登山をしている方の中には「東の富士山、西の大山」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
「西の大山」の大山とは、鳥取県にある伯耆大山のことを指します。
格言の如く日本を代表する名山の大山はとても人気が高く、NHKで実施された日本名峰ランキングでは富士山、槍ヶ岳に続いて見事3位に輝きました。
本記事ではそんな日本ベストスリーの一角である伯耆大山のコース紹介や、見どころを紹介します。
伯耆大山(ほうきだいせん)とは?
伯耆大山は鳥取県の大山町、琴浦町などにかかる独立峰の山です。
標高1,791mは中国地方の最高峰であり、昔はこの地域を「伯耆国」と読んでいたことから、伯耆大山と呼ばれており、形が富士山に似ていることから、「伯耆富士」などと呼ばれることもあります。
その眺望はとても綺麗なため、もちろん日本百名山の1つに数えられており、日本百景にも選ばれています。
登山道は比較的簡単に登れることから、毎年多くの登山客が訪れます。
伯耆大山の登山ルート
伯耆大山の最高峰は「剣ヶ峰」ですが、剣ヶ峰は登山道が崩落していたりなどの理由で行くことができません。
そのため、行くことができる最高峰は2番目に高い峰の弥山(みせん)となっています。
看板なども弥山を伯耆大山の頂上として扱っているので、弥山を目指しましょう。
伯耆大山では、登山道がほとんど整備されていない上級者向けの「ユートピアコース」と、木などが綺麗に整備された初心者向けの「夏山登山コース」があります。
一般的にほとんどの方が夏山登山コースを使用するので、今回は夏山登山コースをご紹介します。
夏山登山コースを利用する場合、駐車場は「南光瓦河原駐車場」に駐車しましょう。
この駐車場から登山口までは5分ほどなので、とても便利です。
しかしその分、駐車場が満車になるのもとても早いのが難点。
登山シーズンの時期であれば、6時には満車になってしまうので移動は早く済ませましょう。
もし南光瓦河原駐車場に止められなかった場合は、登山口から徒歩で10分ほど離れてしまいますが「下山駐車場」という駐車場もあるので、そちらに駐車するのがいいでしょう。
車を無事に止められれば、ついに登山開始です!
夏山登山コースは、1合目から頂上まで全て表示があるので、自分がどのくらいにいるのか確認しながら登山できます。
大体1つの看板から次の看板までは、10分〜20分ほどかかります。
登山道はとても綺麗に整備されていて、ひたすらに緩やかな階段のような道となっているので、初心者の方でも特に危険な箇所もなく登れます。
伯耆大山は日本最大級のブナ林が広がっており、とても気持ち良い森林浴ができます。
登山道にアーチのようにかかったブナの道を、葉っぱが風になびく音や、鳥のさえずりなどを耳に歩くのはまさに登山の醍醐味だなと感じます。
5合目を過ぎると少しずつ木々が低くなり、景色がひらけてきます。
そして8合目を過ぎたあたりから一気に視界がひらけ、パノラマビューが広がります。
視界が開けると同時に道も木道に変わり、ほぼ平坦な道になるので、絶景を楽しみながら進みましょう。
風も吹いていて、夏の登山であれば最高に気持ちいいです。
下山ルートは、5合目までは来た道を戻りましょう。
5合目を少し過ぎたところに、「行者谷」との分かれ道がありますが、こちらのルートから降りても南光瓦河原駐車場へは帰れますので、こちらのルートがおすすめです。
伯耆大山は、見る場所によってさまざまな姿に代わります。
北・西側から見ると富士山のように見えますが、南・東側から見ると断崖絶壁の山にも見えます。
行者谷ルートを通ると、断崖絶壁のかっこいい岩肌を見ることができます。
ちなみに「夏山登山口」という名前になっていますが、冬の間もこの登山口から登ることが多いです。
伯耆大山は1700mほどの標高の山ですが、日本海がすぐ近くということもあり、冬の時期に登る場合は、3,000m級の雪山装備で行くようにしましょう。
コロナ渦の注意点
コロナ禍での伯耆大山登山では、コロナ禍の密集緩和の対策として、上りのルートと下のルートを分けています。
上りは通常通り夏山登山ルートでいいのですが、下山の際は頂上付近は「石室」を通るルートを使い、5合目付近の行者谷分かれから行者谷を通って下山することとなっています。
今回本記事で紹介したルートであれば、下山は行者谷ルートを使っているので問題はありませんが、夏山登山口方面には下山できないので、注意しましょう。
まとめ
日本を代表する伯耆大山は、初心者でも簡単に登れる手軽さなのに、日本海を見渡せる絶景が広がっているため大人気の百名山です。
出雲大社の御祭神、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が、この山の頂上から日本の国づくりを考えたと言われるほどの景色を、ぜひ見に行ってみてください。