「車があればあの山行けるのにな」、「電車移動は面倒」と感じた登山者は少なくないと思います。
最近はカーシェアや相乗りサービスも増え購入以外の選択も多くなってきました。
車を購入するメリットや、購入を検討する際のポイント、維持費などを詳しく解説します。
車購入のメリット!行ける山に実質制限なし
高速バスなどでもハイシーズンは争奪戦になりやすく行きたい山に行けない事もあります。
車があれば電車やバスが通ってない登山口でもアプローチしやすくなり多くのメリットがあります。
時間を気にすることが無くなる
公共交通機関ですと出発時刻を気にする必要がありますが、車があれば下山に余裕があり気持ちにも余裕ができるので安全登山に繋がるのではないでしょうか。
また公共交通機関は登山口の手前で止まることも多いですが、車があればさらに奥に進むことができ3時間も短縮できるケースもあります。
車中泊でさらに自由へ
車中泊はテントや大きなキャンプ道具が無くても宿泊できる事や最近では車中泊を前提としたRVパークなども多くなってきています。
道の駅やサービスエリアなどは車中泊が許可されていない場合や宿泊を前提としていないため注意が必要です。
温泉や食事に行きやすくなる
登山と温泉は切っても切れない関係で流した汗や疲れを温泉で癒やしたくなります。
しかし、着替えを登山で持っていくのは荷物も重たくなるのでできれば避けたいですよね。車があれば着替えを置いていくことができます。
また温泉地の近くには魅力的な食事処があることも多く、お土産を買ったりする事もでき良い旅の思い出に一役買うのは間違いありません。
デメリットもある車の登山
行動範囲は広くなるものの運転の負担や維持費など経済的な負担が大きいのも車を持つデメリットでしょう。
維持費がかかる
一番のデメリットは車を持てばどうしても維持費がかかってしまうことでしょう。
登山道具がただえさえ、高額なのに維持がかかるとなると家計に重くのしかかる事は間違いありません。
月1回程度、東京から八ヶ岳や北アルプスなど往復で約300km走らせると最低でも維持費(駐車場代含まない)で軽自動車で約45万円、普通車で約55万円程度かかります。
たとえ行動が自由になっても45万円あれば毎回小屋泊をしてもお釣りがあり、前泊で旅館に泊まってもまだお釣りがある金額ではないでしょうか。
ハイシーズンは駐車場戦争
ハイシーズンは駐車できない可能性が高くなるため、前泊をしたり深夜から運転し駐車場が埋まる前に移動したりなど気を遣うことが多くなります。
寝不足で登山がしんどくなる事もあり、下山後に運転することも考えると意外と大変なことが多いのです。
車の所有は時代遅れ?
最近はレンタカーよりも気軽に利用できるカーシェアが普及してきました。
カーシェアは長時間利用の場合は単価が高くなる傾向にあり、2泊3日などの行程の場合でも1泊分の料金が発生します。
それでも登山だけで車を乗ることを考えれば維持費も時間あたりの料金に含まれているため割安で利用できるでしょう。
登山にはどんな車がいい?
住んでいる地域や登山をするシーズン、スタイルによって車の選び方が変わります。
雪山や降雪地は4WDが必須
4WDは前後どちらかが動けば進むため、降雪地にお住まいの方や雪山に行く方は4WDの方が大きな利点があります。
やや専門的になりますが車高(最低地上高)が高い車を選ぶことで、より深い雪や悪路を進むことができます。
ジムニーの最低地上高が205mm、ランドクルーザー220mm以上、プリウス130mmと軽自動車ながらアウトドアで人気のジムニーは本格的な4WD車と同等の地上高がありその本格さを伺えます。
長距離を走るなら普通車
東京から八ヶ岳やアルプスに向かう場合は高速道路を2時間以上走ることになります。
車移動という面では軽自動車も乗用車も同じですが、軽自動車で高速走行をすると騒音や振動が大きく疲れやすくなるため、長距離移動が多い方は普通車も視野にいれるといいでしょう。
付いていると嬉しいオプション
車には様々なオプションがありますが登山という観点で考えると「ナビ」「クルーズコントロール」「車線逸脱防止」「コーナーセンサー」は必ず欲しいオプションでしょう。
クルーズコントロールは設定速度で進み続けることができるため、長時間の運転や渋滞でも疲労が少なくなります。
車線逸脱防止は登山で疲れた帰りはウトウトする事もあるでしょう。そういった際に警告してくれるため安全性が高くなります。
コーナーセンサーは山道は非常に狭いため、すれ違いなどが困難なケースもあります。その際にコーナーセンサーがあればぶつけること無く通過する事もできます。
車中泊はできるか
片道5時間以上かかる場所などは前泊も視野に入れたいところです。
車中泊ができると前泊の費用を抑えながらも、翌日早朝に出発することができるので登山者にとって大きなメリットがあります。
快適に車中泊するには全て平面になり、マットを敷けば事実上ベッドになるフルフラットになる車種がおすすめです。
アウトドアブームで軽自動車でもフルフラットのモデルが出てきましたが2人で寝るとかなり窮屈な空間になり、荷物は全て外に出すなどのデメリットもあります。
2人以上の車中泊が多い場合は乗用車を検討するのがいいでしょう。
登山におすすめの車
多くの車がある中で価格帯別におすすめの車種をご紹介します。
軽自動車:ジムニー(150万〜200万)
2019年にフルモデルチェンジを行い、高い人気がある4代目ジムニーは最近では殆ど見なくなった無骨なデザインながらもイエローやブルーなどのカラーバリエーションが豊富で可愛さを垣間見ることができ女性にも人気の車種です。
4WDが標準装備されており、降雪地では多く乗られている車でもあり走破性の高さは非常に信頼性が高い車です。
メリット
- フルフラットになる(4代目(JB64))
- 本格的な4WDで頑丈で走破性が高い
- オプションパーツが多く、修理を受けやすく、長く乗れる
- 死角が少なく運転しやすい
デメリット
- 軽自動車の割に燃費が悪い
- 車内が狭い。特に後部座席は体操座りに近い姿勢になる。
- 乗り心地が悪い、騒音が大きい
軽自動車:ハスラー(150万〜200万)
ジムニーとハスラーはどちらもスズキが生産している車で大きさや価格帯も同じため、必ず比較対象となります。
ハスラーはジムニーと違って無骨な感じはまったくなく、どちらかというと可愛らしさを感じる車種です。
本格的な4WDよりも、街乗りが多く快適に乗りたい方はハスラーも候補に入れるといいでしょう。
メリット
- 5ドアで後部座席でも乗り降りしやすい
- ジムニーより燃費がいい
- 乗り心地が良い、車室も広い
- フルフラットになる
デメリット
- 悪路には向いていない
- 最低地上高がジムニーより20mm程度低い
普通車:ライズ(150万〜200万)
ランドクルーザーやJeepのラングラーに代表される本格的なオフロード車は走破性を高めるために、強度の高い構造にしたり、車高を上げたりするため、乗り心地が悪くなり車も大型化する傾向にあります。
アウトドア以外の利用が多い場合はオーバースペックになりがちなのです。
ちょうど中間をとった車種が小型SUVで、ライズはSUVの中でも小型に作られており本格的なオフロード走行が不要で、街乗りでも快適に乗ることができ、荷室も広いためアウトドア用途として必要十分な性能を持っています。
メリット
- 価格が安い
- 安全装備が標準で付いている
- 荷室が広い
デメリット
- 安っぽく見える
- 4WDが標準装備ではない
- フルフラットにならない(シートなどで段差を埋めればフラットになる)
普通車:フォレスター(290万〜330万)
SUBARUが生産するフォレスターは早い段階から衝突検出(アイサイト)と電子制御する4WDを搭載しています。
最低地上高も220mmとランドクルーザーにも劣らない最低地上高で国内の殆どの悪路は走破可能と考えてもいいでしょう。
フォレスターと比較されるのはトヨタのRAV4で、RAV4はハイブリッド仕様があり燃費が良く、リセールバリューが高いことが特徴です。その反面、フォレスターよりも荷室がやや狭い事と、販売価格も350万〜と高めの設定になっています。
メリット
- 標準装備が多い(シートヒーター、コーナーセンサー、衝突検出)
- 荷室が広い
- フルフラットになる
デメリット
- 燃費が悪い
- パワーが物足りない
- ターボグレードもあり。ハイオクで燃費がさらに悪い
- リセールバリューが安い
普通車:ランドクルーザープラド(360万〜400万)
ランドクルーザープラドはランドクルーザーの弟分で、走破性はフォレスターやRAV4より高く堅牢性も高いため本格的なオフロード走行が可能です。
見た目も大きなボディと大きなタイヤで迫力のある車体で所有感も高いため、アウトドアでは人気の高い車種です。
メリット
- 日本では困ることがないオフロード性能
- 室内、荷室ともに広く快適性が高い
- リセールバリューが高い
- オプションパーツが多い
デメリット
- 価格が高い
- 燃費が悪い
- 乗り心地が悪い
- 車体が大きく死角も多い
Yamariiは相乗りできる登山サービス
Yamariiは相乗りができる登山サービスです。
車を持っている方は相乗りすることで維持費を節約でき、車を持っていない方は相乗りで今まで行けなかった山に行くことができます。