世界中で登山者が多いことで知られている山、高尾山。
多彩なコースを持ち都心からのアクセスも良好なことから多くの登山者が訪れ、登山デビューに最適な山としても有名です。
高尾山だけでも楽しめますが、人で賑わう山頂の奥には、実は登山デビューの次におすすめしたい、縦走登山にピッタリな山が続いています。今回は高尾山のお隣にあるおすすめのピーク、小仏城山をご紹介します。
小仏城山とは
小仏城山は標高670mの山で、高尾山の隣りにあり、山頂は東京都八王子市と神奈川県相模原市の境に位置しています。神奈川、東京在住の人にはとても馴染みのある山で、高尾山とセットで登られる方が多いです。
山頂は広く、目印ともいえる電波中継塔と茶屋があり、高尾山から縦走できる山であることから、ハイカーやトレイルランナーなど、多様な目的で多くの方が登っています。
登山口も高尾山の登山口である高尾山口駅、小仏方面からの小仏バス停、相模湖方面の千木良など豊富にあり、計画に合わせて選択することもでき、小仏城山のピークハント、城山に隣接する景信山との縦走といった多彩な楽しみ方ができます。
小仏城山は縦走の山としても知られ、高尾山から陣馬山への縦走路の途中に位置していることから、休憩地として好まれています。初めての縦走登山としてもおすすめで、適度な高低差、余裕を持ったコースタイムにより、山と山が繋ぐ稜線の楽しさを体験するのに適しています。
私は人生で初めての縦走登山をしたのがこの小仏城山でした。
お恥ずかしいことに当時は、山は1日で2つも登れるのかと感動したもので、高尾山から続く稜線は、山の経験が浅かった私には、下山したときにはヘロヘロになる疲労感でしたが、その後取り憑かれたように縦走登山を行うきっかけともなるほどの充実感に満たされていました。頂上の広場で足を広げて休んだ記憶は、今も大切な思い出として残っています。
今回のおすすめルート
今回は高尾山口駅から高尾山を登頂後、城山を目指すルートをご紹介します。
高尾山からの縦走ルートは、小仏城山を目指す代表的なルートです。
高尾山までは稲荷山を経由した、木漏れ陽を浴びながら歩ける気持ちの良い登山道を歩き、高尾山登頂後はアップダウンのある登山道が続き、一丁平を経て小仏城山に到着します。
初めて登山道を歩く方には、自然の世界を十分に満喫できるルートになっているのが特徴で、舗装されていない道、樹林帯から突然広がる山頂の世界、山頂から見れる雄大な山々といった、登山で得られる感動が味わえます。
難しいポイントはほとんどなく、高尾山山頂を経ずに小仏城山を目指す道や、アップダウンのキツイポイントをスルーできる巻道があったりと、登る方の体力に合わせることも可能です。
ハイライトは各山頂からの眺望ですが、もみじ台、一丁平から見る景色も見事なもので、各スポットには休憩に最適となっているので、時間に追われずのんびりハイキングを楽しみたい方におすすめです。
駐車場とトイレ
登山口である高尾山口駅までは、マイカーでのアクセスも可能です。
駐車場は高尾山口駅のそばにあり、連休や紅葉などの特定日、ハイシーズンには大変混み合うので注意が必要ですが、ファミリーハイクや遠方の方にはマイカーアクセスが便利です。
トイレは高尾山口駅、高尾山、もみじ台付近、一丁平付近、小仏城山に設置されているので、困る場面は少なく安心です。
行程
コースタイム | 体力レベル | 技術レベル |
4時間10分 | ★★☆☆ | ★☆☆☆ |
本ルートは高尾山までを稲荷山ルートで歩き、その後は一丁平を経由して小仏城山を目指す往復するルートとなっていますが、復路で稲荷山を通らず琵琶滝コースで沢沿いを歩いたり、相模湖方面、もしくは小仏方面に下山するなど、目的に応じた計画を立てることが可能です。
一度だけでなく何度でも歩けるのが高尾山エリアの魅力でもあるので、本ルートをベースに小仏城山登山を楽しんでみてください。
序盤:高尾山口から高尾山
高尾山口駅で装備を整え、出発します。
駅には自販機があり、早朝は営業していませんが売店(セブンイレブン)もあるので、食料で抜けがあればここで購入しても良いです。
ケーブルカー・リフトの駅に到着です。この左手に稲荷山ルートの登山口があります。
稲荷山ルート登山口。ここから上りがスタートします。
階段や木道が随所に設置されていますが、稲荷山ルートは高尾山を目指す代表的なルートの中でも、自然を全身で感じられます。平坦ではない不安定な足場も、日常では感じられない貴重な感覚です。
休憩地点の稲荷山にはベンチが設置されています。かつては屋根がありましたが、今は無くなっています。ちょっと寂しい気持ちを感じつつ、山頂を後にします。
山頂直下に到着すると、長い階段を経て高尾山山頂に到着します。初めて山を登られる方にとっては苦しい階段ですが、ゆっくり息を整えて登ります。
山頂に到着です。山頂からは神奈川県を代表する山域、丹沢が良く望めます。山頂には自販機があるので、水分が不足していたらここで購入するのが良いです。
終盤:高尾山から小仏城山
高尾山を後にして、小仏城山を目指します。
この日は天候がいまいちでしたが、もみじ台からの眺望も素敵です。付近には細田屋さんがあり、ここを目的地として歩くのも良いですね。
もみじ台を過ぎると急勾配の下りがあり、膝に響きます。
下り切ると再び上りがあります。
途中の一丁平。ここも眺望の良いスポットですが、残念ながらこの日は景色が見れず。
一丁平を過ぎるとラストスパートの区間です。息を整えながら山頂を目指します。
山頂に到着です。山頂は広く、仲間と語らったり、景色を愛でたり、茶屋の食事に舌鼓したりと、皆さん、思い思いの時間を過ごされています。
自分だけの山頂時間を満喫したら高尾山口駅を目指して下山します。往路で脚も疲労しているので、転倒で怪我をしないように気をつけて下ります。
下山後のおすすめ:京王高尾山温泉 極楽湯
小仏城山の登山の楽しみは、登りだけでなく下山後にもあります。
登山口である高尾山口に直結している極楽湯は、内湯と広々とした露天風呂があり、複数のシチュエーションで楽しめる湯は、登山後の疲れをしっかり癒やしてくれます。館内には食事処もあり、入浴、食事という登山後の醍醐味を堪能できるのもポイントです。駅直結ですぐに帰宅できるので、余裕があれば着替えを持参してぜひ立ち寄ってみてください。
小仏城山で登山の魅力を発見しよう
小仏城山は高尾山に隣接する山で、広々とした山頂、豊富なルート、登山後の温泉まで、登山の楽しみを1日で堪能できる魅力があります。
各スポットの眺望や茶屋での軽食など、山頂や山頂に至る道では、山を登られる方々がそれぞれの時間を自然の中でゆっくりと過ごし、気持ちの良い疲労感と充実感を得ることができます。登山を始める最初のステップとしてもおすすめの山なので、小仏城山の経験を通して、より標高の高い山や行程のあるルートを選んだりすると良いです。
小仏城山で、山の魅力と登山の醍醐味にぜひ触れてみてください。