【紅葉の石鎚山】10月上旬が見頃!百名山の石鎚山に土小屋ルートを詳解

四国

秋の山登りの醍醐味といえば赤や黄色に染まった木々の紅葉ですよね。
西日本で一番標高の高い日本百名山の四国石鎚山では、頂上周辺の紅葉は例年10月上旬に見ごろを迎えます。

目次

石鎚山への行き方

紅葉時期の石鎚山は1年で最も賑わう季節で、日中はもちろん早朝や夕暮れ時にも多くの登山客やカメラマンが頂上を目指します。
雲海、日の出、紅葉、鎖場と見どころたっぷりの秋の石鎚山のご紹介です。

※土小屋出発ルート

コースタイム(往復)体力レベル技術レベル
5時間★★☆☆★★☆☆

土小屋駐車場までのアクセス方法

  • 公共交通機関(バス)
    JR松山駅からJR四国バス久万高原線「落出」行き、久万中学校前バス停下車、伊予鉄道南予バス乗り換え、面河経由で終点の石鎚土小屋下車。バスの便が少ないので要事前確認。
  • マイカー
    松山自動車道松山ICから国道33号線、県道12号経由で石鎚スカイラン終点土小屋無料駐車場へ。所要時間約90分。
<紅葉時期の石鎚スカイライン>

石鎚山の登山ルートは主に2つあって、愛媛県西条市側から登る成就社ルートと、久万高原町側から登る土小屋ルートです。
今回ご紹介する土小屋ルートは、登山口から頂上までの標高差が400mで片道2時間30分程度なので、初心者の方や家族連れの方でも安心して登ることが出来るおススメのルートとなっています。


ただ登山口から頂上までは4.5km程ありますので、一般的な登山用装備は必要ですし、秋になると朝晩はグッと冷え込んできますので防寒対策もしておきましょう。
登山口近くには無料駐車場やトイレ、2020年にオープンした土小屋terraceなどがあり、晴れた休日には朝か
ら多くの登山客や観光客、ドライブやツーリングを楽しむ人で賑やかになる場所です。

1.石鎚スカイラン経由で土小屋駐車場へ


土小屋駐車場へ行くアクセス道路は二通りあります。

一つ目は高知県の寒風山トンネル横の林道から入り、町道瓶ヶ森(UFOライン)を経由するルートです。
テレビCMにもなった全国的にも有名なドライブコースですが、実際の所曲がりくねって見通しが悪い個所が大部分なのです。


深夜早朝の運転には十分注意する必要があります。
二つ目は久万高原の石鎚スカイランを経由するルートです。
無料の完全片側1車線の山岳道路で、標高1492mまで一気に車で登ることができるのですが、12月から3月までは冬季通行止めになるのと、スカイラインにはゲートがあって通行可能時間帯が決められているので注意が必要です。
秋の紅葉シーズンになるとゲートが開く午前7時前には数十台の車が並びます。

<石鎚スカイラン、ゲート開門前の状況>

スカイライン終点の土小屋駐車場周辺には、道路の路肩側にも広めの駐車スペースが複数あります。
ある紅葉シーズンの午前8時前の時点で、車がびっしり駐車していました。

2.土小屋登山口から鳥居のある分岐点を目指す


では準備が整ったらさっそく石鎚山へ出かけましょう!
登山口入口は歩道を少し歩いた先の左側です。

<石鎚山、土小屋登山口>

登り始めてしばらくはほとんど勾配のないなだらかな笹原道が続きます。

ウォーミングアップには最適の道なので、あせる気持ちを抑えながらゆっくり進みましょう。
しばらくすると階段が続くようになり、周辺にブナの巨木が目立つようになります。

幾重にも手を広げているようなブナの木はとても神秘的で、大自然の魅力を間近でたっぷりと堪能できます。
この石鎚山は花の百名山にも選ばれている程草花の宝庫で、秋にも色鮮やかな花を観賞できますよ。
こちらは青紫色が特徴のリンドウ。
登山道周辺や足元に咲いていますよ。

<リンドウ>

キク科の多年草アキノキリンソウ、かつては里山の水田やため池周辺に多く見られました。

<アキノキリンソウ>

本州の紀伊半島や、四国九州などに分布しているハガクレツリフネ。

< ハガクレツリフネ >

真っ赤な実が目を引くモミジイチゴ、葉っぱがもみじに似ていることから名づけられました。

<モミジイチゴ>

石鎚山の登山道周辺ではその他にも沢山の草花を見る事ができますので、季節や登る時間帯によって新しい発見があるかもしれません。

そして晴れた日には前方に石鎚山頂上をくっきりと見ることができます。

少し頂上付近が赤く色づいているようですね。

登山口から1時間程歩くと勾配が少し急になってきます。
一部登山道が崩れかけている部分がありますので、足元に気を付けながら慎重に進みましょう。


そして前方に鳥居が見えてきたら成就社ルートとの合流地点に到着です。
ここから眺める石鎚山や西条今治市街の景色がすばらしいので、トイレ休憩もかねてしばし一息いれましょう。

3.真っ赤に染まった山頂へ

ここから山頂までは約40分程かかります。
途中二の鎖、三の鎖がありますが、今回鎖場は一切利用せず迂回ルートで頂上まで向かうことにします。

鎖場で頂上に向かうと最短ルートで行く事ができますが、ほぼ垂直な鎖を数十メートル登っていくことになり、
紅葉シーズンは渋滞していることも多いです。
ただ三の鎖登り口から眺める石鎚山の眺めもすばらしいの一言ですよ。

まれに三の鎖を下る登山客の方もいますので、鎖場を利用される方は行き交う際に十分注意しましょう。

頂上に近づいてくると傾斜が更にきつくなり、金属製の階段が続きます。
足を滑らせないよう手すりをしっかりつかみながら、左側を通りましょう。

豆知識として日中以外の時間帯は手すりがかなり冷たくなっていることがあります。

軍手などの手袋があると冷え防止に有効ですよ。

そして視界が一気に広がって頂上山荘がある弥山に到着です。


ここから眺めるカエデやドウダンツツジなどの紅葉が本当に見事です。
この弥山付近は雲の通り道になっていて、朝は晴れていても30分後には雲に覆われてしまうこともしばしばあるのですが、快晴ですと360度の大パノラマを満喫できます。

尾根沿いの先に見えるピークが天狗岳で、そこが西日本最高峰の標高1982m地点になります。
弥山から15分程で天狗岳に行く事ができますが、途中の足場がかなり狭く、断崖絶壁で足がすくんでしまうほどのスリルがありますので、無理は禁物です。

天狗岳には金属製のプレートが用意されていて、それを持って記念撮影する登山客が次々に訪れていきます。

なお紅葉シーズンの正午近くになると、弥山でお昼休憩する登山客でかなり混雑します。
天狗岳への道が行列待ちになることもあるので、鎖場を利用する方も含めて朝一で出発することをお勧めします。
眠い目をこすりながら歩いたその先には、息を飲むほどの絶景が広がっているはずですよ。

ちょっぴり早い秋の訪れを体感できる石鎚山のご紹介でした。