(2024.07.12更新)
日帰り登山でも山岳保険は必要?
日帰り登山でも山岳保険への加入をおすすめします。
アルプスなどの高山では転倒や滑落、天候不良による道迷いなどで遭難し、救助を要請するイメージがあるでしょう。
ですが低山でも道迷いや転倒・滑落は起こり得るんです。
低山は一般登山道ではない踏み跡が多く、標識も高山帯ほどは整備されていないため道に迷うことが多いです。
救助を要請して多額のお金がかかってしまいます。
不慮の事態を想定して、低山しか行かない場合でも山岳保険には入っておきましょう。
山岳救助にかかる費用イメージ
夏の北アルプスでソロ登山しているところをイメージしてみてください。
下山中、岩につまずいて転倒・滑落してしまいました。
脚を骨折しているようで動けず、幸い携帯の電波が通じたため警察に救助を要請しました。
このケースの場合、以下のような費用がかかってきます。
- 民間ヘリでの捜索:約165万円(2時間飛行)
- 救助隊の捜索費用:約45万円
- 入院日:約13万円(1か月を想定)
これだけでも合計で約223万円もかかってくるんです。
自分や家族にかかる負担を軽くするためにも、山岳保険への加入は大事です。
山岳保険の選び方
登山頻度で選ぶ
山岳保険には山に行くたびに入る「単発契約タイプ」と1年間単位で契約ができる「年間契約タイプ」の2種類があります。単発契約にするか、年間契約にするかは登山頻度で選びましょう。
- 単発契約タイプ:年に数回しか登山をしない方におすすめ
- 年間契約タイプ:月に1~2回は登山をする方におすすめ
山行スタイルで選ぶ
単発契約か年間契約かを選んだら、次は山行タイプを選びます。
一般登山道を歩くハイキングや軽登山なのか、アイゼンやピッケル、ザイルなどを使用する登攀要素を含む登山なのかによって保険タイプが変わってきます。
- 一般登山タイプ:一般登山道を歩くハイキングや軽登山をする方向け
- 本格登山タイプ:アイゼンやピッケルを必要とする雪山登山やアルパインクライミングなどの用具を使った本格的な登山をする方向け
単発契約タイプの山岳保険4選
モンベル 野遊び保険
アウトドアブランド「モンベル」が提供する単発契約タイプの山岳保険です。
出発当日からスマートフォンで申し込めるので、登山口までの移動中でも簡単に申し込めます。
捜索費用だけでなくケガによる入院などの保証も付属しています。
携行品損害補償がついているため、カメラを落として壊してしまったなど、お気に入りのギアを壊してしまった場合も安心です。
ドコモ アウトドア保険
通信会社のドコモが提供する山岳保険です。
ドコモユーザーでない方でもクレジットカードがあれば申込できますが、ドコモユーザーであればdアカウントを使って3STEPで申し込みが完了します。
ひと月の契約になるため、「今月は山に行く予定が多い」という方は1回申し込めば1か月は補償が適用されるので、加入忘れがなく安心ですね。
注意点としてライトプランには入院・通院・携行品損害が含まれないので、加入する場合はスタンダードプラン以上に加入するのがおすすめです。
ソフトバンク スポーツ・レジャー保険
ソフトバンクの・レジャー保険は1日単位での加入が可能なので、日帰り登山におすすめです。
2つのプランが用意されており、それぞれに補償額が異なるので事前にしっかり確認しておきましょう。
カメラなどの高額精密機械を持って行く場合は、携行品損害のある「しっかりプラン」を選んでおくと安心です。
申込時にはソフトバンクIDかYahoo!ジャパンIDが必要になるため、ソフトバンクユーザーでなければ申し込みしづらいのがデメリットでしょう。
セブンイレブン 1DAYレジャー保険
セブンイレブン1DAYレジャー保険は1日単位で最大7日間まで加入ができる保険です。
最大の特徴はセブンイレブンの店頭で保険加入ができることです。
店内設置のマルチコピー機を利用して契約・申し込みができるので、山へ行く前にコンビニに寄るついでに気軽に山岳保険への加入ができます。
ただ注意しないといけないのは、先に紹介した3つの保険に比べて補償項目が少ないことです。
手術保険金や携行品損害などは補償されていないので、自分がほしいプランに見合っているかどうか確認してから申し込みましょう。
比較表
年間契約タイプの山岳保険4選
YAMA 外あそびレジャー保険
登山地図アプリで有名なYAMAPからも山岳保険が登場しました。
7日間から入れる単発タイプもありますが、加入するなら年間タイプがお得でおすすめです。
捜索費用は最大300万円の補償、さらに登山中だけでなく日常のケガも補償してくれます。
家族でアウトドアを楽しむという方は、家族でまとめて加入するプランもあり、個人個人で加入するよりお得になります。
YAMAPの外あそびレジャー保険最大の特徴は、万が一遭難してしまったときのサービスです。
YAMAPが同じ日に、同じ山に登っていたユーザーに連絡を取り、遭難者の情報を募って捜索隊に共有してくれます。
利用者が多いYAMAPだからこそできるサービスで、日ごろからYAMAPを利用している人にとっては加入価値のあるサービスと言えるでしょう。
またYAMAPはアウトドア家財保険も提供しています。
アウトドア時の携行品だけでなく、水害などで家具が損傷を受けた際も補償してくれるんです。
外遊びレジャー保険には携行品補償が入っていないので、高価なカメラやギアに補償をつけたい方はこちらの保険の加入も検討してみてください。
モンベル 野外活動保険
アウトドアブランドのモンベルは単発契約タイプだけでなく、年間契約タイプも揃えています。
3つのプランを用意しており、自分の必要な範囲に応じて選べます。
モンベルの野外活動保険の特徴は、山に行っていないプライベートの時間も仕事中も補償されるところです。
プライベートの時間のみを補償する場合と、仕事中のケガも補償する場合とで保険料が変わってきます。
申し込みはwebからも可能ですし、モンベルの店頭でも可能です。
山に登る前の準備ついでに店頭で申し込めるのは便利ですね。
やまきふ 共済会
やまきふ共済会は救援者費用補償が強い山岳保険です。
登山計画書を提出しておけば業界トップクラスの1000万円の補償が受けられます。
登山スタイルに合わせて選べる3タイプがラインアップされており、一般登山の方は「やまきふ共済会」か「やまきふプラス」への加入がおすすめです。
「やまきふエキスパートプラス」はアイゼンやピッケルを使用する雪山登山やクライミングにも対応しているため、よりハードなアクティビティをされる方はこちらに加入しましょう。
jRO 日本山岳救助機構会員制度
jROは山岳救助のみに特化したサービスです。
会員が支払う年会費や、年度末ごとに支払う事後分担金(200円~300円)を元にして運営されています。
安全登山に関するコンテンツや、講習会なども充実しているので、「登山スキルを高めたい」という人にはおすすめです。
ただし他の山岳保険と違い、ケガや死亡保険、入院・通院、賠償責任などの補償は一切ありません。
自分で加入している保険で死亡保険や入院・通院が賄えるのであれば、山岳救助に特化したjROに加入するのもありですね。
比較表
山岳保険に加入して安心登山を!
単発契約タイプと年間契約タイプの山岳保険を紹介しました。
自然の中で楽しむ登山は、何が起こるか分からない危険性もはらんでいます。
何かあった時に落ち着いて対処できるよう、山岳保険への加入を是非検討してみてください。