春になると待ち遠しいのが桜の開花ですね。
日本全国の至る所に桜の名所がありますが、香川県三豊市の荘内半島にある標高352mの紫雲出山は、4月上旬から中旬にかけて頂上周辺が1000本のサクラでピンク色に染まります。
梅雨時にも約2000株のアジサイが咲く花の名所となっていて、アメリカニューヨークタイムズの「2019年に行くべき52カ所」に日本で唯一選出されており、紫雲出山の写真が世界に知られるようになりました。
紫雲出山は山頂近くまで車で行くことができますが、今回は山頂駐車場を出発して頂上を経由しながら荘内半島の先端にある灯台まで歩くコースをご紹介します。
山頂駐車場から讃岐三埼灯台までのルート
コースタイム(往復) | 体力レベル | 技術レベル |
5時間 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆ |
山頂駐車場へのアクセス
- 公共交通機関(JR)
- JR予讃線詫間駅から三豊コミュニティバスで紫雲出山登山口バス停へ
- マイカー
- 高松自動車道三豊鳥坂ICから詫間方面へ。山頂駐車場まで20km35分。
桜の名所で知られる紫雲出山ですが、山頂付近に駐車場が2か所整備されていて、そこから10分程桜並木を歩くとあっという間に展望台がある頂上に着きます。
展望台からは瀬戸内海の多島美が堪能できますが、この紫雲出山がある荘内半島には四国のみちが半島先端まで続いています。
みちの途中には昔話の浦島伝説にまつわる地名や旧跡などがあるので、浦島太郎になったつもりで灯台まで歩いてみるのも面白いですよ。
山頂駐車場から頂上展望台へ
駐車場へは県道234号線から232号線に入りますが、海岸沿いの気持ち良い道の真正面に見えてくるのが紫雲出山です。
そして山頂へ行く分岐点に差し掛かりますが、その横にあるのがこの竜宮城の形をしたトイレです。
この荘内半島には浦島伝説にちなんだ地名や旧跡が数多くありますが、この竜宮城トイレも数か所設置されています。
中はごく普通のトイレで玉手箱などはありませんし、勝手に歳をとってしまう恐れはありませんのでご安心下さい(笑)
そして上り坂の先にある駐車場に到着します。
駐車場の片隅には浦島伝説を解説している看板があり、そこから眺める瀬戸内海が見事です。
ここから頂上までは約7分ですが、展望台近くにある弥生時代中期の集落跡地には瀬戸内海の景色を満喫しながら休憩できる喫茶コーナーがあって、ここを目当てに行く方も多いようです。
山頂までの道は舗装されていてとても歩きやすい道となっています。
しばらく歩いていくと桜並木に差し掛かりますが、1月に訪れた時は少し寂しい風景でした。
ちなみに桜の木の根元にあるのがアジサイです。
これが4月上旬になるとこのような感じになります。
なお桜シーズンになると交通規制が行われており、オンラインで事前予約した車両しか通行できなくなるのでご注意下さい。
そして桜並木の先にある展望台に到着です。
南には四国山地、北には瀬戸内海の島々を望むことができる最高のビュースポットです。
これから向かう半島の先の灯台も遠くに望むことができます。
頂上展望台から仁老浜へ
海の景色を堪能したら展望台先の山頂公園の桜並木を箱峠方面へ下っていきます。
途中には新田の城跡という古い石垣がある場所がありますが、建物は残されていません。
更に20分程下ると駐車場もある箱峠(はことうげ)に到着します。
箱という珍しい地名ですが、浦島伝説によると太郎が玉手箱を開いたとされる場所のようです。
この箱峠から灯台まで3.3㎞、約90分の道のりです。
道は鮮明ですが秋から冬にかけては落ち葉がかなり多くなっているので、滑らないよう慎重に進みましょう。
道の片隅にはスイセンが多く見られます。
下った先の民家横の道を進むと誰も居ない海岸に出ますが、ここは仁老浜と呼ばれていて玉手箱を開けてしまいおじいさんになってしまった浦島太郎が余生を送った場所と伝わっている場所です。
どこまでも青い空と海を眺めてみると、竜宮城に浦島太郎を導いたあの亀が出てきそうな雰囲気が漂ってきます。
この仁老浜にも竜宮城トイレがあります。
荘内半島の最先端、讃岐三埼灯台へ
ここから再び上り坂になり海が見えなくなりますが、途中に関の浦への分岐点があります。
関の浦は鎌倉室町時代に沖を通過する船から通行税をとっていた場所で、山口県の上関、中関、下関と共に四大関所と呼ばれるほど重要な関所があったようです。
200mほど急な坂を下った先には海岸があるのですが、かつて関所と呼ばれていた面影は全くなく、今では釣りを楽しむ船を多く見かけるのみとなっています。
関の浦分岐をまっすぐ進んで、雷の中にいる怪物の言い伝えがある「どんどろ石」に別れを告げると海の景色が広がってきました。
そして讃岐三埼灯台に到着です!
昭和34年に建設され、高さは11m。
残念ながら中に入ることはできませんでした。
周辺では快晴の冬晴れの中釣りをしている船を数多く見かけましたが、この周辺は潮流が速くて絶好の鯛の漁場となっています。
アコウやアジも狙えるということで瀬戸内海の中でも屈指のポイントとなっており、平日でも条件が良い場合は100隻近い船が集まるようです。
まとめ
桜の名所である紫雲出山は、浦島太郎伝説によると玉手箱から立ち昇った白煙が紫の雲となり山にかかったことが由来とも言われています。
頂上周辺の桜も見事ですが、そこから眺める澄みきった青い瀬戸内海の景色も格別です。
ハイキングの帰り道、喫茶コーナーでのスイーツタイムはきっと誰もが思い出に残ることでしょう。
眺めて良し!登って良し!味わって良し!
3拍子そろった香川県紫雲出山から讃岐三埼灯台へのハイキングでした。