梅雨の時期の花といえば、紫陽花(あじさい)。
山登りは晴天の日に行きたいものですが、雨や曇りの天気が続く梅雨の時期はなかなか山に行けずにいる人も多いと思います。
今年の梅雨は、曇り空でもあじさいを目的に山に登るのはいかがでしょうか。
今回の記事では、関東のあじさいが楽しめる関東の山を3つご紹介します。
【あきる野】南沢あじさい山
見どころ
南沢あじさい山は東京都あきる野市に位置し、その名前のとおりあじさいの名所です。
所有者である南澤忠一さんが、両親のお墓への道に毎年少しずつあじさいの苗を植え、約半世紀かけて10,000株ものあじさいが咲き誇る山になりました。
珍しい種類のあじさいもあり、見応え抜群です。
おすすめハイキングコース
今回おすすめするのは、南沢あじさい山を経由して日の出山を目指すハイキングコースです。下山後すぐ温泉に入れる癒しプランです。
南沢あじさい山(70分)→タルクボ峰(90分)→日の出山(90分)→つるつる温泉
コースタイム | 体力レベル | 技術レベル |
4時間10分 | ★★☆☆ | ★☆☆☆ |
南沢あじさい山の最寄駅は武蔵五日市駅です。
駅から徒歩40分ほどで南沢あじさい山に行けますが、あじさいシーズン(毎年6月中旬〜7月上旬)はシャトルバスが運行しているので、歩かずにバスで行く方法もあるので、ぜひシャトルバス利用も検討してみてください。
南沢あじさい山は10,000株ものあじさいが咲き誇る山。山いっぱいのあじさいをゆっくり歩いて味わうことができます。
南沢あじさい山であじさいを堪能したあとは、タルクボ峰を経由して日の出山の山頂に向かいます。
日の出山は名前の通り、日の出がよく見えるような見晴らしのいい山頂になっています。東屋のほかにベンチも沢山あり、ランチする登山者で賑わっていますよ。
隣接する御岳山の方面に3分ほど歩いたところにトイレもあるので安心です。
日の出山から西の方向に90分山を下っていくと、つるつる温泉に辿り着きます。つるつる温泉は日の出山で登山を楽しんできた人に大人気です。
筆者が行ったときはツアー登山者が多く混雑していましたが、お風呂が広くシャワー数も多いため、シャワーの順番待ち等は起きず快適にお風呂を楽しめました。
つるつる温泉には「パノラマ食堂」という食事処があり、おつまみやお酒がたくさんあります。登山後に温泉に入ったあとは、お酒をグビッと飲んで疲れを癒すのもアリですね。
料金・時間
南沢あじさい山は私有地のため入山料として600円がかかるほか、入山時間が9:00〜17:00のため、ハイキングに向かう人はご留意ください。(2023年6月時点)
【鎌倉】大仏ハイキングコース
見どころ
あじさいで有名な観光スポット、鎌倉。特に鎌倉であじさいスポットとして有名な場所が、明月院と長谷寺です。
「あじさい寺」とも呼ばれる明月院の真っ青なヒメアジサイが咲き乱れる石段は格別です。長谷寺では色とりどりのあじさいに、由比ヶ浜の海の両方の景色を楽しめます。
この2つの寺院を経由しつつ、登山を楽しめる鎌倉大仏ハイキングコースを紹介します。
長谷駅(5分)→長谷寺(10分)→鎌倉大仏(60分)→銭洗弁財天(10分)→葛原岡神社・源氏山公園(30分)→明月院(10分)→北鎌倉駅
コースタイム | 体力レベル | 技術レベル |
2時間5分 | ★☆☆☆ | ★☆☆☆ |
江ノ島電鉄の長谷駅からスタートし歩くこと5分、すぐに長谷寺に到着します。
長谷寺の眺望散策路には2,500株を超えるガクアジサイ、ヤマアジサイが植えられており、散策路上段からは由比ヶ浜の海も展望も楽しめます。
あじさいシーズンの長谷寺は非常に混むため、開館時間である午前8時前には到着すると比較的混雑を避けられそうです。
次に、長谷寺から歩くこと10分、登山口に向かう途中に鎌倉大仏で有名な高徳院があります。こちらは朝8時から拝観できるので、ハイキング前に立ち寄ることも可能です。
他にもハイキングコースの途中で5分ほど足を伸ばせば、お金を洗うと何倍にも増えて戻ってくるといわれる霊水「銭洗水」が湧く神社として有名な銭洗弁財天で金運UPを狙えます。
鎌倉大仏ハイキングコースの登山道は、木の根の多い道という印象です。傾斜はどこも緩やかで、幼稚園児くらいの子供とハイキングしているファミリー層も見かけます。
傾斜のある箇所は、階段状にきれいに整備されています。
源氏山公園を通過し歩くこと30分、明月院に到着します。
長谷寺と人気を二分するスポットであり、別名「あじさい寺」と呼ばれる明月院には、姫あじさいをメインとした2500株ものあじさいが植えられています。石段の両脇を埋め尽くす青いあじさいの様子は「明月院ブルー」と呼ばれ鎌倉の定番あじさいスポットです。
明月院と長谷寺以外にも、このコースの途中で通る葛原岡神社、源氏山公園も隠れたあじさいの名所です。あじさい尽くしのハイキングコース、ぜひ歩いてみてはいかがでしょうか。
料金・時間
長谷寺
拝観時間:8時00分開門~17時00分閉門(閉山17時30分)
上記対応期間:あじさい開花状況が5分咲き~見頃終了まで
拝観料:400円
あじさい入場券:500円
明月院
拝観時間:8時30分~17時00分(最終受付16時30分)
上記対応期間:2023年6月中
拝観料:500円
(2023年6月時点)
【箱根】小涌谷~浅間山コース
見どころ
箱根登山鉄道は、箱根湯本駅から強羅駅を結ぶ日本で有数の本格的な山岳鉄道です。
車窓に触れそうなほど咲き誇るあじさいが見られることから、「あじさい電車」とも呼ばれています。
登山コース内であじさいが見れるわけではありませんが、登山前や下山後に乗る箱根登山鉄道からあじさいを楽しめるコースを紹介します。
おすすめハイキングコース
箱根登山鉄道の小涌谷駅からスタートし、箱根新期外輪山である鷹巣山、浅間山を通って、小涌谷駅の隣駅である宮ノ下駅に下山するコースです。
小涌谷駅(15分)→千条(ちすじ)ノ滝(30分)→小涌谷分岐(15分)→鷹巣山(10分)→小涌谷分岐(10分)→浅間山(5分)→宮ノ下分岐(70分)→宮ノ下駅
コースタイム | 体力レベル | 技術レベル |
2時間35分 | ★☆☆☆ | ★☆☆☆ |
スタートは箱根登山鉄道の小涌谷駅になります。小涌谷駅は、箱根湯本駅から箱根登山電車に乗って30分です。
車窓に触れそうなほどのあじさいが咲き誇る山の斜面をジグザグに登っていきます。車内から色とりどりのあじさいを堪能しましょう。
小涌谷駅からハイキングをスタート。小涌谷駅から登山口を通過し、歩くこと12分で千条(ちすじ)の滝に到着します。高さ3m、幅は12mの滝が間近に見られます。滝の横には細い川も流れマイナスイオンたっぷりです。
浅間山山頂は草原になっていて日当たりがいいです。休憩用のテーブルも用意されています。
このコースは宮ノ下駅へと降りるため、宮ノ下で観光や日帰り温泉を楽しめます。宮ノ下駅からまた箱根登山鉄道に乗ってあじさいを見ながら帰宅できます。
こちらは、3時間弱の短いコースでした。
もっと歩きたい人は浅間山から東方向に行き、道幅が広くて傾斜もなだらかな湯坂道を通って箱根湯本駅まで歩くコースもあります。
他にも、鷹巣山を通ってさらに南に進むと芦ノ湯を経由して元箱根、芦ノ湖に行くコースもありますよ。
どのコースでいっても箱根八湯の温泉が近く、立ち寄り湯が楽しめます。さすが箱根です。
おわりに
以上、あじさいを楽しめる関東周辺の山3選を紹介しました。
今年の梅雨は、あいにくの曇り空のときはガッツリ登山ではなくあじさいを楽しめるゆったり登山を計画してみてはいかがでしょうか。