モンベルとファイントラックのメッシュインナーの特徴は?
モンベル

モンベルのメッシュインナーは「ZEO-LINEクールメッシュ」を紹介します。
「ZEO-LINEクールメッシュ」はモンベルのアンダーウェアシリーズの中で一番薄い素材です。
メッシュ地による通気性に加え、吸水速乾性を備えているため、夏の暑い時期に汗をかいても肌面をドライに保ってくれます。
ファイントラック

ファイントラックのメッシュインナーは「ドライレイヤークール」を紹介します。
ファイントラックの「ドライレイヤー」シリーズの中で一番薄い素材です。
生地に耐久撥水を持たせたアンダーウェアで、汗をかいてもすぐに肌面から汗を引き離して、ドライ感が持続します。
モンベルとファイントラックのメッシュインナーを徹底比較
素材
モンベルの「ZEO-LINEクールメッシュ」はポリエステル100%の素材で、吸水速乾性に優れています。
さらにメッシュ状の素材になっているため、通気性も高いです。
対してファイントラックの「ドライレイヤークール」はナイロン88%、ポリウレタン12%の素材が使われています。
接触冷感性のあるナイロン素材を使用していることで、着た瞬間からヒンヤリ感を得られます。
ポリエステル素材よりも摩擦耐久性は高いため、ファイントラックの「ドライレイヤークール」の方がモンベルのアンダーウェアよりも毛玉はできにくいでしょう。
生地の厚み

生地の透け感を比べてみると、ファイントラックの「ドライレイヤークール」の方が透け感が強いです。
このことから、ファイントラックのアンダーウェアの方が薄手と言えるでしょう。
生地が薄いと通気性が高く、熱がこもりにくくなるのが利点です。
ただ汗を吸う量に限界があるため、大量に汗をかいた場合はアンダーウェアが汗を吸いきれずに肌面に水滴が残ってしまいます。
実際に着用した場合の違いは、登山で使って検証してみます。
撥水性と吸水性
モンベルの「ZEO-LINEクールメッシュ」に水を垂らして、吸水性をテストしてみます。
すばやく水を吸って表の生地の広範囲に拡散してくれています。
拡散してくれることで、乾きが早くなって汗冷えを防ぐんです。
対してファイントラックの「ドライレイヤークール」にも水を垂らしてみます。
撥水が効いているので、しっかりと水が転がります。
一度洗濯しましたが、耐久撥水機能のおかげで機能性は落ちていません。
生地に撥水が効いているおかげで、肌側の生地に水滴が残らずに表の生地に拡散してくれるんです。
また雨でTシャツが濡れてしまっても、撥水加工のアンダーウェアが水を遠ざけて身体が冷えるのを防いでくれます。
雨が降った時に撥水加工のアンダーウェアは真価を発揮してくれます。
通気性
モンベルもファイントラックも、どちらもメッシュ調で通気性の高い素材が使用されています。
生地にドライヤーを当てて、反対側にあるティッシュがどれぐらいなびくかで通気性をテストします。
ドライヤーを被せた段階では、ファイントラックのアンダーウェアの方が膨らみが大きいように感じます。
ティッシュはどちらもしっかりなびくため、通気性が高いことがうかがえます。
どちらかと言うと、ファイントラックの方がティッシュの動きは大きいように感じました。
生地が薄いということもあり、通気性はしっかりと確保されています。
フィット感

モンベルの「ZEO-LINEクールメッシュ」はポリエステル100%でできているため、ファイントラックのアンダーウェアに比べるとストレッチ性は劣ります。
肌にぴったりフィットするというよりは、若干身幅部分にゆとりを感じます。
生地はザラッとした質感のため、敏感肌の方はチクチク感を感じそうです。
一方ファイントラックの「ドライレイヤークール」はポリウレタンが12%入っているため、ストレッチ性に優れます。
身体にしっかり密着するような生地感で、モンベルのアンダーウェアよりもフィット感が高いです。
着た瞬間は若干締め付けを感じましたが、着ているうちに気にならなくなりました。
モンベルのアンダーウェアに重ねてみると、ファイントラックの方が身幅がかなりスリムになっていることが分かります。
生地感は滑らかで柔らかく、モンベルのアンダーウェアよりもチクチク感が少ないです。
縫い目はどちらのアンダーウェアも「フラットシーマー」という凹凸の少ない縫い方が採用されています。
凹凸が少ないおかげで、肌に当たってもチクチクしにくいという利点があります。
ニオイ対策

モンベルの「ZEO-LINEクールメッシュ」は制菌加工が施されています。
ニオイの元となるバクテリアの数を時間の経過とともに減らしてくれる加工です。
長期縦走登山で着てもニオイが気にならないような加工になっています。

対してファイントラックの「ドライレイヤークール」は、抗菌防臭加工が施されています。
ニオイの元となる黄色ブドウ球菌の発生を99.9%抑制するという試験データが出ています。
さらに撥水加工が施されていることで、ニオイの原因菌の発生源になる皮脂汚れが付きにくいのも特徴です。
撥水加工と抗菌防臭加工の2つでニオイの元を抑えてくれます。
モンベルとファイントラックのメッシュインナーを登山で着て比較
3泊4日で北アルプスをテント泊縦走してテストしました。
初めの2日間はモンベルの「ZEO-LINEクールメッシュ」を着用し、後半の2日間はファイントラックの「ドライレイヤークール」を着用しています。
4日間通して晴れていて日中の気温は高かったです。
気温に加えてアップダウンが激しいルートだったため、かなり汗をかくというコンディションで検証しています。
モンベル

1日目は登山口からテント場に向けてハイクアップです。
樹林帯を歩いている間は蒸し暑かったこともあり、かなり汗をかきました。
森林限界を抜けて風が出るようになって汗冷えの懸念がありましたが、発汗量が多かった割には冷えを感じにくかったです。
アンダーウェアを触ってみても背中側は濡れていましたが、お腹側はサラッとドライな質感のままでした。
肌面にも汗は残っておらず、快適性は高いと感じます。
約6時間でテント場に着いてニオイを嗅いでみたところ、少し汗のニオイはしました。
ただ日中の発汗量から考えるとニオイは少なく、制菌加工の効果を実感できます。

2日目は次のテント場に向けて、アップダウンの多い道を約6時間歩きます。
この日も発汗量が多かったですが、初日と変わらず肌面はドライで汗冷えもしませんでした。
2日目ともなると少し汗のニオイが気になり始めます。
ユニクロなどのアンダーウェアに比べるとニオイは抑えられている方ですが、まったく無臭と言うわけではないです。
ファイントラック

縦走登山3日目と4日目にファイントラックの「ドライレイヤークール」を着用しました。
着た瞬間は若干締め付け感を感じましたが、しばらくすると問題なく慣れました。
フィット感の強さは人によって好みが分かれそうです。
ナイロン素材を使用しているので、着た瞬間の涼しさはモンベルよりもファイントラックの方に軍配が上がります。
3日目は基本的に稜線歩きで、山頂手前で急坂があるような環境でした。
良く晴れていましたが風があったので、発汗量は1日・2日目に比べると少なかったです。
汗の量が少なかったとは言え、発汗しても肌面に水が残りませんでした。
急坂を上った直後はさすがに背中側はベチャつきを感じましたが、お腹側はドライなままです。
山頂で休んでいる間は汗冷えを感じず、濡れていた背中側もすぐに乾いてくれました。

4日目は2日かけて登ってきたルートを1日で降りる行程です。
アップダウンが激しく、行程の後半になると標高が下がって樹林帯に入り、蒸し暑い環境でした。
3日目と比べてこの日は発汗量が多かったです。
汗の量が増えるとさすがに「ドライレイヤークール」の極薄手の生地では汗を吸いきれず、肌面に汗が残っていました。
ちなみに「ドライレイヤー」シリーズは上に吸汗速乾ウェアを重ねることで、効果を発揮してくれます。
今回は「ドライレイヤークール」の上にウールとポリエステル混紡Tシャツを着ていたため、ポリエステル100%のTシャツに比べると「ドライレイヤー」の効果が発揮されなかった可能性もあります。
ですが生地の厚みがある方が汗を吸う量は多いため、汗の量が多い場合はモンベルの「ZEO-LINEクールメッシュ」の方が良いでしょう。
発汗量が多い人でファイントラックの「ドライレイヤー」を使う場合は、薄手生地の「ベーシック」を選ぶのがおすすめです。
下山後2日間着た「ドライレイヤークール」のニオイを確認してみましたが、若干汗のニオイがしました。
防臭対策についてはモンベルの方にやや分があるように感じますが、どちらの防臭加工も100%ニオイを抑えてはくれませんでした。
比較表
モンベル | ファイントラック | |
価格 | 2,420円 | 5,280円 |
素材 | ポリエステル100% | ナイロン88%, ポリウレタン12% |
厚み | 薄手 | 極薄手 |
機能 | 吸水 | 撥水 |
通気性 | ◎ | ◎ |
防臭機能 | 制菌加工 | 抗菌防臭加工 |
フィット感 | ややゆったり | フィット感強め |
商品リンク | ZEO-LINEクールメッシュ | ドライレイヤークール |
モンベルとファイントラックのアンダーウェアで汗冷えにおさらば

モンベルとファイントラックのメッシュインナーを登山で使って比較しました。
吸水加工のモンベルと、撥水加工のファイントラックで着心地がかなり分かれる結果となりました。
ただどちらのアンダーウェアを選んでも汗冷えせず、快適な登山ができます。
発汗量が多い方はモンベルの「ZEO-LINEクールメッシュ」の方がおすすめです。
雨による身体の冷えの対策もしっかりしたい方はファイントラックの「ドライレイヤークール」を選びましょう。
自分に合ったアンダーウェアで夏山シーズンを快適に過ごしてください。