M, L, LL, 3Lブラック, ネイビー, シルバー, カーキ, ブルー, オレンジ165gポリエステル65%
ポリプロピレン35%
1452
価格はすべて税込み

接触×持続冷感-1℃長袖Tシャツ

シルエット

筆者撮影(身長163cm女性, Sサイズ着用)

シルエットは比較的ゆったりしています。

筆者撮影

肩回りはラグランスリーブになっており、肩の上げ下げが楽でザックのショルダーベルトとも干渉しません。

ポケットなどはなくシンプルな見た目で、登山以外のスポーツでも使用できそうです。

筆者撮影

ちなみにロゴについては裾部分にタグが付いており、「Find-out」のロゴが付いています。

小さめなのでそこまで気にはなりません。

おすすめポイント:持続する接触冷感EXTREME ICE

筆者撮影(シャツ裏面)

接触×持続冷感-1℃長袖Tシャツは裏面に「EXTREME ICE」というナイロンとポリエチレンという2つの繊維を使っています。

ナイロンの特徴

  • 熱伝導性が低い
  • 肌に触れたときに、肌面の熱を奪う

ポリエチレンの特徴

  • 水を吸わない疎水性

ナイロンの接触冷感性にポリエチレン+ポリエステルによる汗をすぐに吸収・拡散してくれる力により、汗をかいている間気化熱によって涼しさが感じられます。

残念なポイント:日光の下であまり涼しさを感じない

筆者撮影(常念小屋テント場)

遮熱性がないためか、晴れた北アルプスの常念岳山頂(標高2,857m)で座っていたところ、かなり熱さを感じました。

黒色を着ていたこともあるのですが、蓄熱されている感覚があり常念小屋に着いてからもしばらくシャツは熱いままでした。

ホワイトなど明るめの色を選べば改善されるかもしれません。

ですが黒など濃色の色を着てアルプスの稜線上など長時間直射日光にさらされる場所での使用はオススメできません。

使うとしても樹林帯を抜けない低山メインが良いでしょう。

山で着てみてレビュー

筆者撮影(常念岳山頂)

北アルプスの蝶ヶ岳~常念岳の稜線歩きで使用してみました。

着た瞬間はヒンヤリ感があり、接触冷感性はあるように感じます。

ただ着ている間ずっとヒンヤリしているという感覚はなく、冷感性は30分もしないうちに落ち着きました。

接触冷感は肌に生地が触れたときに「冷たい」と感じる機能ですが、サイズ感がゆったりめということもあって生地が肌に触れる機会が少なく、結果として冷感性を感じにくかった可能性があります。

検証日のコンディションは歩き始め2時間ぐらいは小雨がぱらつき、雨がやんでからはガスが出ている状況でした。

歩いている間はレインウェアを着ていましたが、蒸れにより汗でべたつく感覚はなかったです。

ポリエチレンの疎水性のおかげで肌面はドライに感じられました。

常念岳の尾根にとりつく頃になると日差しも出始め、シャツ1枚で行動します。

日光に当たっていると暑さを感じ始めるようになりました。

常念岳山頂に着いてからしばらくジッとしていたところ、太陽光からの熱を吸収してTシャツの生地自体がかなり熱くなりました。

その後も蓄熱されて常念小屋に着いてからもしばらく熱かったです。

先述の通り白色を選べば避けられるかもしれませんが、晴れたアルプスの稜線歩きなど長時間日光にさらされる場合は、着用をおすすめしません。

ですが大汗をかくような低山であれば冷感性を感じられるでしょう。

総評

接触冷感性★★★☆☆
冷感性の持続★★☆☆☆
ドライ感★★★☆☆
吸水性★★★★☆
総合的な快適性★☆☆☆☆

着た瞬間の接触冷感性は感じるものの、商品名で謳っているほどの持続性は感じられませんでした。

とは言え汗をかいたときのベタツキ感はなく、その点での着心地は悪くなかったです。

総合的な快適性を★1つにしたのは、直射日光に当たった時にTシャツ自体に熱さを感じたためです。

選んだ色の問題もあったかもしれませんが、登山用で選ぶ場合は遮熱効果のあるものの方が良いでしょう。

冷感リフレクティブフランク長袖Tシャツ

シルエット

サイズ:S(身長163cm女性)

冷感リフレクティブ長袖シャツもゆったりしたシルエットになっています。

身幅が少し広いように感じますね。

肉感のある生地で下着の透けなどは気になりません。

裾は後ろ側がやや長いデザインです。

筆者撮影

肩部分はセットインスリーブになっており、肩の頂点部分に縫い目がきています。

裏面の縫い目はフラットになっていないのでゴロツキを感じる方もいるかもしれません。

筆者個人的には60リットルの大型ザックを背負っていましたが、痛みや不快感は感じられませんでした。

筆者撮影

胸元に「Find-out」のロゴがあり、脇腹と背中部分にもラインが入っています。

いずれも車のライトなどを反射して光る再帰反射プリントを使用しています。

夜間のランニングなどで役立つ機能ですね。

おすすめポイント:吸汗速乾+冷感性のある生地

筆者撮影

ワークマン独自の吸汗速乾+冷感性のある「Quick ice」という生地が使用されています。

接触冷感性はありませんがポリエステル100%の素材でできているため、汗を吸って素早く広範囲に拡散し、気化熱を促進してくれます。

汗をかいても肌面に貼りつく感じはなく、ベタツキは感じられませんでした。

さらにUVカット率90%の機能も備えているため、夏の登山でも日焼けを気にせず歩くことができますね。

残念なポイント:肉感があるので暑く感じる

筆者撮影

他に紹介している3つのTシャツと比べると肉感があるため、低山など標高の低いところだと暑く感じます。

汗をよく吸ってくれますが、それによる涼しさはあまり感じられませんでした。

寒がりの方が夏山で着る分には良いかもしれませんが、暑がりの方にはオススメできません。

山で着てみてレビュー

筆者撮影(前常念岳までの稜線)

北アルプス常念岳~三股まで標高差約1,300mのルートで検証してみました。

この日は朝からよく晴れており、下山まで終始気温の高い1日でした。

森林限界を超えている間は汗をかいてもべたつく感じがなく、汗冷えによる肌寒さもありません。

4時間程森林限界を超えたところを歩いていましたが、暑い・寒いなどの不快感は感じませんでした。

ですが樹林帯に入り標高を下げるにつれ気温・湿度が上がり始めると、蒸し暑さを感じるようになりました。

通気性が感じられず、熱がこもっている感じがします。

夏の高山での着用は良いですが、低山での着用だと通気性がなく蒸れそうです。

総評

接触冷感性☆☆☆☆☆
冷感性の持続☆☆☆☆☆
ドライ感★★★★☆
吸水性★★★★☆
総合的な快適性★★☆☆☆

接触冷感性は機能的についておらず、実際に着用しても感じられませんでした。

よって冷感性の持続も感じられません。

汗をかいてもサラッとドライな質感でベタツキは感じられず、着心地は良かったです。

ただ肉厚な素材による通気性の少なさによって、標高が低いところでは蒸し暑さを感じました。

高山では活躍してくれそうですが、樹林帯での不快感を考慮して総合的な快適性は★2つとしています。

遮熱-5℃クライミング長袖Tシャツ

シルエット

サイズ:S(身長163cm女性)

遮熱-5℃クライミング長袖Tシャツもゆったりめのシルエットです。

胸元のポケットがスポーツライクな印象でスマートフォンやエナジーバーなどを収納できます。

袖はラグランスリーブになっており、縫い目が肩の頂点部分にきていません。

これによってザックを背負ったときのゴロツキや不快感が軽減されます。

そしてこの遮熱-5℃クライミング長袖Tシャツ最大の特徴が脇腹部分のメッシュです。

通気性の高いメッシュ部分から風が抜けてくれることによって涼しさを感じ、シャツ内の蒸れも放出してくれます。

おすすめポイント:抜群の通気性と持続する涼しさ

シルエットのところでも述べた通り、脇腹部分がメッシュになっているため、風通しが良いです。

シャツ内の蒸れも放出されるため、ベタツキはなくドライな質感が続きます。

またボディ部分の生地にはポリエステルが100%使用されているため、吸水速乾性にも優れ、気化熱による効果で汗をかけばかくほど涼しくなるんです。

ただし遮熱-5℃クライミング長袖Tシャツ1枚で着ると汗冷えをしてしまうため、下に速乾性のあるアンダーウェアを着用しましょう。

残念なポイント:ポケットの色

機能的には申し分ないのですが、ポケットのデザインが少し残念に感じます。

胸ポケットが付いていることでスポーツテイストが全面に出るため、手持ちのウェアと合わせるのが難しいです。

どの色のシャツを選んでもポケットは黒色になるため、せめてボディ部分の色と近しい色になっていたらスポーティ感は抑えられたように感じます。

山で着てみてレビュー

6月酷暑の伊吹山で検証してきました。

伊吹山は低山ながら3合目を超えると木がなくなり、夏の時期には山頂までずっと直射日光に照らされることになります。

登り始めすぐの樹林帯では蒸し暑さを感じましたが、シャツをパタパタして風を送り込むと脇腹のメッシュから蒸れが逃げてくれたため、不快な蒸れは感じませんでした。

3合目を超えて木がなくなると、日差しが強く照りつけます。

ただ「遮熱-5℃」の名前の通り、太陽光の熱線によるシャツ表面の温度上昇は感じません。

腕まくりして肌を出している部分よりも、シャツに覆われている部分の方が涼しく感じるぐらいです。

汗をかいてくると広範囲に拡散され、気化熱による涼しさも感じられました。

着始めの接触冷感性こそありませんが、総合的に見て着心地は抜群に良かったです。

総評

接触冷感性☆☆☆☆☆
冷感性の持続★★★☆☆
ドライ感★★★☆☆
吸水性★★★★★
総合的な快適性★★★★★

ポリエステル100%で接触冷感性はないため、汗をかくまでヒンヤリ感は感じられません。

ですが脇腹から風が抜けてくれるおかげで蒸れはありませんし、汗をかき始めると気化熱により涼しさが持続します。

汗をかいてもベチャッと貼りつく感じはなく、ドライな質感です。

アルプスなど高山で着る場合は下に吸汗速乾性の高いインナーを合わせれば、より快適に汗冷えの軽減もできると思います。

夏の低山でも高山でも活躍してくれる逸品です。

ZERO DRY NEO遮熱-5℃長袖Tシャツ

シルエット

サイズ:S(身長163cm女性)

シルエットは先に紹介した3つに比べるとややタイト目な印象です。

サイズ:S(身長163cm女性)

先に紹介した3つと違うのは、裾の後ろ側が長めのサイクルカットになっていることです。

これによりかがんだ時に腰が見えにくくなります。

肩の縫い目はラグランスリーブになっており、縫い目が肩の頂点部分に来ていません。

これによりザックを背負ったときのゴロツキ感が軽減されています。

ポケットは左脇腹部分に1つ付いています。

サイズ的にはスマホが問題なく入るサイズになっています。

ザックのヒップベルトとは干渉しないのですが、スマホなど大きいものを入れた状態でヒップベルトを付けはずしする時にポケットの中身をいちいちずらさないといけないため、その点が面倒に感じました。

鍵や小銭など小さめのものの収納にはおすすめです。

おすすめポイント:汗冷えしにくいドライな素材

ZERO DRY NEO遮熱-5℃長袖Tシャツにはポリエステルとポリプロピレンという2種類の繊維が使用されています。

ポリプロピレンが裏面(肌面)に、ポリエステルが表面に来るようになっているのがポイントなんです。

疎水性(水を吸わない)の性質を持つポリプロピレンが肌面の汗を素早く表面の生地に上げてくれます。

そして水分の吸水・拡散性に優れるポリエステルが吸い上げられた汗を広範囲に拡散してくれることによって、サラッとドライなタッチが続くのです。

また肌面のポリプロピレンがブロック状に配置されているため、肌とシャツが点接触になります。

点接触になることによって汗をかいてもベタっと貼りつかないため、ドライな着心地が持続します。

とにかく肌面をサラサラに保つことが大きな特徴のシャツなのです。

残念なポイント:ほつれやすい生地

山で新品を着ていた際、枝に引っ掛けたときにほつれてしまいました。

フワッと柔らかな質感ではあるのですが、写真のように繊維が長めに出ていることもあって鋭利なものに引っ掛けるとほつれやすいかもしれません。

またテント泊装備など重めのザックを背負って着用し続けた場合、肩部分が擦れて毛玉ができやすい可能性もあります。

摩擦強度に関しては値段なりと思っておいた方が良いでしょう。

山で着てみてレビュー

筆者撮影(蝶ヶ岳山頂から常念岳方面)

7月の北アルプス、三股登山口~蝶ヶ岳までの登山で使用しました。

着た瞬間からヒンヤリ感があり、生地が肌に触れるたびに冷たさを感じます。

山頂手前2時間は階段の続く急登となるためかなり汗をかきました。

それでもシャツが肌に貼りつく感覚はなく快適です。

表側を触ってみると広範囲が濡れているため、ポリエステルが汗を拡散してくれていることが分かります。

山頂に着くまでずっと急登だったためかなり汗をかきましたが、それでも肌面はサラッとドライなままでした。

低山である六甲山でも検証しましたが、同じく汗をかいてもベタツキを感じずドライタッチが続きました。

また遮熱性のある加工も施されているため、直射日光にあたっていてもシャツの温度上昇を感じません。

アンダーウェアと合わせれば夏の低山~アルプスまで幅広く使えるTシャツです。

総評

接触冷感性★★★☆☆
冷感性の持続★★★☆☆
ドライ感★★★★★
吸水性★★★☆☆
総合的な快適性★★★★☆

着た瞬間の接触冷感性とその持続具合は今回紹介したTシャツの中で一番高いように感じます。

ポリプロピレン+ポリエステルが生み出す効果によって肌面はべたつかずサラサラ、表は汗を広範囲に拡散してくれるため気化熱による涼しさも得られるんです。

遮熱効果にUVカット機能も付いているため、夏の登山に最適な長袖Tシャツと言えるでしょう。

ZERO DRY NEO遮熱-5℃Tシャツはこちらの記事で詳しく紹介しています。

【2022最新】夏の登山におすすめ!ワークマンの長袖Tシャツをレビュー (yamarii.com)

夏山登山デビューはワークマンの長袖Tシャツがおすすめ!

筆者撮影

安いのに遮熱効果やUVカット機能、高い吸水速乾性、接触冷感などの機能が満載のワークマンの長袖Tシャツ。

「今年は屋久島のトレッキングに挑戦してみたい!」「職場の人に誘われたので、富士山に登る予定」といった今後登山を続けるかどうか分からない方にはまず一度試してみていただきたいです。

もちろんバリバリ登られている方も使って損はしない機能性になっています。

気になる商品はお店でチェックしてみてください。