尾瀬と言えば、長く続く木道とその先に見える山々が美しく日本百景にも選ばれるほどの風景が広がり、誰もが心を奪われる景色が広がります。
登山者はもちろん、登山者以外も尾瀬は歩きやすく整備されており高山でしか見られない植物も多く自生しており見どころが多い場所です。
尾瀬が自然保護の始まり
尾瀬の木道に目を向けると「TEPCO(東京電力)」の刻印が見られると思います。
尾瀬は本来、日本の経済成長を支えるためにダムを建築し水力発電を行う計画がありましたが、登山者や文化人や地域の反対活動によりダム計画は断念されました。
これを契機に日本では自然保護活動が注目される事となり、ゴミの持ち帰り、木道の整備(木道以外を踏ませないことで植物を保護する役割)、マイカー規制、廃水処理など厳しい制限が行われている場所でもあり、東京電力や皆さんの努力によってありのままの自然が維持されているのが尾瀬なのです。
アクセス
最も多く利用されるコースが鳩待峠から尾瀬ヶ原を歩くコースです。
高低差も少なく、道も整備されているので歩きやすく、尾瀬の湿原を見渡せます。
戸倉←→鳩待峠まではマイカー規制されているため必ずバスまたはタクシーに乗る必要があります。
マイカーでのアクセス(尾瀬戸倉まで)
関越自動車道沼田I.Cから尾瀬戸倉まで下道を約1時間程度。
駐車場
戸倉には3つの駐車場があります。
- 第一駐車場(有料)は土日祝であれば早い段階で満車となります。
- 第二駐車場(有料)
- スノーパーク尾瀬戸倉(無料)
スノーパーク尾瀬戸倉は第二駐車場が満車になるまで開放されないためご注意ください。
バスで行く
バスは各ツアー会社が提供しているものを利用します。
バスツアーの場合、乗換なしで鳩待峠や大清水まで行けることが多いので
電車とバスで行く
上越新幹線 上毛高原駅から尾瀬戸倉までバスに乗車し、尾瀬戸倉から乗り合いタクシーで鳩待峠か大清水に向かいます。
尾瀬の持ち物
登山装備がある方は日帰りの装備で行くと良いでしょう。
登山装備が無い方は普段履きなれた靴でも問題ないですが、全てが木道ではないため傷みが激しくなります。
夏場は大量の汗で体が常に濡れることで発生する低体温症のリスクが高くなるので服装には注意が必要です。
また尾瀬は湿地帯付近は日陰が殆どないので毎年熱中症で救助される方が発生しています。
イオンウォーター、日傘、日焼け止めなどを持っていきましょう。
尾瀬ヶ原を眺めるハイキングコース
鳩待峠から尾瀬ヶ原の途中までを歩くコースです。
鳩待峠→山ノ鼻あたりまでは1時間程度で緩やかな下りになります。
高低差は少ないものの片道6km、約1時間半程度のかかる工程になるのでイオンウォーターやタオルは最低限準備する必要があります。
鳩待峠と山ノ鼻は多くの山小屋があるので水分の補充や食事も楽しめるでしょう。
山ノ鼻から先が尾瀬ヶ原
山ノ鼻から先にあるのが尾瀬ヶ原になります。
目的は右側通行で霜や雨で濡れて滑りやすくなっている場合もあります。
この木道は見晴らし小屋まで続きますが、10km近くなる工程になるのと日や雨を避ける場所が殆どないので登山装備の無い方は牛首分岐あたりで引き返すようにしましょう。
至仏山を登る(注意あり)
至仏山と燧ヶ岳に挟まれる形で尾瀬ヶ原があり、どちらも登ることができる山です。
中でも至仏山はアクセスの良さから人気のある山で、片道3時間程度で4.6kmの工程です。
コースタイム(往復) | 体力レベル | 技術レベル |
5時間 | ★★☆☆ | ★★☆☆ |
至仏山は自然保護と遭難防止の観点から至仏山から山ノ鼻への下山は禁止されています。そのため、鳩待峠から至仏山を目指した場合山頂で折り返してくる必要があります。
山ノ鼻から登りで利用することはできるため、周回する場合は鳩待峠から山ノ鼻まで下り、山ノ鼻から至仏山を登るコースにしましょう。
天空の楽園コース(健脚者向け)
鳩待峠には至仏山を登るルート、山ノ鼻から尾瀬ヶ原に行くルートの他に富士見峠に行くルートがあります。
殆どの登山者は山ノ鼻に向かうのですが、富士見峠へのコースは隠れた絶景スポットなのです。
中でも中原山には草原が広がり燧ヶ岳を眺めることができ、遮蔽物がないためまるで宙に浮いているような景色が広がり天空の楽園と言われています。
アヤメ平から尾瀬ヶ原に下ることで、尾瀬ヶ原も楽しむことができ行程は長いものの、非常に満足できるコースながらも人もそれほど多くないので隠れスポットとして登山者の中でひっそりと紹介されています。
尾瀬ヶ原からアヤメ平は登りが厳しいため、鳩待峠から尾瀬ヶ原に下山するコースがコースがおすすめです。
コースタイム(往復) | 体力レベル | 技術レベル |
6.5時間 | ★★★☆ | ★★☆☆ |
燧ヶ岳を登る
燧ヶ岳は標高2356mの火山で日本百名山のうちの1つです。
燧ヶ岳は鳩待峠から目指した場合片道7時間半、12.5kmとタフな行程になるため日帰りで行くことは難しいでしょう。
見晴らしの小屋やテント場から出発する前提であれば5時間、4kmの工程です。
コースタイム(往復) | 体力レベル | 技術レベル |
10時間 | ★★★★ | ★★☆☆ |
燧ヶ岳を目指す場合はマイカーが駐車できる大清水から入山し、長蔵小屋などで宿泊し翌日に燧ヶ岳を目指す方がやや楽なコースを取ることができ、大清水は時間の制限も無いので行程の自由度も上がりやすいです。
まとめ
尾瀬で行きたいコースは見つかりましたか?
絶景の広がる尾瀬は高地にあるため雪が振り始める10月頃には基本的には入山が難しくなるので、春〜秋直前までがベストシーズンです。