登山の靴下はウール?ポリエステル?違いを徹底比較

ウェア・服

登山の靴下は何を履いてる?

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登山に行くときの靴下は、何を履きますか?

登山初心者の方だと、「普段履いているものを使っている」と言う方もいらっしゃるかもしれません。

ですが登山中はアウトドアブランドが出しているもので、クッション性のある分厚い靴下を履くのがおすすめです。

薄い靴下を履いて底が硬い登山靴で不整地を歩くと、足の裏が痛くなります。

クッション性のある分厚い登山用靴下を履くことで、足の裏への負担を軽減してくれるんです。

登山用靴下は、ポリエステルかウールのどちらかが使われているものが多いです。

それぞれの素材にどのような違いがあるのか、実際に登山で数日使って検証してきました。

ポリエステル素材の靴下モンベル「WIC. トレッキングソックス」

筆者撮影

ポリエステル素材の靴下は、日本の代表的アウトドアブランドであるモンベルの「WIC. トレッキングソックス」を使用しました。

2,000円以下という手ごろなお値段で、豊富なカラーバリエーションから選べます。

アクリルとポリエステル素材が多く入っていて、速乾性に優れる靴下です。

日本人の足に合うように設計されたパターンで、登山中でもずれ落ちにくく、ふくらはぎにしっかりフィットしてくれます。

価格1,870円
混率アクリル48%
ポリエステル23%
ナイロン20%
ウール7%
ポリウレタン2%
サイズ展開Women’s モデル:S, M
男女兼用モデル:S, M, L
重量84g
品番1118209
※価格はWomen’sモデルのもの

WIC. トレッキングソックスのおすすめポイント3つ

速乾性に優れる

筆者撮影

「WIC. トレッキングソックス」にはポリエステル素材が23%使われていて、速乾性に優れます。

肌面の汗をすばやく靴下の外側に吸い上げて広範囲に拡散してくれ、速乾性を促すんです。

夏場の登山では汗をかきますし、縦走登山ともなると雨で靴下が濡れることもあります。

ですがウールよりも乾きが早いおかげで、縦走中でも快適に使えます。

とはいえ厚みがあるので、薄手のポリエステル製靴下に比べると乾きは遅いです。

小屋泊の場合は濡れてしまったら乾燥室に干しておくと、翌日快適に使えます。

耐摩耗性が高い

筆者撮影(右は使用済み、左は未使用)

ポリエステル素材はウールに比べて耐久性が高いです。

擦れに強く毛玉ができにくいので、長期間毛玉や破れを気にせず使えます。

実際筆者が5年ほど使っているモンベルの「WIC. トレッキングソックス」がありますが、穴も開かずいまだに現役で使っています。

長く使用しているとさすがにクッション性はヘタってきますが、それでも登山で使用しても問題ないぐらいの厚みは維持してくれています。

抗菌防臭機能付き

筆者撮影

「WIC. トレッキングソックス」には、抗菌防臭加工が施されています。

汗をかくと臭いが発生しやすい合成繊維ですが、防臭加工を施すことで嫌な臭いの原因を抑えられます。

数日間同じ靴下を履く縦走登山だと、やはり臭いが気になりますよね。

不快な臭いを軽減してくれる嬉しい機能です。

ウール素材の靴下 ダーンタフ「ブーツフルクッション」

筆者撮影

ウール素材の靴下は、アメリカの靴下ブランドであるダーンタフの「ブーツフルクッション」を使用しました。

ウールが69%という高い割合で使われていて、ウール素材の良さを存分に感じられる靴下です。

アクティビティや季節に応じて靴下の長さや、厚みが選べるラインアップになっています。

価格3,850円
混率ウール69%
ナイロン27%
ポリウレタン4%
サイズ展開S, M, L
男性用、女性用モデルでそれぞれ展開
重量87g
品番19441405

ブーツフルクッションのおすすめポイント3つ

ニオイがしにくい

筆者撮影

ダーンタフの「ブーツフルクッション」は、ウールが多く使われています。

ウールにはもともと繊維自体に防臭機能が備わっています。

そのおかげで数日間同じ靴下を履いても臭わないんです。

ウールの繊維表面は「スケール」と呼ばれるウロコ状のもので覆われています。

そのスケールの内部にはアミノ基と、カルボキシル基という反応基が存在します。

その2つの反応基が汗の臭いの原因である酢酸とアンモニアと結合して、化学反応を起こし臭いを消してくれるんです。

天然由来の防臭機能なので、ポリエステル素材と違って洗濯しても機能が低下しません。

適度な保温性がある

筆者撮影

ウールの繊維には細かい縮れがあります。

この縮れた繊維と繊維の間に空気を含み、その空気が断熱材の役割を果たしてくれるため温かいです。

さらにウールの繊維が靴下内の水分を吸い取って放出してくれるため、暑くなりすぎず適度な温かさに保ってくれます。

夏の暑い季節に履いても蒸れにくく、靴下内を快適な状態でキープしてくれます。

生涯保証付き

筆者撮影

ダーンタフの靴下のすごいところは、生涯保証がついていることです。

もし通常の使用で穴が開いたり、破れたりしても、靴下を送れば新品と交換してくれます。

このサービスは強度の高い靴下であるという自信に裏打ちされたものです。

ウール100%であれば耐摩耗性が低いため、すぐに穴が開いてしまうでしょう。

ですが強度に優れるナイロン素材を混紡して、高密度に編み上げているため強度と耐摩擦性を上げているんです。

ポリエステル製靴下の気になる点2つ

大量に汗をかくとシットリ感がある

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ポリエステル製の靴下は速乾性に優れますが、夏の低山などで大量に汗をかくとシットリする感覚はあります。

ウールの靴下に比べると早く乾いてくれますが、それでも履いている間の不快感は否定できません。

生地が分厚いので仕方がないことですが、汗の量が多い方は速乾性に期待しすぎないようにしましょう。

数日履くと臭う

筆者撮影

ポリエステル製の靴下は抗菌防臭加工が施されているものが多いですが、それでも数日同じ靴下を履いて縦走登山をすると臭います。

また薬剤を塗布して加工しているため、洗濯や使用を繰り返すと機能は落ちていってしまいます。

防臭加工に期待して買って、いざ縦走登山で使ってみるとガッカリすることもあるかもしれません。

臭いが気になる場合はウールの靴下がおすすめです。

ウール製靴下の気になる点2つ

毛玉ができやすい

筆者撮影(右は使用済み、左は未使用)

ウールは毛羽立ちのある繊維なので、摩擦により毛と毛が絡まって毛玉になりやすいです。

使用中は仕方がないですが、洗濯するときは裏返しで洗ってケアしてあげましょう。

乾きが遅い

筆者撮影

ウールはポリエステルに比べて乾きが遅いです。

濡れてしまっても保温力は落ちませんが、シットリとした不快感はぬぐえません。

縦走登山の小屋泊で履く場合は、乾燥室を使ってできるだけ乾かしてあげましょう。

ポリエステル製の靴下でも同じことが言えますが、テント泊の場合は替えの靴下を1足持って行くと安心です。

実際に登山で履いて違いを検証

モンベルの「WIC. トレッキングソックス」とダーンタフの「ブーツフルクッション」を実際に山で履いて検証してきました。

8月の槍ヶ岳登山、2泊3日の行程で新品の靴下を片足ずつ履いて試しました。

フィット感としてはどちらも遜色なく、ぴったりとフィットしてくれます。

歩いている最中のずり下がりや、かかとの余りも感じませんでした。

1日目

筆者撮影

曇りで湿度が高いコンディションでした。

新穂高温泉から槍平小屋まで約5時間行動しましたが、アップダウンは少なかったので発汗量は少なかったです。

歩いている最中、ダーンタフの「ブーツフルクッション」は若干しっとりとしている感覚がありました。

ただテント場に着いて触ってみたところ、濡れているわけではなかったです。

モンベルの「WIC. トレッキングソックス」は終始ドライなタッチで、不快感は感じませんでした。

臭いは初日の段階ではどちらも気になりません。

2日目

筆者撮影

2日目は槍ヶ岳まで飛騨乗越をハイクアップし、その後西鎌尾根で双六小屋に向かう長い行程です。

昼間は晴れて暑かったですが、14時頃から雨に降られたため湿度は高かったです。

テント泊装備15kgを背負ってハイクアップしたので、発汗量も多いです。

歩いている最中は、どちらの靴下も足の感覚に差異はありません。

テント場に着いて靴下を触ってみると、モンベルの「WIC. トレッキングソックス」は若干湿り気を感じました。

ダーンタフの「ブーツフルクッション」も、湿り気は感じますが1日目との差は感じられません。

2日目にして臭いに差が出始めました。

ポリエステルリッチなモンベルの「WIC. トレッキングソックス」は、汗の臭いがします。

発汗量が多かったこともあるかもしれません。

ですがウールリッチなダーンタフの「ブーツフルクッション」は、まったく臭わないんです。

ここでウールの防臭性の力を感じ始めました。

3日目

筆者撮影

検証最終日は双六小屋から新穂高温泉まで下山です。

この日はよく晴れて暑く、標高も下がっていくので行動時間に対して発汗量が多かったです。

履き心地は両者大差ありません。

汗を吸って若干湿った感じも、どちらの靴下も同じぐらいでした。

ただ最終日にして如実に臭いが違いました。

ポリエステルリッチなモンベルの靴下は、下山後かなり臭いました。

ですがウールリッチなダーンタフの靴下は初日とほとんど変わらず、3日履いたとは思えないぐらい臭いませんでした。

履き心地に差は感じませんでしたが、臭いの問題になると明らかにウールの靴下の方が優勢です。

日帰り登山メインの場合は、値段も手ごろなモンベルの「WIC. トレッキングソックス」で良いかもしれません。

ですが縦走登山で数日間同じ靴下を履く場合は、ダーンタフの「ブーツフルクッション」の方がおすすめです。

登山シーンに合わせて靴下を選ぼう

筆者撮影

ポリエステルとウールの靴下を実際に登山で履いて検証しました。

日帰り登山しかしないのか、小屋泊やテント泊で縦走登山をするのかという、登山スタイルで靴下を選ぶと快適度が変わりそうな検証結果でした。

ポリエステルとウール、それぞれにメリット・デメリットがあります。

自分の登山スタイルや悩みに応じて靴下を選ぶと、より快適に登山が楽しめるでしょう。