四国で登山と観光を同時に楽しむ山5座を紹介

四国

四国には日本百名山が2座ありますが、その他にも魅力的な山が沢山あります。
四国百名山という地域で親しまれている山も多いのですが、今回はその中でも特に人気の山を5座ご紹介します。

見頃の時期や近くでおススメしたい観光名所も紹介していますので、山好きな方にとって泊まってでも登りたくなること間違いなし!

それではさっそく出かけてみましょう。

目次

愛媛県の石鎚山

標高1982m
登山時間(片道)土小屋ルート 135分
成就ルート  180分
見頃秋の紅葉
(9月下旬~10月上旬)
近くの観光スポット石鎚スカイライン近くの面河渓

四国で登山に行く場合何といっても石鎚山は外せません。

西日本最高峰の肩書と合わせて春にはアケボノツツジ、夏は新緑とお山開き、冬には霧氷と見どころが沢山ある石鎚山ですが、一番おススメしたい時期が秋の紅葉です。

西日本で一番早く紅葉の見ごろが訪れるだけあって、年間を通して一番登山客が多い時期が秋なのです。
土小屋ルートのアクセス道路「石鎚スカイライン」の開門前から多くの車が並び、成就ルートのロープウェイ乗り場前には行列ができます。

合計4か所の鎖場(全て登ると214m!)も行列になるほど混雑するので、並ぶ時間も考慮しながら頂上を目指します。

高い場所が苦手な人や不慣れな人は、無理に鎖を登らず迂回路を利用しましょう。
簡易トイレもある二ノ鎖小屋を過ぎると、頂上の紅葉が眼下に迫ってきます。

石鎚神社がある頂上広場からは四国の山並みや瀬戸内海のダイナミックな景色が広がり、天狗岳を赤く染める紅葉は息を飲むほど美しく、この景色を求めて日の出前に多くのカメラマンが集まります。

断崖絶壁がスリル満点の岩場を超えて天狗岳に着くと何も遮るものがない360度の絶景が広がります。

合わせて行きたい面河渓谷

土小屋ルートから登った方は、帰りに石鎚スカイライン入り口近くにある渓谷「面河渓谷」の観光も合わせていかがですか。

近年高知県の「仁淀ブルー」が人気ですが、その仁淀川は石鎚山が源となっています。
その麓にある面河渓谷で川沿いにある遊歩道から散策すると、透明でブルーの景色を堪能できます。

https://www.iyokannet.jp/spot/414

徳島県の剣山

標高1955m
登山時間(片道)見ノ越徒歩ルート 110分
見ノ越ロープウェイルート  60分
見頃春から秋にかけての新緑と紅葉

剣山は西日本で2番目に高い山で、石鎚山同様秋の紅葉時には多くの登山客で賑わいます。
見ノ越から西島駅までロープウェイを利用すると60分足らずで頂上まで行くことができます。

登山道は広く整備されていて、春から秋にかけては多彩な花が鑑賞できます。
なだらかな道を登ると頂上ヒュッテに到着。

かつて四国の山々では多くの山荘が営業していましたが、最近では利用客の減少から無人の山荘も多くなってしまいました。
剣山の頂上ヒュッテは絶賛営業中で、宿泊はもちろん軽食やお土産を購入できます。

ここから頂上までは10分程ですが、剣山山頂周辺はササ原が広がっています。
険しい山の名前とはまるで違った光景ですが、ミヤマクマザサ保護の為の木道を進むと頂上に到着。

ここで引き返してもいいのですが、剣山に登った時にぜひトライしたいのが頂上から更に1時間程先に歩いた所にある「次郎笈(じろうぎゅう)」です。

剣山が太郎笈と呼ばれるのに対して、標高1930mの次郎笈。

山肌は一面シコクザサに覆われていて、頂上に向かう途中に登山道後ろを振り返ると剣山とその稜線がクッキリ!

見ノ越から剣山に登ると山の全体を眺めることはできないのですが、次郎笈まで進むとどこまでも山並みが続く壮大な景色を堪能できます。

徳島県・高知県の三嶺

標高1893m
登山時間(片道)名頃バス停ルート 220分
見頃春から秋にかけての新緑と紅葉
近くの観光スポット祖谷のかずら橋

三嶺は四国第8位の標高の山で、剣山との縦走ルートもあります。
登山道はいくつかありますが、徳島県の名頃バス停近くにトイレもある駐車場から頂上を目指す登山客が多いです。

登山道は緩やかな勾配が続き、途中三嶺林道と交差した所から尾根筋を進みます。

登りはじめて2時間程するとダケモミの丘に着きます。
周囲にはササが広がり落葉広葉樹からウラジロモミ林に変わりますが、鹿除けの柵がひときわ目につきます。

この先にある樹林帯を抜けると一気に視界が広がり、三嶺ヒュッテ(避難小屋)とミヤマクマザサに覆われた三嶺山体が見えてきます。

時折流れてくる風と共に、三嶺の池越しに映える風景を堪能しましょう。

ここから山頂までの道ではコメツツジ群落があります。
高さが1m未満の小低木で、笹原や岩場などで1mm程の白い小さな花が咲きます。

三嶺山頂から更に先にある天狗塚(1812m)の間では特に多くのコメツツジが咲き、国の天然記念物に指定されています。
三嶺のコメツツジの見ごろは6月下旬から7月にかけてですが、ほんのり赤く染まる秋の紅葉もおススメですよ。

三嶺ヒュッテから歩くこと15分で山頂に到着。

何も遮るものがない360度の絶景がそこには広がり、天気が良く視界が良い日には愛媛県の石鎚連峰まで見る事ができます。

合わせて行きたいかずら橋

この周辺にある観光名所は、平家の落人伝説が残る秘境祖谷にあるかずら橋です。
昭和30年に国指定民俗重要文化財になっていて、シラクチカズラで出来ている重さ6トンの歩行者専用橋。

橋の長さは45m、川の水面から高さが14mあって、ギシギシと揺れながら渡るので迫力満点!
まさに四国の秘境とも言える場所です。

愛媛県・高知県の伊予富士

標高1756m
登山時間(片道)旧寒風山トンネルルート 130分
見頃春から夏にかけての新緑
11月以降の冬の霧氷
近くの観光ススポットUFOライン

全国にはご当地富士として愛されている山が沢山ありますが、愛媛県の伊予富士は山名とは違い独立峰ではありません。
伊予富士の魅力は登山途中から雄大な景色が広がる稜線歩きです。

国道194号線の高知県側寒風山トンネルから林道に入り、一気に標高を稼いだ後旧寒風山トンネル南口にある登山口から出発します。
この登山口は伊予富士だけでなく、日本二百名山の笹ヶ峰や寒風山の登山口にもなっていて、早朝から多くのハイカーが訪れます。

40分程登り道を進むと一気に視界が広がり、桑瀬峠に到着。
伊予富士や寒風山が望める絶好の休憩ポイントで、冬には幻想的な霧氷も見ることができます。
ここからしばらくは遠くの伊予富士を眺めながら笹尾根の道を進みます。


時折流れ来る風がとても心地良いですよ。
伊予富士の麓まで来ると山頂までもう少しですが、最後の数百メートルは急こう配でゴツゴツした岩場の連続となります。
足元に注意しながら慎重に進みましょう。

頂上からは石鎚山をはじめとする四国の山並みが一望でき、視界が良ければ瀬戸内海や太平洋まで見えることも。

合わせて行きたいUFOライン

伊予富士へ登ったあとは登山口すぐ近くにあるドライブコース、UFOラインを満喫してみてはいかでしょうか。


車のCMで話題になった爽快な風景が楽しめる天空の道がどこまでも続いています。

愛媛県の東赤石山

標高1706m
登山時間(片道)筏津バス停ルート225分
見頃春から秋にかけての開花シーズン
近くの観光ススポットマイントピア別子

最後にご紹介するのが多彩な花が楽しめる東赤石山です。
登山口はいくつかありますが、最短コースは銅山川近くの筏津バス停からのルートです。

この一帯は明治から昭和にかけて別子銅山があった所で、旧別子村(現在の新居浜市)はかつて1万人以上の人が住まれていました。


筏津登山口にもかつての坑道「筏津坑」があり、別子銅山の4つの鉱床のうち最後まで採掘が行われていたのです。

登山道は急斜面で岩がむき出しの場所が多く、歩行には最新の注意が必要。

東赤石山は花の百名山に選ばれるほど花の宝庫となっていて、春から秋にかけて山固有種のオトメシャジンやアケボノツツジ、オトギリソウやイワタバコなどが咲き乱れます。

頂上に近づくと更に大きなかんらん岩の連続となり、特に濡れている時には滑らないように気を付けましょう。

山頂からは瀬戸内海のしまなみ海道を望める絶景が広がります。

東赤石山へ登った帰り道には、道の駅と観光スポットの複合施設「マイントピア別子」へ立ち寄ってみましょう。

温泉もあって登山の疲れを癒すには最高の場所ですが、実際に別子銅山で使用されていた鉄道路線を通って鉱山観光が出来ます。
南米のインカ帝国遺跡「東洋のマチュピチュ」と呼ばれている東平ゾーン観光もおススメです。


シャトルバスも発着していて、山深い場所に突然現れる貯鉱庫と索道停車場の跡が見どころです。

四国に来る機会がなかなか無い方も、登山と観光をセットで周ると更に思い出深い旅になるでしょう。
次の大型連休にあなたが来るのをお待ちしています!