DIAMAGIC DIRECTクライミングパンツ
ワークマンで登山初心者の方におすすめしたい3シーズン使えるパンツを発見しました。
DIAMAGIC DIRECTクライミングパンツは段差の多い登山でも快適に歩けるストレッチ性や、多少の雨でもOKな耐久撥水性が備わったパンツです。
登山でガシガシ使えるのに¥2,900というコスパの高さ。
「こんなに安くて山で本当に使えるの?」と不安なあなたのために、実際に山を歩いてテストしてきました。
おすすめポイントと気になるところを合わせて紹介していきます。
価格 | ¥2,900(税込み) |
サイズ展開 | S, M, L, LL, 3L, 4L |
カラー展開 | マットブラック, ミックスグレー, ミックスオーカー, ミックスリバーグリーン |
素材 | マットブラック: ポリエステル90%+ポリウレタン10% その他3色: ポリエステル95%+ポリウレタン5% |
品番 | CS005A |
DIAMAGIC DIRECTとは?

「DIAMAGIC DIRECT」はワークマン独自の耐久撥水加工のことです。
環境に配慮したフッ素を使用していない非フッ素撥水剤を使用しています。
そのスペックは撥水試験で初期4級、洗濯50回後で2級をクリアしているそうです。
4級や2級はどれぐらい撥水しているかと言うと、以下が撥水試験の基準になります。
250mlの水を試験布にスプレーし、軽く水滴を落とした後の試験布が
5級:湿潤・水滴がない
引用元:はっ水性試験(JIS L 1092) | 一般財団法人カケンテストセンター (kaken.or.jp)
4級:湿潤がなく、小さな水滴が付着
3級:小さな水滴上の湿潤
2級:半分程度湿潤
1級:全体的に湿潤
50回洗濯後の2級では生地が半分程度湿っている状態になるため、撥水しているというわけではないですね。
洗濯を重ねて「少し水が染みてくるようになったな」と思ったら熱処理をしてあげましょう。
- 乾燥機(低温)にかけて乾かす
- 当て布をしてアイロン(低温)を当てる
- ドライヤーの温風を当てる
これらの方法を試してみるとある程度撥水性は回復します。
それでもダメな場合は買い替えるか、撥水スプレーを使用しましょう。
DIAMAGIC DIRECTクライミングパンツのおすすめポイント
耐久撥水性

上でも述べた通りワークマン独自のDIAMAGIC DIRECTという耐久撥水加工が施されています。
登山中に滝の近くで水滴を当ててみましたが、確かに水滴はよく弾いてくれていました。
登山を始めたばかりの方だと、レインパンツまで購入する方は少ないと思います。
ですがこれだけ撥水が効いていると木の多い低山での登山あれば、レインパンツがなくても問題なさそうです。
動きやすいストレッチ性と縫製パターン

パンツの生地自体もタテヨコ両方向にストレッチが効いていますが、ヨコ方向の伸びが若干弱いように感じます。
それだけでなく、縫製パターンもアウトドアブランドにも見られるような立体裁断が採用されているんです。
膝部分はツッパリ感が少なくなるよう立体裁断がなされています。

さらに股下部分はクライミングカットという縫製がされており、前身頃と後身頃の間にプラス1枚生地が使用されています。
これによって岩場などで大きく脚を上げるようなシーンでもストレスなく歩くことができるんです。
2way仕様

膝上部分にジッパーが付いており、長ズボンと半ズボンの2wayで履けるようになっています。
春や秋などの肌寒い季節は長ズボンで履くこともできますし、夏の暑い時期はタイツを合わせて半ズボンという使い分けができるんです。
また一般的に2wayタイプのズボンはジッパー部分のストレッチ性がなくなるので、膝の曲げ伸ばしがしずらくなる傾向にあります。
ですがワークマンのDIAMAGIC DIRECTクライミングパンツは膝にかぶらない部分にジッパーがあるため、特に不快感は感じずに履くことができます。
ポケットの多さ

ワークマンのパンツではよくあることなんですが、DIAMAGIC DIRECTクライミングパンツも御多分に漏れずポケットの数がかなり多いです。
「サコッシュは持ちたくない!できるだけシャツやパンツのポケットに物を入れておきたい!」という方はかなり重宝するパンツになっています。
具体的に前部分の両腰に1か所ずつ、太もも部分に左右1か所ずつ、お尻部分に左右1か所ずつ、さらにパンツの内側に大容量の撥水サコッシュが付いています。

前部分のポケットはすべて止水ジッパーになっており、お尻部分のポケットは1つはボタンが付いていて、もう1つはジッパーやボタンなど閉じられるものはついていません。

加えてポケットのジッパーを閉め切った部分には写真のように三角形の生地が付けられており、ジッパーの隙間から水が入り込まないようになっています。
ポケットだけで7か所の収納スペースがあり、加えてカラビナを付けられるベルトループもあるんです。
これだけの収納スペースがあるので、登山だけでなくキャンプや釣りなどでも活躍してくれそうです。
DIAMAGIC DIRECTクライミングパンツの残念ポイント
ウエストベルトの意味がない

前部分にはベルトが付いているのですが、後はなぜかゴムになっています。
ベルトがウエストを1周していないので、ベルトを締めても締まりきらないということが起こります。
ジャストサイズで履ける方は問題ないのですが、ウエストにややゆとりのある細身の方だと不便なポイントです。
筆者もウエストにやや余裕があり山で歩いている間に「脱げそう!」とまではいかないまでも、だんだんずり落ちてくる感覚はありました。
ポケットが多すぎる
先述のおすすめポイントでポケットの多さを上げましたが、これは正直好みが分かれるところです。
ポケットが多すぎるとアウトドアテイストの強い見た目になってしまうため、タウンユースでは使いにくくなってしまいます。
またパンツ自体が細身ということも相まって、ポケットの裏側に付いている生地が常に肌面と接触します。
腰部分に付いているポケットに関してはそこまで気になりませんでしたが、太もも部分に付いているポケットの裏地が汗をかいたときに肌と貼りつくような感覚があり不快でした。
収納力の高さは万人受けする機能ではないかと思います。
機能性のチェック
撥水性
滝のしぶきがかかるところで撥水を見てみました。
水は玉になっており、手でサッと払うと水滴は落ちていってくれます。
DIAMAGIC DIRECTという耐久撥水加工がされているということもあり、撥水性はかなり高いように感じます。
ちなみにサコッシュの方も撥水が効いているとのことなので、こちらもテストしてみました。
外側の黒い面はパンツと同じ生地が使用されているので、撥水は問題なく効いています。
赤い面は肌に当たる部分になるのですが、こちらも撥水が良く効いていました。
ストレッチ性
タテ方向は伸びが良いです。
ただ伸ばしたときの返りはあまり良くないように感じます。
そのためストレッチの耐久性がどれぐらい持つかは懸念されます。
ヨコ方向には若干のストレッチ性はありますが、タテ方向に比べると弱いですね。
ただ膝を曲げたり、脚を大きく上げたりするシーンでもツッパリ感はなく、登山でも履きやすかったです。
実際に山で使い心地を検証

六甲山の地獄谷を歩いて検証してきました。
バリエーションルートということもあり岩場も多く滝の横を通過するので、ストレッチ性や撥水性の検証には持って来いのルートです。

シルエットは細身になっていて、スッキリしています。
身体のラインはでやすいので、体形が気になる方は苦手なシルエットかもしれません。

裾部分はゴムになっており程よくフィットしてくれました。
ローカットの靴を履いてみるとこのようにくるぶしがギリギリ見えないぐらいの丈感になっています。

パンツ裏面の生地には微細な凹凸感があります。
肌への接触面積を減らす効果があり、ベタツキを軽減してくれるんです。
とは言えポケットの裏地部分はこのような生地になっていないため、汗をかいたときにその部分のベタツキは感じられました。

岩場を通過するのに大きく脚を上げることがありましたが、生地自体のストレッチ性と股下や膝の立体裁断によりストレスなく歩くことができました。
この辺りの履き心地は¥2,900とは思えないぐらい良かったです。
ただパンツの後ろ部分がゴムになっているということもあって、ベルトが全く締まりません。
歩いているとだんだんずり落ちてくるので、その度に上げないといけないのがややストレスでした。
今回は35リットルの中型ザックを背負っていたのでヒップベルトと干渉して、余計にずり落ちやすかったように感じます。

後ろ部分にメッシュ状の生地になっているところがあり、ベンチレーションの役割を果たしてくれます。
そこまで目の大きいメッシュ地ではないので、期待するほどの蒸れの解消は感じられませんでした。
女性の方だと「下着の色が透けるのでは?」と気にされる方もいらっしゃるかもしれませんが、透け感は高くないのでその辺の心配は無用です。
良かった点
- ストレッチ性と立体裁断で脚の上げ下げは良好
- スリムフィットなので動きやすく、足元も見えやすい
- 撥水性が高く、少し水しぶきがかかってしまっても払うだけでOK
気になった点
- 後ゴムになっているためベルトが締まりきらず、ずり落ちてくる
- ポケットの裏地が肌に貼り付いて、汗をかいたときに貼りつく感覚がある
DIAMAGIC DIRECTクライミングパンツは登山デビューにおすすめ

アウトドアブランドで買うと安くても¥6,000以上はする登山用のパンツですが、ワークマンでは半額以下の¥2,900で買えてしまうんです。
ストレッチ性や立体裁断などの縫製パターンはアウトドアブランドのものに劣らず、山で履いても問題ないパンツでした。
「初めて登山に行くけど、続くか分からない趣味の服にいきなり¥6,000払うのは・・・」という方は一度試してみる価値アリです。