ミツマタは早春に咲く花であることから、古くから春の訪れを知らせる花として馴染みのある花です。
枝は必ず3つに枝分かれし、花は大きく育っても1〜2cmほどの小ぶりなサイズです。
小ぶりな花が枝先にいくつもに枝分かれするために丸い形となり、まるでぽんぽんのような形になります。
春の時期に群生地では一斉にミツマタが咲き誇り、とても綺麗な景色といい香りに包まれます。
本記事では、そんなミツマタが有名な山を関東、関西、九州でピックアップ。
登山口へのアクセス方法や登山コースなどを紹介します。
ミツマタとは?
ミツマタは冬になると葉を落とす落葉樹で、3月から4月にかけて小ぶりな黄色い花を咲かせます。
そのため日本では仲春の季語とされる春を代表する花となっています。
枝が必ず3つに分かれる三又になることから「ミツマタ」と呼ばれ、昔から和紙の原料としても利用されてきました。
日本各地にはいくつか群生地があり、登山客にはミツマタの群生地を見に行くために山に登るという方も少なくありません。
ミツマタが見れる関東でおすすめの山
関東でミツマタが有名なエリアは西丹沢になります。
ここでは西丹沢にある、ミツマタを見るのにおすすめの山を2つ紹介します。
檜洞丸
檜洞丸(ひのきぼらまる)は、神奈川県の丹沢西部にあたる、神奈川県相模原市と足柄群山北町の境にある山です。
神奈川県の山では蛭ヶ岳(標高1,673m)についで2番目に高い標高1,601mの山となっています。
一体は丹沢大山公園に指定されており、ツツジの花がとても有名で、毎年ツツジの季節である5月下旬から6月上旬にかけては山一体を彩るツツジが大人気で多くの登山客が訪れます。
檜洞丸の一般的なコースは、西丹沢ビジターセンターからツツジ新道を通り山頂まで登り、帰りは同じ道で下山するコースです。
上級者の方であれば、山頂から犬越路方面におり、ぐるっと一周するような形で西安沢ビジターセンターに帰るコースがおすすめです。
西丹沢へのアクセスは、電車やバスを使う場合は小田急線の新松田駅から富士急湘南バスの「西丹沢行き」に乗車すれば約70分で終点の西丹沢ビジターセンターに到着します。
もしくはJR御殿場線谷峨駅から同じく富士急湘南バスの「西丹沢」行きに乗車しましょう。約55分で終点の「西丹沢ビジターセンター」に到着します。
ビジターセンターからは整備されたコンクリートの道を500mほど歩くと、登山口に到着します。
登山道から登り始めるとすぐに沢に出ます。
登山の最初も最初の場所ですが、木漏れ日と沢を流れる音でとてもリラックスでき流場所です。
この川の対岸に登山道があるのですが、ここが少し迷いやすいので迷わないように注意しましょう。
最初は道幅も狭く登りが続くので気をつけて進みましょう。
ここが春になると登山道の両脇にミツマタが咲き誇りとても綺麗です。
400mほど登山道を進むと、看板のある少し開けた場所に出ます。
ここからゴーラ沢出合までは登山道も平坦になります。
ゴーラ沢出合を過ぎてからはまた登りが続くことになるので、しっかりとここで体を温めておきましょう。
ゴーラ沢出合は大きな沢となっており、開放感がありとても気持ちがいい場所です。
沢を渡らなければいけないのですが、前日などに雨が降っていなくても水が流れているので、この川を渡るのには意外と苦戦します。
場合によっては、靴が濡れるのは覚悟の上で渡らなければいけない場合もあります。
ここも少し登山道がわかりにくいですが、ゴーラ沢を斜めに渡り登山道となる階段を登ります。
看板でコースの説明があるので確認し、迷わないようにしましょう。
ゴーラ沢を過ぎると本格的な登りが始まります。
足場は悪いところが多く、鎖場もあるので気をつけて進みましょう。
ゴーラ沢から展望台までは1時間ほどで到着します。
展望台はベンチが1つあるだけですが、景色はなかなか綺麗で、天気が良ければ富士山も見ることができます。
展望台を過ぎたところからはハシゴも出てきます。
山頂近くになると丹沢らしい整備された道となり、木道が続く尾瀬のような道となります。
展望台からは100分ほどで山頂まで到着します。
山頂からは丹沢の山々を見渡すことができ、山頂も広いのでゆっくりと景色を楽しみながら昼食をとることができる場所です。
ミツバ岳
ミツバ岳は神奈川県の足柄上郡山北町にに位置する山で、丹沢湖のすぐ近くに位置します。
今回はミツマタを綺麗に見ることができる、滝壺沢の滝の登山口から山頂までのピストンコースを紹介します。
丹沢湖畔には無料の駐車場がいくつかあるので、登山口から1番近い駐車場に停めてしまって問題ありません。
登りの登山時間が1時間ほどで登れてしまう低山ですが、登山道は急勾配であるためしっかりと装備などは揃えていきましょう。
登山道から登り始めて20分ほど登れば、黄色いミツマタの花が咲いています。
道中にもちらほらと咲いていますが、山頂付近には大群生地があります。
一面い広がる黄色いミツマタの群れはとても綺麗です。
山頂は標高が834mしかありませんが富士山が見え、丹沢湖も見えます。
山頂は平坦になっているので、ミツマタを楽しみながらゆっくりランチをとるのがいいでしょう。
ミツバ岳は1時間ほどで登れてしまうので、物足りないと感じる方もいるかもしれません。
その場合は車で10分ほどのところに「ユーシン渓谷」があるので、そちらをハイキングするのもおすすめです。
ミツマタが見れる関西でおすすめの山
野登山
野登山(ののぼりやま)は三重県の鈴鹿市と亀山市にまたがる鈴鹿山脈に位置する標高851mの山です。
山頂に亀山藩の祈願時だった野登寺あることから、野登山と呼ばれるようになりました。
山頂には無線中継施設があり、それを管理するための車道があったりと普段はほとんど登山客がいない山ですが、毎年春になると全国的にも珍しいミツマタの群生地である野登山には多くの登山客が訪れます。
ミツマタを見に行く場合、坂本棚田の登山口からの登りましょう。
坂本棚田には観光駐車場があります。国道306号線から石水渓谷に向かって坂本の集落を目指しましょう。
バスや電車で行く場合は、亀山駅から坂本棚田へはコミュニティバスが出ています。
本数は少ないですが、車で行く場合はそちらのバスを利用していきましょう。
登山道はそれほどきついところもなく、林道のような緩やかな上り道が続きます。
登山を開始してから30分〜40分ほど登ると、ミツマタが出てきます。
谷沿いの登山道に入ると両側の山の斜面いっぱいにミツマタが広がり、「妖精の森」と呼ばれるファンタジーのような景色が広がります。
谷沿いの道から尾根の道に変わるとミツマタは見えなくなり、急登の道に変わります。
山頂は標高870mの低山ということもあり、ほとんど展望なありません。
そのため、ミツマタだけが目当てであれば、尾根の道に出た時に引き返してしまってもいいかもしれません。
ミツマタが見れる九州でおすすめの山
西山(鮎坂山)
西山は福岡県の福岡県の宮若市と古賀市の境に位置する、犬鳴連峰の1つです。
標高644mの低山で、鮎坂山とも呼ばれます。
西山を登る際は、「脇田登山口」という駐車場を目指しましょう。
県道21号線を直方方面に向かうと右側にあるのですが、かなりわかりにくいです。
隣に「朝日うどん」といううどん屋さんがあるので、そのうどん屋さんを目印にするとわかりやすいです。
登山道まで行ってしまえば、あとはそこまでわかりにくいところもありません。
登山道はあまり登山客がいないので倒木などが多く歩きやすい道ではありませんが、そこまで急なところもないので子供でも登れる程度の登山道です。
登山口から登り始めて15分から20分ほど登ると、ミツマタの群生地になります。
ミツマタの木が斜面から伸びているので、左右も上もミツマタに囲まれ絶景となります。
その後は40分ほど登山道を登れば山頂に到着します。
山頂は西山と鮎坂山の看板があるだけで特に目ぼしいところはありません。
ミツマタが目当てであれば、こちらの山もミツマタのところまででもいいかもしれません。
まとめ
ミツマタはなかなか聞かない花かもしれませんが、ミツマタで埋め尽くされている群生地は、まるでアニメの世界に来たような景色が広がっています。
木漏れ日に照らされると黄色い花が鮮やかに輝きとても綺麗です。
ミツマタは春の少しの時期にしか見ることはできないのできません。
ミツマタが有名な山は全国各地にあるので、ぜひミツマタを見に今回紹介した山も含めて山に登ってみてください。