モンベルのメリノウールプラスライトTを紹介

人気アウトドアブランド「モンベル」の「メリノウールプラスライトT」を紹介します。
ウールの中でも最高品質と言われるメリノウール素材に、速乾性を持つポリエステルを混紡したTシャツです。
ウールと言えば「着るエアコン」と言われるほど調湿機能が高かったり、防臭性に優れていたりというメリットがあります。
モンベルの「メリノウールプラスライトT」がどれほど登山で効果を発揮してくれるのか、実際に縦走登山で着てテストしました。
価格 | Men’s: 8,580円 Women’s: 8,030円 |
素材 | メリノウール78%+ポリエステル22% |
サイズ展開 | Men’s: S, M, L, XL Women’s: XS, S, M, L, XL |
色展開 | Men’s: 3色 Women’s: 2色 |
品番 | Men’s: 1114604 Women’s: 1114605 |
メリノウールプラスライトTのおすすめポイント3つ
ウェア内の湿度を快適に保つ

ウールは「着るエアコン」と呼ばれるほど、調湿機能に優れています。
その調湿機能の秘密は、ウールの繊維表面を覆う「スケール」にあります。
ウロコ状になっているスケールは、ウェア内の湿度が高まると開いて湿気を外部に放出してくれます。
反対にウェア内が乾燥状態になるとスケールが閉じて、繊維内の水分をとどめてくれるんです。
スケールがウェア内の湿度を自動で調節してくれることから、体温の急激な変化を抑えて汗冷えを予防してくれます。
高い防臭性

ウールには天然の防臭機能が備わっています。
スケールに覆われた皮質内には、アミノ基とカルボキシル基という反応基があります。
アミノ基は汗の臭いに含まれる酢酸と、カルボキシル基はアンモニアと結合して化学反応を起こすことで臭いを消しているんです。
化学繊維に付与されている防臭加工は、化学物質を使わなければ付与できません。
ですがウールは繊維そのものに防臭機能が備わっているため、化学物質を追加で付与する必要がなく、人にも環境にも優しいんです。
この防臭機能は洗濯をしても持続してくれるため、長期間同じTシャツを着続けても臭わないという優れものです。
ウール100%のTシャツよりも乾きが早い

モンベルの「メリノウールプラスライトT」にはポリエステルが22%混紡されています。
ウール100%だと濡れてしまったときに乾くまで時間がかかります。
ですが水分の拡散性と速乾性に優れるポリエステルを混紡することで、ウールの弱点をカバーしているんです。
ポリエステル100%のTシャツに比べると速乾性は劣りますが、ウールが混紡されることでゆっくりと乾いてくれます。
急激な体温変化を抑えてくれるので、汗冷え対策につながるんです。
メリノウールプラスライトTの機能性をチェック
吸水性
「メリノウールプラスライトT」に水を垂らしてみました。
吸水はしませんが、水がコロコロ転がるので撥水が効いていると分かります。
ウールは羊の毛なので、繊維表面に脂の膜が張っています。
そのため繊維自体が水を吸わない疎水性の性質を持っているんです。
ですが繊維が吸い込む水分の量が増えると親水性の性質に変化し、水を吸ってくれます。
歩き始めたばかりで軽く汗をかいている間は汗を弾いてくれますが、ハイクアップ中に大量の汗をかき始めるとしっかり吸ってくれるんです。
この性質のおかげで肌に触れている部分は汗をかいてもドライな質感で、かいた汗はゆっくりと気化してくれるため汗冷えしにくくなります。
耐摩耗性
「ウール=毛玉ができやすい」というイメージがあるため、摩擦強度をテストしてみます。
ベルクロで引っかいてみたところ、かなり引っ掛かりを感じます。
実際2回引っかいただけで、繊維が出てきてしまいました。
岩のザラザラした面に強く擦れたりすると、毛玉ができる可能性は高いです。
ちなみに4日間テント泊の装備を背負った状態で「メリノウールプラスライトT」を着たところ、肩部分に若干の毛羽立ちが見受けられました。
毛玉にはなっていませんが、長い間着用を続けると毛玉はできてくるでしょう。
メリノウールプラスライトTの気になる点2つ
汗ジミ

選んだ色が悪かったのもありますが、汗ジミは写真のように目立ちます。
20~30分の長めの休憩の間に乾いてくれましたが、ハイクアップ中は発汗量が増えるため仕方ない部分ではあります。
ブラックやネイビーなどの濃色や、白であれば目立ちませんが、「メリノウールプラスライトT」にはグレーやブルーなどの汗ジミが目立ちやすい色がラインアップされています。
ウールとポリエステルの混紡品なので、ポリエステルに使用される染料ではウールが染まらずメランジ調の見え方になるんです。
そのためポリエステル100%のTシャツのような濃いブラックやネイビーの色に染められず、汗ジミの目立ちやすい色になるのは気になるポイントです。
着始めのニオイ

ウールの繊維には汗の臭いを抑えてくれる防臭性があります。
ですが汗を大量にかいてスケールが開いている状態のときは、ウール繊維自体の臭いがします。
羊の毛なので、若干の動物臭がするんです。
汗を吸った後に乾いてしまえば気にならなくなりますが、Tシャツが濡れている間は微かに臭いがします。
強い臭いではないですし、乾いてしまえばまったく気になりませんが、臭いに敏感な方は注意が必要です。
メリノウールプラスライトTを縦走登山で使ってレビュー

3泊4日テント泊での縦走登山でモンベルの「メリノウールプラスライトT」を使用しました。
筆者はこれまでポリエステル100%のTシャツを使っていて、今回初めてメリノウールのTシャツを着用しました。
結論から言うと、ポリエステル100%のTシャツには戻れないぐらい快適でした。
サイズ感はゆったりとした着心地で、フィット感は少ないです。

初日のハイクアップでかなり汗をかきましたが、お昼ご飯を食べている間でも汗冷えしませんでした。
「ウールを夏に着ると暑いのでは?」という思い込みがありましたが、汗をかいても暑くなりすぎず、蒸れることもありません。
若干ウールのチクチク感を感じる肌触りですが、着ている間に気にならなくなりました。
ですが敏感肌の方は購入前に試着をおすすめします。
テント場に着いてTシャツの臭いを嗅いでみました。
汗の臭いはまったくしませんでしたが、若干動物のような臭いは感じられました。
テント場に着いてすぐという状況で汗をかいていたこともあり、スケールが開いていたので動物臭がしたと思われます。
その後汗が引いてTシャツが乾くと、臭いは気にならなくなりました。

その後3日間通して着ましたが、まったく汗冷えをしなかったんです。
これまで着ていたポリエステル100%のTシャツであれば、大量の汗をかいてすぐ休憩をすると寒さを感じていました。
またベチャッとした手触りも気になっていました。
ですが「メリノウールプラスライトT」は、大量に発汗してもベタつきを感じず、汗冷えもしなかったんです。
さらに4日間着替えずに過ごしましたが、Tシャツからはまったく汗の臭いがしませんでした。
ポリエステル100%のTシャツであれば抗菌防臭加工がされていても、2日も着れば臭っていました。
「メリノウールプラスライトT」からは汗の臭いがせず、初日と最終日でほとんど臭いは変わっていなかったんです。
汗冷えのしにくさと、防臭性の高さのおかげで高山での長期縦走を快適に楽しめました。
「メリノウールプラスライトT」は連泊する登山で、強くおすすめしたい商品です。
メリノウールプラスライトTは縦走登山でかなり使える!

モンベルの「メリノウールプラスライトT」を紹介しました。
メリノウールとポリエステルを混紡することで、ウールの吸放湿性と防臭性に加えて、ポリエステルの速乾性を併せ持つ最強のTシャツに仕上がっています。
実際4日間の縦走登山で着てみて、まったく臭いがしなかったことに驚きました。
汗冷えもしにくく、濡れてもベチャつかずにドライなタッチが続いて快適な着心地です。
適度な保温性もあるので、夏山の縦走登山だけでなく秋の低山登山にも使えるでしょう。
様々な登山シーンで活躍してくれること間違いなしのTシャツです。