【箱根・日帰り登山】ススキが見頃の旧東海道・箱根路ハイキングをレポート

山紹介

古くから東西の大動脈として栄えてきた東海道は、多くの旅人の移動を支えてきました。

その東海道屈指の難所が神奈川・小田原~静岡・三島間の「箱根越え」であり、今なおつづら折りの道が続く難路となっています。

ここでは、ハイキング・登山コースとして整備されている「箱根越え」のうち、箱根湯本駅を起点に神奈川県側を周回するコースを紹介したいと思います。

目次

アクセスと周辺施設

アクセス

大都市圏から近いため、電車・バスでのアクセスが充実しています。

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  • 【電車・バス】小田原駅より箱根登山鉄道「箱根湯本駅」下車。新宿駅からは小田急線「特急ロマンスカー」も直通。
  • 【マイカー】「箱根口IC」より国道1号経由で約2.5㎞。駐車場は箱根湯本周辺の民間コインパーキングを利用することになります。

周辺施設

  • 【コンビニエンスストア】箱根湯本の市街地に数店舗あり
  • 【トイレ】鉄道駅構内もしくは「函嶺(かんれい)洞門」に公衆トイレあり

箱根の紅葉

南関東に位置する箱根の紅葉は、10月下旬~12月上旬頃にかけて見ごろを迎えます。

観光地でもある箱根周辺の紅葉ハイシーズンには、毎年多くの人出で賑わいが見られます。

コース紹介

鎌倉の箱根越え:箱根湯本~湯坂路~芦ノ湯温泉

まずは標高100mの箱根湯本から、標高802mの浅間山を目指します。

静まり返った朝の箱根湯本の商店街を抜け、5分ほど歩いた場所にひっそりとハイキングコースの入口があります。

スタート直後から早速登りが始まりますが、30分ほどの地点にある湯坂城跡までの辛抱です。

湯坂城跡からはダラダラとした樹林帯の尾根道登りが続きます。

秋晴れの日差しに照らされ、ススキが黄金色に光っています。箱根・仙石原のススキ原は有名ですが、随所に秋のアクセントとなるススキの群生が見られます。

箱根湯本から2時間ほどでランドマークポイントとなる浅間山に到着です。

山頂にはベンチの他、気持ちの良い広場が広がっています。シートを出して休憩するのも気持ちがよさそうです。

浅間山を過ぎるとトレイルは一旦下りとなりますが、ほどなくして鷹巣山(834m)への登り返しが始まります。

鷹巣山からは気持ちの良い林道歩きとなります。10分ほど歩くと国道へ出ますので、そのまま歩道を進みます。

かつての箱根七湯の一つに数えられる「芦之湯温泉」を通過します。

首都圏の奥座敷の一つとして賑わう箱根にあって、ここは落ち着いた雰囲気のあるスポットです。

芦之湯温泉からは現在の東海道(国道1号)の最高地点を通過します。

お正月の箱根駅伝では、小田原でタスキを受け取った選手がここまで走って登る姿が印象に残ります。

山合いの池(精進池)や石仏群を抜けると、国道脇から再び道標に従いハイキングコースを進みます。

ここから箱根湯本までは下り基調のハイキングコースとなります。

木々が生い茂るコースを30分ほど進むと、旧東海道沿い「お玉ヶ池」に出合います。

11月中旬のお玉ヶ池

ここからは、「旧東海道・箱根越え」の印象が深い、江戸時代の旧街道をトレースしていきます。

江戸の箱根越え:箱根旧街道(石畳)

お玉ヶ池を過ぎると、次の目標「甘酒茶屋」を目指して進むことになります。

この付近には旧街道を思わせる石畳のハイキングコースが続いており、要所々々で江戸当時の石畳がそのまま利用されているそうです。

お玉ヶ池からは15分ほど歩くと、茅葺屋根が目印の甘酒茶屋に到着となります。

約400年前の江戸時代の旅人に思いを馳せながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

https://www.amasake-chaya.jp/

甘酒茶屋を出発すると、「猿すべり坂」を経由しながら、旧街道の難所「七曲り」に差し掛かります。

車道であってもヘアピンカーブが続く「七曲り」

当時は「橿木坂(かしのきざか)」とのいわれがあったそうで、旧街道中間点「畑宿」までの標高差約150mを一気に下っていきます。

車道とハイキングコースを交互に繰り返しながら、箱根路の石畳を下っていきます。

なお、苔の生えた石畳はとてもすべりやすいため、登山靴であっても油断できません。

旧街道を潜るように自動車道を建設した際、石畳を歩道橋に戻した「宙吊り石畳」を通過します。

東海道の一里塚を過ぎると、「箱根寄木細工」で有名な畑宿集落に到着です。

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箱根旧街道沿いの車道はバス路線となっており、グループ内等でアクシデント等が起きた場合は、各バス停からエスケープをすることが可能です。

この日は日没が迫ってきたため、畑宿から箱根湯本までバスで下ることにします。

下山後

箱根は温泉観光地であるため、今回のコースの起点である箱根湯本周辺での入浴や食事に困ることはまずないでしょう。

夕暮れの箱根湯本

電車・バスでのアクセスも良好なため、下山後は一日を振り返りながらのひと時を過ごすこともできます。

おわりに

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以上、首都圏近郊の温泉観光地であり、山岳景勝地である「箱根越え」のハイキングコースをご紹介いたしました。

涼しくなる秋は低山も歩きやすい陽気となるため、皆様も紅葉が近づく箱根に足をはこばれてみてはいかがでしょうか。