【忖度なしの自腹検証】ユニクロのウインドブレーカーは登山で使えるのか?

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目次

ポケッタブルUVカットパーカ

日本を代表するカジュアルブランドのUNIQLOで登山でも使えそうなウインドブレイカーを発見しました。

その名も「ポケッタブルUVカットパーカ」です。

商品名だけでも「ポケッタブル」に「UVカット」と既に登山でも有効活用できそうな名前です。

このポケッタブルUVカットパーカの機能的なポイントに迫り、実際に登山で使えるのか検証していきます。

価格¥3,990(税込み)
サイズ展開XS, S, M, L, XL, XXL, 3XL, 4XL
色展開6色(グレー, ブラック, オレンジ, ブルー, ネイビー, グリーン)
素材100%ナイロン

ポケッタブルUVカットパーカのおすすめポイント

軽量性・コンパクト性

筆者撮影

ポケッタブルUVカットパーカには薄手の素材が使用されているため、軽量性と柔らかさに優れます。

着ていてストレスがないのはもちろんですが、ジャケットに付属のスタッフバッグに収納して持ち運ぶこともできるんです。

軽いので防寒着としてバックパックの中に入れておいても邪魔になりません。

UVカット機能

出典:Pixta

商品名の通りUVカット機能が付いています。

紫外線が気になりだす春先~夏にかけて嬉しい機能ですよね。

糸自体に紫外線を反射する原料を練り込むことによって、糸の1本1本にUVカット機能を付け、紫外線を糸の外側に反射させるんです。

白など淡色のジャケットだとUVカット機能が劣ることもありますが、色展開も濃色が多くなっているため不安なく着ることができます。

撥水性

筆者撮影

アウトドアブランドのウインドブレイカーには必ずと言っていいほど付いているのが撥水機能ですよね。

もちろんユニクロのポケッタブルUVカットパーカにも付いています。

小雨程度の雨なら難なく弾いてくれるので、短時間雨に当たってしまうようなシーンでも安心です。

アウトドアブランドスペックの生地

筆者撮影

UVポケッタブルパーカには薄手(20d)のリップストップナイロン素材が採用されています。

リップストップとは碁盤の目状に見える生地のことを呼びます。
この織り方により薄手の生地にも引き裂き強度を持たせることができるんです。

ジャケット裏面にはアクリルコーティングと呼ばれる樹脂加工が施してあり、防風性を高めています。

表の生地と裏面のアクリルコーティング加工により、アウトドアブランドのウインドブレイカーと同等の軽量性・防風性というスペックを備えているんです。

また安いウインドブレイカーにありがちな光沢感が少なく、高見えする素材になっています。

テカリが少ないため山だけでなく、街で着ても馴染みます。

アウトドアブランドで買えば¥7,000以上はするこのスペックが¥3,990はかなりコスパが高いです。

ポケッタブルUVカットパーカの気になる点

袖口・裾のゴム

カジュアルブランドのユニクロが作ったということもあり、袖口と裾のゴムの締まりがやや緩いように感じます。

モンベルのU.Lストレッチウインドジャケットと比べても、明らかにすき間がありますね。

筆者撮影

裾もゆったりしておりドローコードも付いていないので、森林限界を超える夏山で風に煽られるとバタつきが気になるかもしれません。

肩頂点の縫い目

筆者撮影

ジャケットの肩頂点部分に縫い目が通っています。

頂点よりやや外れてはいるものの、長時間バックパックを背負ったときの肩のゴロツキといった不快感が懸念されます。

またポケッタブルUVカットパーカは撥水性はあるものの、防水性はありません。

つまり縫い目に防水処理がされていません。

そのため肩の頂点部分に縫い目があると、雨が降ってきた時にこの部分から水が侵入してくる可能性が高いです。

本降りの雨の時や行動時間が長い場合はレインウェアを着ましょう。

機能性のテスト

モンベルのU.Lストレッチウインドジャケットと比較していきます。

撥水性

筆者撮影

水が転がるので撥水は効いていますが、特別高いというわけでもないです。

ジッパー部分にも水を垂らしてみましたが、ジッパー内部に水は侵入していませんでした。

公式サイトに記載はありませんが、撥水ジッパーになっているようです。

筆者撮影

登山中に滝の水を当ててみたところ、当てた部分が濡れて少し肌に貼り付いてくるような感覚はありました。

撥水加工は施されているのですが、とても良く効いているというわけではありません。

「撥水加工があれば小雨でも大丈夫!」と過信しすぎないようにしましょう。

重量

筆者撮影

まずモンベルのU.Lストレッチウインドジャケットから測定しました。

生地がかなり薄くフードも付いていないというのもあり、84gとかなり軽量です。

筆者撮影

一方ユニクロのポケッタブルUVカットパーカは140gでした。

フード付きなのでモンベルに比べると重たくはなりますが、それでもウインドブレーカーとしては軽量な部類です。

ちなみにモンベルで販売されているオーソドックスなウインドブレーカーと比べると、Men’sサイズの平均重量で174gなのでユニクロのポケッタブルUVカットパーカの軽量性が分かります。

コンパクト性

筆者撮影

左がモンベルのU.Lストレッチウインドジャケット、右がユニクロのポケッタブルUVカットパーカです。

モンベルは横に広く、ユニクロは縦に長く収納されています。

ユニクロはパーカに付属の袋に収納していますがかなりゆとりがあるため、もう少し小さめの袋に入れるとモンベルのジャケットと変わらないぐらいのサイズ感にはなりそうです。

防風性

ドライヤーにジャケットを被せ、当てたティッシュペーパーがどれぐらいなびくかでテストします。

筆者撮影

モンベルのジャケットはもちろん風をブロックしてくれていますが、ユニクロも薄手のパーカにも関わらず風はしっかりと防いでくれています。

これは生地裏面に塗られている樹脂コーティングのおかげです。

登山で使えるのか?実際に山に登って検証

筆者撮影

兵庫県にある六甲山系のバリエーションルート、地獄谷を登って検証してきました。

最高気温は21℃と半袖を着ていても汗をかくような天候でした。

軽量なので着ていてストレスもなく、暑くなった時にジャケットを脱いでもコンパクトに収納できるので使いやすかったです。

ただジャケット裏面に防風性を高めるための樹脂コーティングが施されているということもあり、汗をかいたときに肌にペタペタと貼りつく感じがありました。

ですがこれはアウトドアブランドのウインドブレイカーでも起こることなので、致し方ないところもあります。

筆者撮影

身長163cmで男性用のMサイズを着用しています。

オーバーサイズで着ているということもありますが、それを差し引いてもシルエットは全体的にゆったりした印象です。

身頃部分と袖の生地が余っているので、高山の稜線上だと風に煽られたときにこの生地がバタつく可能性が高いです。

筆者撮影

裾は後ろに向かって下がっていくようなデザインになっています。

かがんだ時に腰が見えにくいデザインは嬉しいです。

裾にはぐるりとゴムが入っていますが、少し緩い印象があります。

筆者撮影

フードの口は大きめなので口元近くまでは覆えません。

この辺りの作りはカジュアルブランドという感じがします。

筆者撮影

ポケットは腰回りの左右に付いていますが、バックパックのヒップベルトを付けるとポケットと干渉してしまいます。

登山中はジャケットのポケットは使えないものと思いましょう。

ユニクロのポケッタブルUVカットパーカは登山で使える

筆者撮影

ユニクロのポケッタブルUVカットパーカは、軽量・コンパクト性や使用されている生地のスペックを考えても、登山で使用しても問題ないレベルのウインドブレーカーでした。

ただしシルエットはカジュアルブランドらしくゆったり目になっているので、森林限界を超える高山の稜線上で風が吹くと裾や袖がバタつく可能性が高いです。

ですが春~秋の低山であれば問題なく使えるスペックなので、この春から登山デビューした方は買って損はない1着だと思います。