【自腹レビュー】登山におすすめのタオルを5つ集めて徹底比較!

登山用品・登山装備

登山タオルに必要な機能は?

出典:Pixta

登山に持って行くタオル、何を使っていますか?

普通のタオルを持って行かれる方も多いのではないでしょうか。

ですがアウトドアブランドが出しているタオルは吸水速乾性に優れるので、登山で大汗をかいてもしっかり拭けるんです。

登山で持って行くタオルには軽量性・吸水性・速乾性が求められます。

少しでも荷物の重さを減らしたい登山において、軽量性は譲れません。

そして汗をしっかり吸ってくれる吸水性、数日山にこもる縦走登山ともなれば速乾性も必要です。

今回は5つのタオルを比較して、どれが登山に最適か検証していきます。

5つのタオルの基本スペックを紹介

sea to summit エアライトタオルS

筆者撮影

ポリエステルリッチですが柔らかな肌触りが特徴的なタオルです。

軽量性に特化していて、付属のスタッフバッグに小さくコンパクトにまとめられます。

公式サイトには「自重の3倍の重さの水を吸収します」と記載があるので、吸水力の高さが期待できるタオルです。

価格1,980円
サイズ40x80cm
素材リサイクルポリエステル85%+ポリアミド15%
重量30g
品番ST82763001

モンベル クイックドライフェイスタオル

筆者撮影

モンベルのクイックドライフェイスタオルもポリエステルリッチなタオルです。

アウトドアタオルの割に肉厚な素材感なので、こちらのタオルも吸水性が期待できます。

タオルの端にループが付いていて、カラビナなどを使えばザックやテント内に掛けておくことができます。

価格2,530円
サイズ35x80cm
素材ポリエステル80%+ナイロン20%
重量80g
品番1124283

モンベル マイクロフェイスタオル

筆者撮影

こちらはポリエステルとナイロンが半々に混紡されたタオルで、コンパクト性に優れるのが特徴です。

付属の紐を使えばクルクル丸めてコンパクトにまとめて、持ち運びできます。

上記のクイックドライフェイスタオルより薄手のタオルですが、柔らかな肌触りが特徴的なタオルです。

価格1,870円
サイズ35x80cm
素材ポリエステル50%+ナイロン50%
重量29g
品番1124612

モンベル ソークアップタオル

筆者撮影

上記の3つのタオルと違い、PVAスポンジ100%でできたタオルです。

パッケージから開けるとタオルとは思えない硬い風合いの物がでてきますが、水を含むと柔らかくなります。

素材が「スポンジ」というだけあって、高い吸水量が期待できます。

価格1,540円
サイズ32cmx42cm
素材PVAスポンジ
重量約80g(湿潤時)
品番1124552

ミズノ スイムタオル

筆者撮影

ミズノのスイムタオルも上記モンベルのソークアップタオルと同様に、PVAスポンジ素材で作られています。

こちらも乾いた状態だと硬い質感ですが、水を含むと柔らかく変化します。

公式サイトにもあるように、絞ると何度でも水を吸う魔法のようなタオルです。

価格1,760円
サイズ34x44cm
素材PVAスポンジ
重量公式サイト記載なし
品番N2JYB011

サイズの比較

筆者撮影

すべてのタオルを並べてみました。

一番横に長いのはモンベルのクイックドライフェイスタオルです。

数値上は同じくモンベルのマイクロタオルフェイスと同じサイズですが、収納中にシワが入ったためか小さく見えます。

PVAスポンジ素材の2つは他のタオルに比べて小さいです。

首にかけるとどうなるか、フェイスタオルサイズの3枚で実験してみましょう。

筆者撮影

まずsea to summitのエアライトタオルSです。

首に掛けるとちょうど胸にかかるぐらいの長さになっています。

落ちないように結んでも、短すぎる印象はありません。

筆者撮影

続いてモンベルのクイックドライフェイスタオルです。

sea to summitのエアライトタオルSと同じく胸まで来る長さですが、少しだけ長く感じます。

結んでみると厚みがあるためか結び目にボリューム感が出てしまい、エアライトタオルSよりも短く感じられます。

筆者撮影

最後にモンベルのマイクロタオルフェイスです。

上記2つのタオルと同じく胸まで来る長さです。

結んでみると薄手なので結び目が大きくならず、エアライトタオルSと同じように短すぎる印象はありません。

肌触りの比較

筆者撮影

sea to summitのエアライトタオルSはシボ感のある素材で、肌に触れるとドライな質感です。

首や顔を拭いてみると、少しザラッとした肌触りに感じられます。

ザラつきのある質感なので、敏感肌の方は肌への負担を感じるかもしれません。

筆者撮影

クイックドライフェイスタオルは表面に畝状の凹凸があるので、肌に触れると点接触になってベチャッと感が少ないです。

手のひらで触れている分にはドライな質感がありながらも、柔らかさが感じられます。

ですが顔や首を擦ってみると、凹凸があるためザラつきがあります。

筆者は敏感肌ではないですが、首に巻いていると少しチクチク感が感じられるので、敏感肌の方は合わないかもしれません。

筆者撮影

マイクロタオルフェイスは上記2つと比較するとザラつきがなく、マイクロファイバーのような柔らかな質感です。

手や顔を擦っても、ザラつきがありません。

首に巻いてみると、ヒンヤリとした感覚があります。

この接触冷感性はナイロン素材によるものでしょう。

ポリエステル50%とナイロン50%が混紡されているおかげで、今回比較しているタオルの中で唯一接触冷感性が感じられます。

筆者撮影

モンベルのソークアップタオルとミズノのスイムタオルは、どちらも同じPVAスポンジ素材なので生地表面に変わりはありません。

乾いた状態だとパリパリで使用できないので、どちらの商品も水を含ませて使用します。

濡らしてみると柔らかくなり、その状態で水がしっかり拭けるようになるんです。

ただ濡れているので肌に当てるともちろんヒンヤリします。

真夏の山やウォータースポーツの場であれば良いですが、春や秋などさほど暑くない季節に山で使うとなると、寒さを感じるでしょう。

重量の比較

それぞれのタオルの重量を比較します。

筆者撮影

まず一番軽いのがモンベルのマイクロタオルフェイスで、28gです。

タオルの端がヒートカットされていて縫い糸が使用されていないので、その分軽量になっています。

筆者撮影

sea to summitのエアライトタオルSは、33gと比較的軽量です。

モンベルのマイクロタオルフェイスと同じく、タオルの端をヒートカットで処理しているので、縫い糸を使っていない分軽くなっています。

マイクロタオルフェイスよりもサイズが大きいので、その分が重量に反映されたと言えるでしょう。

筆者撮影

モンベルのクイックドライフェイスタオルは82gと重たくなります。

生地が分厚いのと5つのタオルの中で一番サイズが大きいので、重量にもその分反映されています。

筆者撮影

モンベルのソークアップタオルは水で湿らせて、実際の使用状況に即した状態で測定しました。

重量100gと絞り方が甘かったのか、カタログスペックの80gより重たくなっています。

筆者撮影

同じくミズノのスイムタオルも水で湿らせた状態で測定しました。

重量92gとモンベルのソークアップタオルより、若干軽い結果です。

サイズはミズノのスイムタオルの方がソークアップタオルより大きいのですが、重量は軽くなっています。

筆者撮影

収納時のコンパクト性も確認してみます。

sea to summitのエアライトタオルSは収納袋が付いているので、コンパクトに収納可能です。

またモンベルのマイクロタオルフェイスもタオルに付いているループを使ってコンパクトにまとめられました。

ただループでまとめるにはかなりコンパクトに畳む必要があるため、収納のしやすさはsea to summitのエアライトタオルの方が良いです。

モンベルのマイクロタオルフェイスは収納袋も、小さくまとめられるボタン付きのループも付いていなかったので、畳むことしかできません。

よって収納サイズは小さくならないです。

モンベルとミズノのPVAスポンジのタオルには、収納ケースが付いています。

少しだけモンベルのソークアップタオルの方が小さいですが、その分収納するのに手間取りました。

収納しやすさはミズノに軍配が上がります。

吸水力の比較

5mlの水を垂らして、下のテーブルにどれぐらい水滴が残るかを確認します。

筆者撮影

sea to summitのエアライトタオルSをテストします。

水を垂らした瞬間から吸ってくれ、広範囲に拡散されていくのが分かります。

タオルをめくってみるとテーブルには水滴が残っていますが、広範囲に水滴が残りました。

スポット的に水を垂らすとこのようになってしまいますが、タオルの広範囲で汗を拭くとすぐに拡散して乾いてくれるでしょう。

筆者撮影

モンベルのマイクロタオルフェイスをテストします。

水を垂らすとタオル表面で丸くなってしまい、吸収するのに時間がかかります。

一気に5ml垂らすと吸水されずタオル表面に留まってしまいました。

タオル裏はビチャっと濡れてしまい、テーブルにも吸いきれなかった水滴が見られます。

筆者撮影

モンベルのクイックドライフェイスタオルをテストします。

水を垂らした瞬間から吸ってくれるわけではないですが、ジワッと吸水、拡散してくれました。

厚みがあるので高い吸水力を期待していましたが、テーブルには吸いきれなかった水が若干残る結果です。

筆者撮影

モンベルのソークアップタオルは実際の使用に沿って、濡らした状態でテストします。

5ml垂らしてみましたが、水に触れた瞬間からすぐに吸ってくれて、PVAスポンジの威力を感じられます。

テーブルにも水滴は残っていませんでした。

筆者撮影

ミズノのスイムタオルも実際の使用に即して、濡らした状態でテストをします。

5ml垂らしてみましたが、PVAスポンジがぐんぐん吸水してくれ、タオルの下のテーブルを見てもまったく水が残っていませんでした。

水泳でも使われるのが分かる通り、高い吸水性が分かります。

テストをしてみると、吸水性が高いのはPVAスポンジ製のソークアップタオルと、スイムタオルであると言えます。

ですが実際に登山中に使うタオルとなると、エアライトタオルSか、クイックドライフェイスタオルが吸水力は高いです。

速乾性の比較

5mlの水を垂らして、室温16℃の部屋の中に置いてどれだけ早く乾くかをチェックします。

30分後、モンベルのマイクロタオルフェイスがまだシットリしているものの、4割ぐらい乾いてきました。

80分後、モンベルのマイクロタオルフェイスは8割乾いてきました。
sea to summitのエアライトタオルSは6割ぐらい乾いてきています。

最終的に乾燥までかかった時間をまとめます。

sea to summit エアライトタオル1時間55分
モンベル マイクロタオルフェイス1時間40分
モンベル クイックドライフェイスタオル4時間10分
モンベル ソークアップタオル5時間55分
ミズノ スイムタオル5時間40分

最終結果としてモンベルのマイクロタオルフェイスが一番早く乾き、次いでsea to summitのエアライトタオルという結果でした。

PVAスポンジ素材の2つはなかなか乾かなかったですが、濡らして使うことが前提のタオルなので完全に乾燥しなくても使えるというのがポイントです。

登山にもっとも適したタオルは?

筆者撮影

肌触り、吸水力、速乾性を考えると一番バランスが取れているのは、sea to summitのエアライトタオルと言えるでしょう。

水分の拡散性が著しく早く、凹凸感のある素材も相まって、汗を拭いてもベタつかない使用感です。

唯一収納袋が付いているので、使わない時は袋に入れて持ち運びできるのも嬉しいです。

PVAスポンジ製の2つのタオルは登山中の使用には使いにくいですが、テントの結露を拭くのにかなり使えます。

登山用タオルは何枚あっても困らないので、山好きの人へのプレゼントにも最適ですよ。