登山につきものの「飲み水問題」どうしてる?
皆さんは山での飲み水はどうしていますか?
日帰り登山であれば家から持って行けますが、何日も山の中で過ごす縦走登山ではそうはいきませんよね。
沢や湧き水で調達するのが一般的かと思いますが、お腹の弱い方はくだしてしまう心配もあります。
また近年ピロリ菌が胃がんに関係している事がわかってきており、大人がピロリ菌に感染する事は少ないとされていますが乳幼児などへの口移しなどで感染する可能性があります。
ピロリ菌と胃がんの関係をきちんと証明したのは実は日本人の先生で、現国立国際医療研究センター名誉院長の上村直実先生です。上村先生は、1526人の日本人を対象に、ピロリ菌感染者と非感染者に分けて、7.8年間追跡調査を行いました。結果、ピロリ菌感染者の2.9%に胃がんが発生したのに対し、ピロリ菌非感染者からは1例も胃がんが発生しなかったことを根拠に、ピロリ菌は胃がんの原因であると結論づけました。これは2001年の業績です(参考文献1)。
https://koganei.tsurukamekai.jp/blog/pylori_and_gastric_cancer.html
そんな時に安全な水を素早く作れる浄水器があれば便利なんです。
山に持って行きたいオススメの浄水器を4つ紹介します。
そもそも登山に浄水器は必要?
一見非常に透明で美しい沢水でも水道水と違って消毒されておらず上流で、動物の死骸や糞尿、登山者による屎尿、バクテリアや細菌が含まれている可能性もあります。
特に北海道では「エキノコックス」が水に含まれている可能性が高いのため沢水を調達する場合は必ず浄水器を持って行きましょう。
エキノコックスはキツネのフンに寄生しますが水などを介して人間の体内に入り込み、卵が孵化すると血液やリンパ液に乗って体の各所に運ばれます。
最終的に肝臓に異常をきたして最悪の場合死に至ることもある病気です。
そのため北海道で沢水を飲む場合は必ず浄水器を持って行って、煮沸・ろ過した水を飲みましょう。
浄水器おすすめ商品4選
Befree Katadyn
Befreeはボトルと浄水器が一体になったタイプの浄水器で、飲み口もついており握るだけでストレスなく清潔な水をそのまま飲むことができます。
Befreeのおすすめなポイント
- 掃除が簡単
- 水入れて絞り出すだけで簡単。浄水器初心者におすすめ
- 65gと軽量でソフトケースなため収納の邪魔にならない
GRAYL ジオプレスピュリファイヤー
GRAYLの浄水器はボトルと浄水フィルターが一体になったタイプの浄水器です。
使い方としては写真オレンジのボトルに沢水を汲み、底部にフィルターが付いている透明のボトルを上から押し込みます。
710mlの水を8秒でろ過できるのですが、かなり力が必要なので女性は扱いずらいかもしれません。
エキノコックスなどの寄生虫は99.9%、バクテリアは99.9999%、ウイルスは99.99%除去できるので、スピーディに安全な飲み水を確保することができます。
ジオプレスピュリファイヤーは250Lの水をろ過することができます。
GRAYL ULコンパクトピュリファイヤー
ULコンパクトピュリファイヤーは寄生虫、バクテリア、ウイルスの除去率は先ほどのジオプレスピュリファイヤーと同じですが、容量が少なくコンパクトになっています。
こちらは473mlを15秒でろ過することが可能です。
ジオプレスよりもろ過できる水が少ない分、女性でも扱いやすいです。
ULコンパクトピュリファイヤーは150リットルの水をろ過することができます。
使用頻度がそんなに多くなく、カートリッジを定期的に変えて衛生的に保ちたい方にはGRAYLシリーズがオススメです。
GRAYLのおすすめポイント
- 浄水器とボトルが一体型になっているので、他に水を入れるボトルが必要ない。
- 寄生虫やバクテリアだけでなくウイルスも除去できる。
- お手入れ方法が簡単。
GRAYLのお手入れ方法
浄水フィルターの入っているオレンジ色のカートリッジはよく水洗いして最低でも48時間は乾燥させましょう。
乾燥が不十分だとカビが生える可能性があります。
ボトルとフタは食器用洗剤を使ってぬるま湯で洗って、よく乾燥させましょう。
カートリッジの交換目安ですがジオプレス・ULコンパクト両方とも、ろ過に25秒以上の時間がかかるようになったら交換の時期です。
一応耐用年数は3年となっていますが、ろ過にかかる時間を目安にしてもらうと分かりやすいと思います。
SAWYER mini
SAWYER miniは重さわずか56gと軽量でコンパクトな浄水器です。
エキノコックスなどの寄生虫は99.9999%、バクテリアは99.99999%と高い除去率を誇っていますが、GRAYLと違ってウイルスは除去できません。
付属のパックに汲んでも使えますが、手持ちのボトルやハイドレーションに付けても使えるので、汎用性が高いのが特徴です。
浄水可能量は驚異の45万リットルなんです。これは1日に5リットル毎日ろ過したとしても約245年使える計算になります。
使用頻度が高い人にはGRAYLよりSAWYER miniの方がオススメです。
SAWYER miniのおすすめポイント
- 手持ちのボトルやペットボトル、ハイドレーションにも付けて使える。
- 浄水可能量が多いのでカートリッジ交換が必要ない。
- 軽量コンパクトで縦走登山でも邪魔にならない。
SAWYER miniのお手入れ方法
付属の注射器を使ってフィルターを洗浄します。
まず注射器できれいな水を吸い上げ、SAWYER miniの飲み口(ろ過された水が出てくる)側から水を注入します。
何度か繰り返して行った後、空の注射器で空気を送って湿気を出してあげましょう。
カビが生えるのを防ぐためにも乾燥はしっかり行ってください。
汚れが気になる場合は手で触れられるぐらいの温度のお湯の中に本体ごと浸けて2時間煮ましょう。
登山におすすめ浄水器比較
価格 | 重量 | サイズ | 寄生虫除去率 | バクテリア除去率 | ウイルス除去率 | 浄水可能量 | |
Befree Katadyn | ¥5,000〜 | 65g | 23 × 7.5 × 44.7㎝ | 99.9% | 99.9999% | 不明 | 1000ℓ |
GRAYL ジオプレスピュリファイヤー | ¥10,978〜 | 450g | 直径8.6x高さ26.5cm | 99.9% | 99.9999% | 99.99% | 250ℓ |
GRAYL ULコンパクトピュリファイヤー | ¥8,778〜 | 309g | 直径7.3x高さ24.5cm | 99.9% | 99.9999% | 99.99% | 150ℓ |
SAWYER mini | ¥2,980~ | 56g | 全長約13.5cm | 99.9999% | 99.99999% | 不可 | 45万ℓ |
山でも安全な飲み水を確保しよう
浄水器は1つ持っていれば山だけでなく災害時にも役に立ちます。
山でもどこでも安心安全な飲み水を素早く手に入れるためにも、浄水器を装備の1つに加えてみてはいかがでしょうか?
登山で浄水器の使用を考えるきっかけになれば幸いです。