【テント泊登山】燕岳:憧れの北アルプスの女王へ

山紹介

日本を代表する山岳エリアである北アルプス。登山経験のある初心者から高い技術と経験を持つ上級者までが1年を通して訪れ、数多の名峰とそこに通ずるルート、目に見える眺望から深い歴史に至るまで、魅力に溢れた山域です。

今回は北アルプスの女王の別名を持ち、格別の眺望と雷鳥の出会いが待っている燕岳へ、1泊2日でテントを背負って登る山旅をご紹介します。

燕岳とは

標高2,763m、北アルプス南部に位置する燕岳は、山頂周辺に高山植物の女王として知られるコマクサが群生していることから、北アルプスの女王の別名を持つ名峰です。

峻険で人を寄せ付けず、登頂まで高い技術を求められる山がある北アルプスの中で、比較的登りやすいルートがあり、優れた眺望、宿泊可能な燕山荘の存在があることなどから、初心者をはじめとした多くの登山者が訪れています。

山頂から望む槍ヶ岳や穂高方面といった北アルプスは息を呑む圧巻の景色で、まるで絵画に自分が存在しているかのような芸術的な世界が広がり、燕岳も属している常念山脈の稜線は、今後の山旅を予感させる高揚感を得られます。

山頂周辺は天然記念物である雷鳥と出会える場所でもあり、北アルプスならではの自然環境を肌で感じられます。

今回のおすすめルート

燕岳を目指すための登山ルートとしておすすめなのは、中房・燕岳登山口から登る合戦尾根を通って山頂を目指すルートです。

合戦尾根は北アルプス三大急登に数えられ、標高差1,400m以上を登る歩きごたえのある尾根です。

急登ではありますが登山道は良く整備されていて歩きやすく、途中にある合戦小屋での休憩、森林限界を越えると見えてくる大天井岳への稜線など、飽きのないルートで初心者から経験者まで人気のあるルートです

尾根を経て燕山荘にたどり着けば、山頂までは30分弱の道のり。

イルカ岩、メガネ岩をはじめとした個性的な岩を楽しみながら歩いていると、二等三角点のある山頂に到着です。

全編で歩きやすく、山頂周辺に位置する燕山荘の存在、下山後は中房温泉で汗を流すなど、北アルプスの登山デビューに最適な条件が整っている、正に名峰です。

駐車場とトイレ

中房・燕岳登山口へはマイカーアクセスが可能です。

駐車場は中房温泉から10分ほど下ったところに、無料駐車場が3つあります。また有明荘から更に下ると、2台〜5台ほど停車可能な無料駐車場があります。

こちらは登山口から20分ほどかかります。

土日はすぐに埋まり、さらに下にある駐車場を利用するので早着がおすすめです。

トイレは駐車場・登山口、合戦小屋、燕山荘にあります。

燕山荘と合戦小屋

登山道上には合戦小屋と燕山荘があり、休憩や宿泊が可能です。

合戦小屋は休憩適地として休日はハイシーズンは多くの登山者で賑わい、標高2,350mに位置しています。

燕山荘まで90分の場所にあり、燕岳登山終盤に備えてここで休むのがおすすめです。

合戦小屋はテント泊も可能で、5張まで利用できます。

燕山荘は山頂まで30分、眺望の良い稜線上に位置する山小屋です。

小屋泊・テント泊・軽食が可能で、充実したサービスとホスピタリティが魅力です。

燕山荘やテント場で過ごす一夜は、北アルプスや麓の夜景、星空と、ここでしか見られない世界で忘れられない時間を過ごせます。

行程

コースタイム体力レベル技術レベル
7時間40分★★★☆★★☆☆
Yamarii登山グレード

登山口から合戦小屋

駐車場をスタートし、登山口へ向かいます。

中房登山口は目の前に温泉が。

合戦小屋まではトイレがないので、ここで済ませておきます。

登り始めるといきなり急登が。ペースを乱さずゆっくり登ります。

合戦小屋まではベンチが4箇所あります。ここは第一ベンチ。

第二ベンチへ。

第二ベンチ。

途中で見れる眺望。高揚していく気持ちを抑えながら歩を進めます。

第三ベンチ。

富士見ベンチへ着くと合戦小屋まで大分近づいています。

合戦小屋までもう少し。

合戦小屋に到着です。この日は平日で営業しておらず、トイレをお借りしました。

木々が開けて、気持ち良い空間でリラックス。終盤戦に備えます。

合戦小屋から燕岳

合戦小屋を後にして山頂を目指します。

序盤に比べて木々が開け、気持ちの良い景色が広がります。

燕山荘を目視。燕岳へもうすぐかと思うと、ワクワクします。

燕山荘まであと少し。

燕山荘に到着です。

この日はテント泊なので、受付を済ませてテントを設営。

テント設営後、最低限の装備を持って山頂へ。

イルカ岩。

待ちに待った山頂は目の前です。

ついに登頂です。

山頂は最高の眺望。

テント場に戻ってのんびり過ごします。

この日はブロッケン現象が。

2日目の朝、燕山荘近くで雷鳥に出会いました。

下山後のおすすめ:中房温泉 湯原の湯

登山口に位置する入浴施設で、登山の疲れを癒やしてくれるおすすめの温泉です。

風情ある露天風呂で、ぬるっとしたお湯は入浴後に肌がツルツルになります。

コンパクトにまとまった館内では軽食のほかオリジナルのTシャツを取り扱っており、燕岳登山の締め括りに最適です。

燕岳登山で北アルプスの魅力を体感しよう

北アルプス初心者向けの山にして高山植物、雷鳥、眺望などが楽しめる燕岳。登りごたえがある合戦尾根を越えると北アルプスの名高い山々が迎えてくれ、悠久の刻より存在する日本の自然の美しさ、そこに生きる動植物の気高さなど、登山で出会う奥深い世界を堪能できます。

下山後は温泉に浸かって疲れを癒やし、燕岳登山の思い出を振り返り、次の登山を考えながら帰路につけます。

燕岳登山で、北アルプス登山の魅力を存分に体感してくださいね。